キャセイと同じリージョナル
ゲートの待合スペースが狭いため、搭乗も少し混乱しました。乗ってみると、見慣れたリージョナル。
ずいぶんとインボラアップグレード組みがいたらしく、ばらばらで座っているカップル、家族連れが何組もいました。半分以上そうだったような感じです。A330で42席あるビジネスクラスのうち、1つしか空きがありません。エコノミーは満席なのでしょうね。
ウエルカムドリンクは、Summer Breeze。ワゴンに載っている状態で、液量がバラバラ。おおらかな人が注いだようです。
この便は、定刻が18:35でしたが、HKGからDPSへ来る機材が30分ほど遅れため、搭乗開始が45分遅くなりました。出発自体は19:00ちょうど。25分の遅れまで戻しています。セーフティビデオはキャセイと全く同じ。
生体実演もキャセイと全く同じで、避難時の通路を示すだけ。しかしながら、IFEのホーム画面はオリジナル。言語選択の部分はキャセイと同じ。
このオープニング以外はほとんどキャセイと同じです。番組の数は確認していませんが、違うのでしょうか。ちなみに機内誌は独自のもの。グランドデザインはキャセイと同じ。
免税品カタログは全く違うのですが、客層が異なるということでしょうか。価格の問題ではなく、品揃えがキャセイのカタログと異なります。
この航空会社は、設立の経緯はともかく、現在はキャセイの不採算便の置き換え、近距離便などを担当しています。免税品との関係は、見えてきません。
離陸後のサービス
さてドアクローズ15分後には離陸しました。小さな空港で、渋滞はまずありません。気流も悪くなく、さらに10分経過したらシートベルト警告灯は消灯しました。
機内サービスは簡略化されているため、独自の機内食のメニューが用意されています。デザインはキャセイのものと同じです。
サラダの説明が簡単です。この品書きだったら、何でも出せます。これはコストカットにつながります。メインはインドネシア料理、広東風料理の2種から選択。キャセイは3種です。その後に来るべき、チーズとフルーツがありません。直接アイスクリームへスキップするわけですね。キャセイに乗る人間には、省略はかなり明快。
ワイン以外のアルコール飲料もかなり簡単になっています。例えばウイスキーはキャセイの4種に対して、2種しかありません。リキュール、カクテルも半分。
コストカットですね。しかしながらワインは
Champagne1種、白2種、赤2種、ポート1種
と、種類を減らしていません。その代わり、ポートを除いて、一つ一つの価格が押さえてあります。ポートはキャセイと同じ。ChampagneはTaittingerになっています。
メニューでは得体の知れない前菜ですが、結構立派なものでした。
海老、ホタテ、白身魚に加え、セロリ、キャベツ、人参などを刻んだもの、トマト、ハーブ類などで構成されています。料理の質という意味では、これはキャセイのオードブルのトレイに載るどの皿よりも良いでしょう。ただし一皿です。ワインはMuscadet Sèvre-et-Maine sur lie。基本に沿った選択だと思いますが、合うとも合わないとも言えません。CaliforniaのChardonnayよりは良い選択のはずだと信じています。
続いてメインは、合鴨をロティしてさらに煮込んだと思われます。野菜は中国野菜とは言えませんが、組み合わせは中華風です。ジャガイモはリヨン風ということですが、良く分かりません。
これにはEntre-deux-Mersの赤。Merlot主体。料理との相性は、合うとも合わないとも。野菜とは問題ありません。合鴨に対しても、悪い選択ではありません。
ともにmi-figue, mi-raisinなコメントになってしまいましたが、正直なところです。
Häagen-Dazsはキャセイと同じもの。サイズが小さいとか、生産国が異なるということはありません。
随所で簡略化されているため、全部終了するのに必要な時間はほぼ60分。それでも特に急かされた感じはありません。片付けまで合わせて65分でしょうか。
なお食器は凝っていて、カトラリーは特製。
また皿もマグカップも特製でした。
陶磁器の裏のロゴは、会社の名前が変っても使えます。それどころか、キャセイで利用することも可能です。大阪の鳴海製です。Qatar航空のビジネスクラスやファーストクラスの食器と同じです。ここは特製食器の生産に、とにかく強いようです。
他にもトイレの液体ソープ。
ティッシュペーパー
などがオリジナルの製品を使っています。これらも漸次Cathay Dragonに変えていくのでしょう。現在、飛行機模型は新旧のタイプが購入できます。ともにA330のモデルです。
因縁の海と到着の雨
さて機内食が1時間で終了。残り3時間強の時間があります。客は思いのまま過ごしています。寝るものあり、映画を見るものあり、ゲームをするものありですが、キャビンは静かでした。南シナ海に入るまでは。
南シナ海に入ったとたん機体が激しく揺れ、シートベルト着用、乗務員は着席となりました。徐々に揺れは小さくなってきたのですが、結局シートベルト着用が解除されたのは、55分後。その15分後には降下が始まってしまいました。こういう時間帯に不自由だと、ずいぶん窮屈なフライトだった記憶が出来てしまいます。
到着は23:50ですが、沖止め、バスでターミナルへ。雨が降っています。
ターミナルに着いたら、0:00を過ぎていました。大急ぎで乗継ポイントへ向かいます。E1がすぐ近くにありました。
書ききれなかったことを、まとめます。
・全ての客に対してそうだったかまでは分かりませんが、ほとんどのサービスを名前を呼んで行っていました。
・客室責任者による特別挨拶はありません。
・降機時、希望者に雨合羽(レインコート)を配布していました。
総じて言うと、キャセイの個性を消し去ったような印象を受けました。要するに面白みがなく、この航空会社は積極的に選ぶ理由が見つかりません。CXとKAの運航便が共に存在する路線の場合、ある程度不都合があってもCXを選んだ方が良い気がしました。