このシリーズを始めて、ほぼ1年。ようやく4話目です。前作は以下の通り。
空港ホテル(1):Pullman Paris Roissy CDG Airport - バス代わりの飛行機
空港ホテル(2):香港国際空港HKIA - バス代わりの飛行機
空港ホテル(3):Mercure Paris CDG Airport & Convention - バス代わりの飛行機
香港は空港に泊まる話だったので、厳密には空港ホテルではありません。厳しく見ると3作目。しかも全てParis Charles de Gaulle空港。確かにParis CDGは、夜に到着することが多いのですが、他の都市がないのは自分でも不思議。Global Elite Executive Premium Travellerの皆様の仲間入りするには、まだまだ経験が足りません。
この空港周囲のホテルに関しては、他に3つ記事を書いていました。トランジットホテルの開業。
Paris CDG空港にトランジットホテル出現 - バス代わりの飛行機
Accorhotelsの再編成。
パリ・シャルルドゴール空港周辺のアコーホテルの新展開 - バス代わりの飛行機
と、空港周辺の地理とホテルの分布。
シャルル・ド・ゴール空港(周辺)ホテル: 4つのカテゴリー - バス代わりの飛行機
最後の記事は、基本的な事柄をまとめた「概論」。
この空港、ターミナルの構成も複雑奇怪ですが、空港ホテルを取り巻く状況も相当複雑です。際限なくネタを与えてくれるという、ブロガーにとって理想的な空港ですが、それを納得させるデータもあります。
東京港区で長年大家業を営む森さんが、毎年作っている私的世界都市ランキング。上位4都市のメンバーは不動ですが、その一つはParis。その空の玄関CDGは、国内総生産の1.2%以上をたたき出していました。空港の経済規模が桁違いなのでした。
Global Elite Executive Premium Travellerの皆さんには、パリの空港ホテルのチェックは必須なはず。ということで、懲りずに記事を書きます。今日も空港の敷地内にあるNOVOTEL。
NOVOTELに限りませんが、大型チェーンの場合、CDGの周囲には同じブランドホテルが複数あるケースが多すぎます。NOVOTELの場合、Roissyの町に2つ、zone industrielleに1つあり、それぞれ空港ホテルとして機能しているので要注意です。名前を正確に使うことが大変重要です。このホテルは、NOVOTEL Paris Charles de Gaulle Airportですが、ホテル自身がNOVOTEL Paris CDG Terminalというスタンプを使っていました。
このホテルは歴史が長く、恐らく1980年前後に建築されたと思われます。アクセスはCDG-VALの利用が便利です。
Skyteam, oneworldを利用すると、普通Terminal 2に到着します。今日も例外ではなく2Dと2Fの間、
・TGV駅
・CDG-VAL乗り場
・荷物一時預かり所
・路線バスターミナル
・ホテルシャトルバスターミナル
・Sheraton Hotel
などが集中する一角から、CDG-VALに乗ります。
CDG-VALは4:00-1:00ぐらいで運航しているため、夜遅い到着でも大抵利用できます。頻度は4分に一本ぐらい、全線搭乗は8分ほどです。さすがに深夜は利用者も少なく、一両占拠だったりします。
本日降りる場所は、Terminal 3 Roissypole。RERの駅があるRoissypoleという空港内地区。まさに駅に隣接して作られています。
地下にありますが、地上に出るとRoissypoleの駅舎内。ホテルの案内が目の前に出現します。
この駅舎の壁はガラス張り。ここで後ろを振り返ると、Ibisホテルが目の前に出現します。PullmanとIbis Stylesは後方左手と言うわけです。全て駅の出口を出てすぐ。
一番古いNOVOTELは駅舎内を横断して、反対側に建っています。やはり出口正面といって良い場所。ロータリーに面して立っています。
安普請の6階建。エントランスは駅舎の反対側にあります。このホテルの歴史に比べれば、CDG-VALが開通したのは最近の話なので仕方ありません。
途中パティオとそこへ出るエントランスがありますが、ここは内側から外に出る専用。ただし運用は変わる可能性があります。
ガラスの自動ドアが開かないからと、バタバタあがいても、中から向こうへ回れとあしらわれるだけ。素直に正面玄関に回るのが得策。
全く色気が無いし、窮屈なエントランス。レセプションホールも大変狭いのでした。古いホテルの構造です。もっともリノベーションを良く行うAccorhotels。不思議なぐらい古さを感じません。
