朝の出発で、ゲートから離れると風向きが気になるのは CDG リピーターの性かもしれません。
今度は南側の滑走路に侵入。相変わらず海風で西向きに離陸です。滑走中、離れたばかりのターミナル 2E が見えます。
シートベルト着用中はメニューのチェック。白ワインは一時期一種類でしたが、二種類に戻りました。
白は Pouilly-fumé だけ試しました。新世界の Sauvignon blanc を意識したのか、あえて品種らしさを隠すような造りでした。確かに新世界のバラエタルワインは、旧大陸の品種の特徴を過度に強調していると言えなくもありません。差別化に有効だと考えたのでしょう。
赤も試したのは Château La Garde だけです。これは青草の香りが強く、アメリカ人が苦手とされるタイプでした。
冠雪した山々は、離陸からの時間と高度を考えるとアルプスしかあり得ません。
頂上を指して、山の名前をずらずら言える人もいるのでしょう。私には集落の名前すら分かりません。
アルプスを越えると飛行が不安定になるリスクが減るのか、機内サービスが展開されます。28席からなるビジネスクラスは満席でした。サービスは形式的なものになりそうだと予想できます。
白ワインは先ほど書いた Pouilly-fumé。そして発泡ミネラルウォーターにレモン片。
この後はバルカン半島に抜け、Ljubljana, Zagreb, Pécs, Tinisoara, Bucarest, Constança 付近を通過して黒海上空に入ります。
そのころには昼食も進行。
L’entrée。ナプキンを留める紐は、長距離便なので紺色。短距離便では灰色です。
メインは Arnaud Lallement なる Michelin 3ツ星シェフ監修の Jerret de veau effiloch, bouillon à la tomate。
タラゴンらしいハーブが強烈に効いており、特徴的な味わいになっています。マスタードで香りを穏やかにすることも可能。ワインは先にも書いた Pessac-Léognan の Château La Garde 2017 を合わせましたが、合うとも合わないとも言えません。
チーズが見事なのは AF の美点。熟成度を含めて良質なものを安定して出す点では、恐らく世界一でしょう。
デザートは Nina Métayer なるパティシエールの監修によるもの。
noisette、チョコレート、クリームの調和が素晴らしく、触感は卓越していました。
まともに考えると監修では個性の表現が鍵ですが、エールフランスではそれが真面目に行われています。アジアの有力会社機内食で横行する単なる名前貸しとは異なります。
エールフランスは他のキャリアと比べると機内食が断トツに素晴らしいのですが、英米系の旅客には異なる価値観を持つ者が多いようで、英語圏の人気投票では必ずしも評価は高くありません。英国や米国の料理はだいぶ違うので、このことには不思議ありません。
マスタードを2種用意するぐらいなら、融けるプロセスチーズ、タバスコ、チリソース、モルトビネガーを彼ら向けオプションとして常備した方が効果的でしょう。さらに炭水化物と油脂からなるスナックをいつでも手の届くところにおけば、スカイトラックス得点には間違いなく有効。英語圏食文化で育つ人間の高評価に価値を認めるかどうかの判断です。
中座して戻ると入国関係書類が置いてありました。英語版。
そういえば離陸前、日本人乗務員が 4名乗務しているという放送がありました。それでビジネスクラス担当はゼロでした。東京便では珍しいことです。このキャビンでは日本人客は他に搭乗していなかったのかもしれません。
後は到着前の朝食まで放置。途中で Champagne を一杯もらいました。古典的ショットでご紹介。
昼-夜-朝と短縮された一日を過ごしますが、キャビンは暗いまま飛行が続きます。雰囲気充分ですが、飽きてきます。
シートをほぼフラットにして 2時間ばかり寝ました。
到着 1時間20分前ぐらいに朝食の準備が始まります。到着時刻が 5:55 ですからギリギリまで遅くしたものと思われます。
炭水化物控えめで。
お楽しみ関東マイナー地名。本日の優勝は我孫子。
東京湾に入り、房総半島が見えていてもこの程度の朝。
羽田では朝の国際線到着は普通 A 滑走路北向きに着陸。
出口から遠いゲート。エールフランスは 144 の利用が多い気がします。
写真はありませんが、日本人以外の入国審査は地獄の混雑でした。また預入手荷物の引き渡しは遅く、この便の最初の荷物が出てくるまでターンテーブル前に30分以上待たされました。自分の荷物が出てきたのはその10分後ぐらい。羽田は日本人客の目につきにくい箇所で、人手不足が深刻なようです。