重要な顧客層
気の長い投資とでも言うべきでしょうか。子供は航空会社にとって、非常に重要な客層。飛行機旅行は大人が感じるより非日常的になり、強く印象に残ります。それが楽しい思い出ならば、長じてもその航空会社の利用を常に考えるようになります。強烈な刷込み効果が期待できるのです。
例えば日本だと、修学旅行は力を入れるべき営業対象でしょう。JAL も ANA も頑張っているはずです。
社会事情がだいぶ違うフランス。子供が旅客として注目される舞台は、バカンスです。エールフランスでは、7月号機内誌 (No. 267) で特集を組んでいました。毎号にある Air France News (エールフランスからのお知らせ)の章ですが、フランス語頁だけで 7頁にもわたります。滅多にない大特集になっています。
冷静に考えれば、機内誌での宣伝は適当とは言えません。むしろ Web site のトップページにリンクを張り宣伝すべきで、そういうところは間が抜けたエールフランス。
この夏、エールフランスで子供(< 17歳)と一緒にお出かけするなんて方は、事前に読むとよさそうな7月号。Air France Magazineはそのサイトで無料閲覧可能。今は Air France Play をタブレットやスマホにダウンロードして、このアプリ上で読むのが簡単なようです。Flying Blueのアカウントにログインをする必要があるかもしれません。
機内誌の記事内容
英訳もありますが、フランス語でないと Air France Magazine は読みやすくありません。当ブログでは、せっかくの機会ですので日本語で紹介します。
特別に用意された空間:街中のエールフランス・エージェント(パリ-ポルトマイヨ、パリ-アンヴァリッド、リヨン、ナント)に新しく家族用スペースを用意。パリ・シャルルドゴール空港のターミナル 2E サテライト L のビジネスクラスラウンジにも同様の空間を設置しました。おもちゃ、ゲーム、子供用雑誌などがあります。
パリ-アンヴァリッドのエージェントについては、少し前に記事にしました。
子供関係の施設は気がつきませんでした。
Air France Play:このタブレット、スマホ向けのアプリも、子供用、若者用の雑誌をいろいろ取り揃えています。
Air France Play は搭乗30時間前から、数多くの新聞、雑誌の電子版にアクセス可能なアプリ。航空券を買えば誰でも使えるので、雑誌が好きな人には「刺さる」サービス。これで「元をとる」事だって出来ます。英語の新聞、雑誌もかなりあります。
子供質問箱:子供からの質問を受け、エールフランス職員がビデオで回答するサイト
Questions à Réactions par Air France
があります。画面上で遊びながら、いろいろと質問を拾い、空港・機内で起きている事柄を理解できるという就学前のお子さん向けのプログラムです。
子供の搭乗前予習に供されているようです。残念ながら、フランス語しかないようです。
雲の上のマジシャン:長距離便の機内エンターテイメント・プログラムの一つ。手品師の資格を持つエールフランスのスチュアード(男性客室乗務員)が、4つの手品を実践します。半年に一度、内容が新しくなります。3~11歳向き。子供たちは席から離れることなく、親たちを驚かせることができるようになります。
からくりを教えてくれるのでしょうね。
瞑想プログラム:エンターテイメント・プログラム中にあります。プログラム Mind で子供たちと親たちは、集中と平静の効用を得ることができます。12の瞑想がガイドされます。6つは子供向け、8つはそれ以上の年齢向けとなります。その他に、音と呼吸によリラクゼーション・プログラムも備わっています。
子供向けエンターテイメント:冒険やアクションが好きな子たちには、映画、アニメ、オーディオプログラム、ゲームがあらゆる年代の客を対象に用意されています。
子供向けプログラムは以下で調べられます。日本語でのプログラム一覧はありません。
長距離便で配布されるおもちゃ袋:エールフランスは、3歳から11歳の子供に2色の新しいおもちゃ入れでフライトを超えた旅を提供します。内容は、学習(ゲーム)帖、ケース入りクレヨンに加え、キーホルダー、組み紐、3D絵葉書などです。
この袋は膨らませることができ、小さなクッションあるいは小さなブイになり、夏を楽しむために使えます。
エールフランスは小さな子を大切に:長距離便のファースト、ビジネス、プレミアムエコノミーのキャビンでは、乳幼児袋を用意しています。予約制です。一年に一度新しくなります。中身は、よだれ掛け、赤ちゃん用の小タオル、スプーン、1歳児用おむつ、ウェットティッシュ、保湿クリーム (Nivea Baby または Mustela)。
子供たち、ご飯です:エールフランスは、2歳から 8歳の子供の味覚と栄養に合った食事を用意します。ビオ農作物によるメニューは、バランスが取れ、食べやすく作られています。内容は新鮮サラダ、温かい皿、フルーツかフルーツサラダ、オレンジジュース、チョコレートコンポートかチョコレートバーになります。9歳以上の子供でこのメニューを選びたければ、出発24時間前を過ぎてから親たちが注文することになります。
小さな子の食道楽タイム:エールフランスは、乳幼児(6か月から24か月)の安楽、充足のために特別に機内食を用意しています。ビオ農作物による塩味の小鉢と甘味の小鉢、牛乳、フィンガービスケットからなるメニュー。出発24時間前を過ぎてから注文できます。
さてエールフランスはずいぶん以前(おそらく1990年代)から、子供の一人旅プログラム(現 Kids Solo、昔は planète bleue みたいな名前だった気がします)を実施しています。年間30万人も小さな旅人を運んでいるとのことです。4歳から 17歳が対象です。今では世界中どこからでも、スマートフォンで Kids Solo の航空券を購入することができます。基本的にエールフランスの全路線が対象。Kids Solo の客には、次のような配慮がされています。
リラクゼーションエリア:シャルルドゴール空港のターミナル 2E サテライト L に専用エリアが設けられています。150分を超える乗継時間が必要な旅程の Kids Solo 客が利用できます。350 平方メートルのスペースはエールフランスの者が監視しており、長距離飛行の後で疲れた子供のための休息エリアの他、接続便出発まで楽しむためのゲームエリアがあり、そこには学習(ゲーム)帖/ぬりえ帖、ゲーム、玩具が備えてあり、全ての年齢層に対応します。図書室もあります。子供向け雑誌、インタラクティブなテーブルゲーム、テレビ、スマーフォンやタブレットを充電可能で Mattel の電子ゲームにアクセスできるUSBソケット、SONY PS4のゲーム機、卓上サッカーゲームが備えてあるラウンジです。当然のことながら、全てのエリアで無料 Wi-fi が利用できます。
リアルタイムでの追跡:Kids Soloを利用する子供の親たちは、エールフランスアプリを使い、旅程全体を通して安心が得られます。旅程のどの段階にいるかをリアルタイムで追跡できます。搭乗、離陸、着陸、空港到着が、セルフィーと共にスマホで確かめられます。
最後に
上記サービスは全て航空券価格に含まれるので、知って搭乗するのと、知らずに搭乗するのでは大違い。事前に知る者は充実した旅を実現させ、知らぬ者は損をします。用意された機能はできる限り使った方が、自分のためです。
それからエールフランスとは関係なく一つ知っておくべきことは、子供は小さければ小さいほど、外国語に抵抗がないことでしょう。彼らは知らない言葉のビデオでも、楽しむことができるはずです。