部屋はアップグレードがあり、最上階になりました。現在AccorのGOLD会員ですが、深夜の到着だとアップグレードが起きやすいのは道理。
空港ホテルであることを考えると、広さは十分。入口付近のスペースもかなり広いのでした。荷物や衣類を収納する棚とハンガーがあります。荷物が多くても2人だと十分なスペース。姿見もあります。
写真左手のドアノブは、トイレの扉。トイレはシャワールームと独立しており、ドアは勝手に閉まります。
この玄関、荷物収納兼着替えスペースは寝室から室内ドアで隔たれます。寝室の奥から玄関側の見るとこんな感じ。
室内ドアによって隠れます。細かいことですが、居住性はかなりアップします。空港ホテルは、この程度の広さとこの構造がほとんどの場合最良になりそうです。写真左手の壁の向こう側がシャワールーム。広さは必要十分。内部の仕上げは清掃の手間がかからないことを重視しているようです。
洗面台はヴァニティー照明が使いやすいタイプ。最近エコロなAccorのことですから、アメニティは期待してはいけません。フェアトレード製品となっています。使い捨て歯ブラシ、レザーはありません。
シャワーはPullman, Mercureと違い、レインシャワーがありません。シャワーヘッドがあるだけ。水圧は必要にして十分。スペースは広くありませんが、狭すぎてあちこちに水を飛ばしてしまうというほどではありません。
スリッパと厚手のバスローブが装備。これはPullman、Mercureと同様。空港ホテルの場合、これがあるだけで滞在がずいぶん快適になります。
クイーンサイズのベッドは、サイドテーブルとその照明がNOVOTEL。
ミニバーは無料でした。缶飲料やペットボトルなどが9本。チョコレートバーが1つ。
もちろんコーヒーはNespressoでこちらも無料。
これ以外にGOLD会員だとホテル内でのドリンクが一杯無料になります。空港ホテルだから長々と閉じこもっていることはなく、これだけタダのものをつけても消費は多くならないでしょう。いつもは全く手をつけないのですが、今日は缶Perrier 330 mLを消費。
ミニバーの下は収納。
他にもデスク周りに十分な収納があります。足りなくなることはないでしょう。
デスクは最近多いタイプ。木目調の部分が回転します。動かして広く使ったり、2段で使ったり便利です。日本人はあまりホテルの家具を動かすことがないようですが、例えばイギリス人などは、自分の好みの位置に配置換えしてしまいます。そういう客に配慮しているとも言えるし、後片付けが楽だとも言えます。
Pullmanにもあったスピーカー。Accorhotelsにより大量購入されているようです。
ちなみにコンセントは、Cタイプ。フランスやドイツの製品は使えても、日本製品を利用するにはアダプターが必要です。フランスのホテルは、一般にコンセントが多種対応になっていません。
エアコンの制御盤はSiemens。時代を感じさせます。こんなもので十分だと思いますが。
テレビはPhilips。最近どこへ行ってもSumsungかLGばかりだと、気に食わない人にはよろしいのではないかと。
ルームサービスもあります。値段はAccorhotelsらしく、高くはありません。ただし正午から深夜までとなっており、今回は利用できませんでした。
窓は2重窓で開きません。完全に遮音されています。窓からの光景はこんな感じ。
手前の低層の建物がRoissypole駅の駅舎です。その向こうにはHiltonが見えます。さらに遠方には2機の飛行機が見えますが、Terminal 3の駐機エリアです。
部屋のデザインには、特に気取ったところがありません。最後に改装したのが、Mercureの改装やPullmanの開業のかなり前だったことをうかがわせます。実はこのホテル、ずいぶん昔に宿泊したことがあるのですが、すっかり忘れていて比較が出来ません。
レストランとカフェは地上階にあり、空港ホテルの機能を考えるとメニューや席数は十分。
なお帰りはホテル内の矢印に従って出てみたところ、RERのRoissypole駅に直接通路が接続していることが分かりました。昨夜駅を出た出口付近からホテルへの通路の入口を見ると、表示も見つかります。
ここを使えば、豪雨の時でも濡れることなくホテルへアクセスできます。
パリ市内に出るには、(あまり勧められていない)RERのB線をRoissypoleから使うのが一番早いはず。これがいやという人は、CDG-VALでTerminal 1かTerminal 2にもどり、RATPのRoissybusやパリ空港の運営するLe Bus Directを利用するもよし。フットワークは最高に良いと思います。
本日の料金は93 EURでした。場所も便利だし、CDGの空港ホテルの中では最もお勧めかもしれません。