PECHEDENFERのブログ

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ハブ&スポーク構造とFFPの選択

マイレージプログラム(FFP)は、よく使う航空会社のものを使うのが基本です。提携拡大と航空連合の時代ですが、制度的にも心情的にも自社会員の優遇ははっきりしています。マイル積算や特典化における見劣りや、上級会員のなりにくさを打ち消す価値があります。

 

航空会社の選択→FFP入会が本来の形。さらに旅行のパターンや旅行者の性格、属性によって使う航空会社は決まるはずです。

 

(1) 頻繁に旅行する土地が1箇所の場合、直行便がある会社を選ぶでしょうか。

 

(2) 頻繁に渡航する先が複数の国を含むエリアの場合、その地域より日本側にハブを持っている航空会社を利用するのが普通でしょうか。日系の就航都市が十分あれば多ければ問題ないのですが、現状ではそうではありません。

 

(3) 渡航先が世界中にあり、特に決まっていない場合、目的地により航空会社は変わらずえません。

 

(1)ではFFPは日系航空会社か、目的地の航空会社、(3)では複数の会社を選ぶか、同じ航空連合の会社を利用する線で妥協することになります。問題は(2)のケース。航空会社に選択肢が多く、いろいろな要素が関係してきます。言語とか宗教とか、上書きしにくい個人の属性が邪魔しない限り、FFPの変更も難しくありません。

「中国語、わかんねーよ。勘弁してよ。」という人もいるし、礼拝に関して抜かりのない航空会社でないと不便な人もいます。こういう人たちは、航空会社・FFPの選択が制限されますね。

 

路線密度を考えると、北米、中国、東南アジア、欧州が(2)のエリアになるでしょう。

 

日本-北米の場合、日本に就航している三大会社DL, UA, AAは、全て北米に複数のハブを持っています。つまりどれを選んでも大差ありません。むしろ日本側でいろいろな都合が発生します。例えば地元に直接就航している会社があれば、それを使うでしょう。

 JALANAでアメリカまで飛び、そこからは提携各社で目的地に向かうというパターンもありです。首都圏以外から出発する場合、JALANAで羽田か成田へ飛び、そこからDL, UA, AAを利用するというパターンもOKです。FFPも選択の幅が広いのですね。

 他人と違ったことがやりたい人には、Krisflyer。NRT-LAXをSQで飛びます。LAXはUAのハブですから、そこから先はUAで各地に向かいます。

 

日本-中国の場合、CA, MU, CZのハブが上海、瀋陽にあり、これらは日本各地から近い沿岸都市といって良いので、地勢的にはこれらの航空会社を利用するのが便利なはずです。もっとも日系も随分路線網を充実させているので、直接渡航する場合も多いと思います。この3社も日系も嫌いならば、CI, CXを使い、遠回りするのでしょうか。

 

日本-東南アジアの場合、最も顕著にハブ空港が意識されます。というのも、中京より西では、羽田や成田経由が誰の目にも遠回りに見えるのにもかかわらず、日系の航空会社の便は羽田と成田に集中しているからです。

 CIとCXが便利です。エリア内だとHANがハブの候補になりますが、VNは路線網がやや貧弱、接続もそれほどよくありません。TGはそれなりに使えそうですが、ベトナムラオスカンボジアミャンマーに行くには遠回りです。SQ, MH, GAはエリアの反対側の端ですから、日本在住者が使うハブとしては不適当です。

 日本市場では、CXとCIは潜在的なライバルなのでした。現在はCXの方が勢いがありますが、サービスのちょっとした差、FFPの改革、政治体制の変化で顧客が大きく動きそうです。

 

日本-欧州の場合、慎重に考えると解は限られます。しかし顧客はその通りに行動していません。解と言うのはSVO, DMO, HELがハブ、すなわちSU, S7, AYの利用です。これが欧州中の都市への距離を小さくする方法です。当たり前のことながら、LHRやCDGは西に寄り過ぎ、FCOや(再就航しそうなIBのハブ)MADはさらに外れにあります。日本から東南アジアに行く場合は、遠回りに敏感になりますが、欧州のフライトでは地理の知識が乏しいことと地球が丸いことが直感的に理解できないことから、ハブの選択に鈍感になっています。それため日本市場で助かっているのがBA, AF, LHなどのメジャーキャリア。日本人は、意識せず遠回りしています。

 モスクワより東は(普通)欧州ではないし、ヘルシンキより北には直行便がありません。モスクワとヘルシンキは欧州エリアの東の端、北の端でそれぞれ日本から最も近い都市なのでした。

 ロシアが信用できない人には、合理的選択はAYのFinnair Plusとなります。

 福岡初の欧州直行便を就航させたKLMは、2年もしないうちに撤退しましたが、一年のブランクをおいて、代わりにAYが2016年春就航します。AMSを除く各都市への移動距離が短くなります。日本の交通網整備として、なかなか有利な話です。

 東京圏でも吉報があります。それはLOTの就航。2016年1月からNRT-WAW便が就航しますが、西ヨーロッパが目的地の場合、ワルシャワはエリアの東外れで日本にかなり近い都市となります。日本人にとって新しいハブですね。今後はLOTのMiles & Moreの選択も大いに考えられます。

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BA, AF, LHはそれぞれ英、仏、独の性質がきつ過ぎます。SKもゲルマンしています。その点、AYは欧州と一線を画する文化圏。日本でAYのファンが多いのは、ムーミンのおかげではないと思います。