PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エールフランスの博物館

前の記事で新しいことは、ルーブル美術館 × ANAという組合せだけ。「スターウォーズ × ANAよりは格調高いかと思い、やってみたところ、ANAには高級すぎて黙示録になりました」という当てこすりの記事。新情報が皆無でも、ANAが主役だと反響がありますね。地味なブログなので、普段は和歌山県の山村のように静かなのですが、ANAと唱えるだけで盆踊りでも催されているようになります。ANAが日本でどれだけ愛されているか、よくわかります。

 BAとかAFだと日本語で唯一のブログ記事も出すし、力も入れているのですが、全然人気なし。身近でもないし、文化・社会の違いもあるし、理解する価値もそれほど高いとは言えません。しかたありませんね。

 今日は本来の姿に戻って、読み手には退屈な AF の話を提供。また静かなブログに戻ります。

 

パリの一等地にあるエールフランスのオフィスをご存知でしょうか。セーヌ左岸に沿ったこんな低層建築物です。

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右を向くと、さらに有名な建物が建っています。

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パリ7区は軍関係の施設が多く、やたら広い広場を設けるのが特徴。Air Franceも空を飛びますから、軍とも弱くつながっており、こうした区画を構成していても不思議ありません。

 またこの地区に集まるフランス人たちは、愛国者が多くなる点も指摘しておいた方が良いかもしれません。Air Franceのフランス人利用客全般にも、その傾向があります。なお愛国者が、外国人排斥を意味するわけではありません。念のため。国際線でも JALANA を好んで使う日本人は多いのですが、そういう人たちと比較するのが適当です。

 

この建物の名称は Aérogare des Invalides といいます。実態はともかく、エアターミナル、シティターミナルです。

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巨大企業の本社機能を集約できる規模はなく、顧客と会社の象徴的なインターフェイスとなっています。チケット販売や予約変更などのサービスカウンター、博物館が設置されています。レストランもありますが、フランスではこのぐらいの建物や区画で、いろいろな人が集まるなら、レストランは必ず存在します。Air France は関係ありません。

 入口は、広い広場の逆側に位置する通りにあります。

 

Air Franceの博物館には、立派なサイトがあります。

Musée Air France | affiches, planisphères, calendriers, maquettes d'avions, philatélie, gouaches, jouets, uniformes, livres…

上のURLを訪ねてみるとわかりますが、機能は近年縮小されたようです。現実には、記録を保管した書庫しかありませんでした。一般向けではなく、ジャーナリストなどを想定していると言っていました。(国立図書館の一部として機能しているという位置づけ。これは維持のための予算繰りなのでしょう。)つまり、何か職業柄のタイトルが無ければ、意味のある利用はできません。

 

ただしブティックが併設してあり、ここは一般向けの品を数多く並べてあり、買い物も出来ます。目玉は AF に関する書籍や資料で、これは他で手に入れるのはかなり難しいでしょう。分かりやすいところでは、Air Franceの過去の宣伝ポスターの復刻版が1枚22€。なかなか魅力的に感じられました。東京でもフランス関連のイベントの際に見かける大型ポスターです。

 

機材の模型などもあります。現行の機材だけではなく、歴史的な機体の模型も販売されています。

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iPhoneのカバーとか、キーホルダーとか、小物類も多いのでした。

 

Air Franceは、ウェブ上に関連商品を販売するサイトを持っています。

https://shopping.airfrance.com/

が、外国在住の場合、航送料が馬鹿になりません。実物を見ることができる点を合わせて考えると、実店舗で購入する方が良いと考える人も多いでしょう。これが可能な場所として、重宝すると思います。またウェブサイトでは見かけない商品も、「博物館」には数多くありました。

 

買い物をしたら、Air Franceの歴史を記したブロシュールをもらいました。

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会社の系統図があります。前身の一つ、Compagnie Générale Transaérienne は、1909年まで遡りますが、一般的には Société Centrale pour l'Exploitation de Lignes Aériennes (de は des の間違い?) とAéropostaleとの合併により、Air Franceの名前が出現した1933年をもって創業としています。2013年に80周年を宣伝していたことを覚えている方もいらっしゃるでしょう。

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その80周年記念商品を作りすぎたのか、創業85年になる今でも販売しています。そういうものも購入できます。エールフランス関係の小物商品や、レトロなポスターが欲しい場合は、わざわざ訪ねる価値があります。

Aérogare des Invalides

2, rue Robert Esnault-Pelterie

75007 Paris

地下鉄 Invalides下車

 

追記1:Air Franceのウェブ上のショッピングサイトは、種々雑多な商品を扱っています。サイトのトップページには、新作、旅行鞄類、革製品などに混じって、Made in France というタグがあります。そういう点にこだわる顧客に多いことを意味します。Air France の持つ一面です。こういう顧客たちは、

Louis Vuitton

Paris

Made in Spain

iPhone 7 & 8 Folio Damier Ebene - SMALL LEATHER GOODS | LOUIS VUITTON ®

などという、表示をどう思うのでしょうか。

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追記2:Louis Vuittonは、2005年前後から流れ作業で鞄を製作するようになり、工房としての生涯を終えた感があります。一つの鞄を一人の職人が縫い上げるのと、流れ作業で作るのでは、手作り感に雲泥の差ができます。「工作精度」は高くなるのですが、あの価格を正当化するには無理があります。最近ではそれに加えて、のれんの価値を自ら擦り減らすような表示。落ちるところまで落ちました。

 というような、趣味に籠もった意見は、大声で言わない方が無難です。Air France Magazine (機内誌のこと。No. 253, Mai 2018) に LVMH はフランスで13,500人を雇用、第3位の雇用者になると書いてありました。2018年の採用予定の話です。1位の McDonald's (32,000 人)、2位の SNCF(29,900 人)と共に表彰台を占めます。国内雇用に大貢献しているので、批判はしにくいでしょう。

 しかしさらに反論される余地があります。被雇用者は大部分が移民だったりするので、極右系のネタにされるかもしれません。

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