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重要顧客に足を引っ張られるANA

多数の観測点で35℃超えが10日連続。ニッポンはすっかり消耗しましたが、今日からようやく平年並みになりそうです。

 熱波の影響を受け、最近 Pechedenfer が書いた記事は言語も、着想も、考察も発散しています。言い換えると、頭の中がダダ洩れ。暑さのせいで制御が甘くなり、考えることが整理されず表出するのですね。こういう弱さには個人差があるはずですが、気温と犯罪の相関を支持するデータは多いし、ある種の歯止めが効かなくなるのは事実なのでしょう。「きちんとしたブログを目指すなら、暑い時期は休止すべし」が、この熱波で得られた教訓。

 

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さて気温と関係あるのかないのか。ANA の上級会員が修行中やらかした「オイタ」を気合を込めてブログに書いてしまいました。その結果は大炎上。熱波に包まれる日本を焚きつけます。「なんて馬鹿なことを」と嘆くより、「どうしちゃったんだろうね」と、原因に迫る方が面白そうです。ブロガーの心理に詳しい bks bba 女史の考察

マイラーの自己ネーミングに関する考察 - BKS-BBA JGC/SFC修行ブログ

に沿って整理すると、行動(=クレーム)が想像以上に成功したことと他の客とは違う特別待遇(「悪くない金額」の現金、国際線割引エコからビジネスへのup)を勝ち得たことを自慢して、修行界隈で認めてもらいたかったという感情が浮き彫りになります。

 

立件されるレベルではないものの、十分悪と見なされる言動に気がつかない無神経さが炎上を呼びます。意図しなかった炎上は、全てそうです。何故か見えなくなるのですね。善悪が。自分だって、そういう罠に陥らないとも限りません。今回も典型的な「他山の石」事例です。

 

それはそうと、 ANA に関しては「誕生日無視 in ファーストクラス」の搭乗記が 2月に投稿記事として公表され、爆弾投下になりました。つまりANA 顧客集団は、半年間に 2回も大炎上をもたらしているのです。しかも有償搭乗らしいファーストクラス客とダイヤモンドらしいAMC上級会員に手によるもの。2つのカテゴリーでそれぞれトップ顧客です。これって、ANAにとって結構な災難なのではないでしょうか。

 ファーストクラスの事例では、客は悪いことをしたわけではありませんし、ANAに至っては何も悪くありません。一方、修行+天候で問題が生じた上級会員のケースでは、客の行動と共に ANA の対応が批判されています。しかし ANA に咎があるか無いかは、あまり問題ではありません。ANA で起きたことが「無邪気」に公表され、悪いイメージの定着に一役も二役も買っていることが真の問題。

 「ANAのファーストの客って、お金はあるのでしょうけど...」とか、「ANAのダイヤモンド会員って、極上の扱いを受けられるように宣伝されているけど、本人たちは....」と、ANAが提供しうる最上のサービスは「こんな世界」というイメージが一般化すると厄介です。誰しも面倒くさい人たちとは距離を置きたいし、同一視されるのは御免です。

 

Unitedでもなく、Lufthansaでもなく、もちろん JALなんかではなくANAを選んでもらうためには、イメージが非常に大切。利便性とか運賃とかでも競争できますが、イメージの重要性はそれを上回ります。JRの駅で拾うタクシーとは、事情が異なるのです。

 ANAホールディングスが、2016年-2017年に使った広告宣伝費は113億円と報道されています。

「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング | 企業ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

100億円と言えば、ちょっとした旅客機のお値段。同社の営業利益の1,500億円と比較するとその大きさがわかります。会社が懸命にイメージづくりをする一方、せっせ、せっせと後足で砂をかける顧客たち。棄損されたイメージは、広告宣伝費に換算するといかほどでしょうか。

 

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KLIAの床

 

もちろん顧客層の形成も、究極的には ANA の責任なので泣き言をいう訳にもいきません。構造的な問題だけに解決困難。今回は ANA を使わない方々も、いつものように嘲笑するだけでは済まない何かを感じているのではないでしょうか。 顧客の発想、行動も奇妙なら、ANAのサービス方法、個別対応も奇妙。何とも不気味な世界が投影されました。こういう事が続くと、シンパ利用者は自分の嗜好に疑問を持ち、無関心利用者はJALに移り、アンチ非利用者は忌み嫌うようになりそうです。