Skytraxの評価は信頼がおけないと言ったばかりですが、そのIn-flight Entertainment部門の上位常連のSQ。これに関しては同意します。ほとんどの搭乗客が、フライトの全時間を母語で映画鑑賞できるという一点だけでも、凄みを感じます。
IFEのためだけに、毎月グラビア誌並みの雑誌を作っていることは、すでに紹介しました。この雑誌、少なくとも2種類は発刊されています。チャンネルの数が異なるIFEを使っているため、それぞれに雑誌を作ったようです。充実している方のIFE用。
A380とかB777-300ERなどは、これがシートポケットに入っていると思います。このIFEだと、295映画もあります。日本映画だけで12もあるので、12時間のフライトなら往復を全て異なる映画に費やしても、全部見切れません。フランス映画は17、ドイツ映画でも7もあります。プレミアムエコノミークラス以上だと、HDになり、画質も相当なものとなります。
雑誌は一緒でも、IFEのシステムは異なります。成田に来ているA380より、羽田に来ているB777-300ERの方がIFEは新しいようです。この違いはかなり大きく、注意が必要です。A380のIFEはすでに記事にしています。
映画館代わりの飛行機(その13):シンガポール航空実践 - バス代わりの飛行機
機材が違いますが、同じシステムです。
B777-200ERなど少し古い機材には、さらに古いバージョンのIFEが積んであったりあします。雑誌も別。プログラムが少ないので。
表紙はおろか、記事まで変えています。映画は全部で80と、量も小さいのですが、画質も劣ります。ビジネスクラスで画面が大きくても、あまり意味がありません。そのうちで日本映画は7、フランス映画は6というところでした。
IFE用に毎月グラビア誌を作ること自体、他の航空会社では考えられないのに、それをIFEごとに編集するとなんて、どこまで差があるのでしょう。
まずはB777-200ERで出会った旧IFEの紹介を。システムを立ち上げると、言語の選択とリモコンの使い方。
メニューはA380のIFEとよく似ていますが、画素子が荒いため、アイコンが大きく情報量は少なくなります。A380のIFEでは、画面全体でサークルを作っていたアイコン群ですが、このシステムでは縦に並び、一部しか表示されません。
映画では、上位カテゴリーから順番に絞っていきます。このシステムは、文字が大きいことを除いてA380のものと同じ。
ヨーロッパ映画を選びます。選択バーが一番上に来ます。設計思想が全く同じです。
ヨーロッパ映画の筆頭はFatimaでした。説明なし、予告編なしです。時間だけが表示されているというのは、潔くて良いかもしれません。
日本映画ではこんなものがありました。
表題と上映時間だけで決める必要があります。雑誌の方に説明があります。
地図も何というのか、眺める感じのものではありません。トップメニューから「旅と情報」のアイコンを選択すると、いろいろ現れます。
ベルリッツの外国語講座も面白そうですが、未体験です。次回はトライしてみます。
肝心の地図は、飛行機がどこにいるかわかるには十分。それだけです。
文字情報も一画面に4項目だけ。字が大きくなくてはならないからです。
IFEのグラビア雑誌は大変立派です。一方このシステム、今日となっては少々見劣りします。それでも映画を楽しんでいた人は大勢いました。個人スクリーンが無い機材でも、映画を楽しむ客は大勢いますから、ハードに拘泥するのはあまり賢くないのでしょう。