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MH71:NRT-KUL ビジネススイート(その2)

マレーシア航空ビジネススイート。ビジネスクラスと何が違うのか、ファーストクラスと呼ぶには無理があるのか。検証の続きです。第二弾は客室乗務員が関与する部分に関して。

 

機内サービス(離陸前)

個別挨拶やシートへの案内は、ビジネスクラスでのサービスと同じ。ただし乗務員が担当する人数が少ないので、目が行き届いていることは肌感覚で伝わってきます。さすがプロ。

ウエルカムドリンク:シートに就くと、個々の搭乗客にドリンクの要望を聞きに来ます。そしてnibbleと一緒に持ってきます。これは紛れもなく、ファーストクラスのサービス

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3 種類の飲料を10 ~ 12 人分のグラスに入れてトレイに載せ、乗務員がキャビンを周るのがビジネスクラス。ホテルのティールームとヤクルトレディぐらい違います。

 

新聞雑誌など:用意されている新聞雑誌は、ビジネスクラスと同じようです。ただし現代ではファーストクラスのキャビン向けに新聞雑誌をそろえる会社は、ほとんどないと思います。The Guardian や Le Monde はもとより、FTもありません。

 

機内食とワインのメニュービジネスクラスと同様、メニューは簡素な紙の冊子。本革の表紙なんてありません。

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内容では、オードブルにキャビアがあります。メインはビジネスクラスと違うのかどうか判然としません。最近 MH71 のビジネスクラスは、デザートが無いので、デザートの存在は相対的にファーストクラスらしく見せます

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ワインはChampagneが2種。1種が Taittinger Comtes de Champagne 2007。これ自体はファーストクラスらしい泡ですが、実はマレーシア航空はオーストラリア路線のビジネスクラスでも出しています。こうなると評価が難しくなります。

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他の Champagne と Chapoutier の Viognier はビジネスクラスと共通。残りの白は興味を惹くものの、ファーストクラスらしいかと言われると、そうでもないというワイン。 

 

赤もラベルで判断する限り、ビジネスクラス以上、ファーストクラス未満という位置になりそうなワインが多いようです。

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残る問題は、これらが全て実際にサービスに出されるかどうかです。確認するには複数回ビジネススイートを利用する必要があります。散財のよい口実?

 

Wi-fi50 MB分のクーポンが配布されます。

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ビジネスクラスは、30 MB なのでこれはファーストクラスのものと評価できます。ワインに比べると、新参サービスですから相場感がはっきりせず、この程度の比較しか出来ません。

 

詳しく見ていないのですが、ヘッドホンは多分ビジネスクラスと同じものだと思います。

 

機内サービス(離陸後)

つきだし1:離陸後、シートベルト着用の警告灯が消えると、直ちに乗務員が持ってきます。

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ドリンクと容器に入ったピーナッツを一緒に持ってきます。客ごとにギャレーから「お持ちする」のが、ビジネスクラスとの大きな差。いかにもファーストクラス。それに加え、ナッツは容器に入っています。ビジネスクラスのナッツは、気圧減少のため、膨れ上がった袋菓子。ちなみにドリンクは、素直に Comtes de Champagne にしました。グラスがビジネスクラスとは異なり、多分 KLIA Golden Lounge のシャンパングラス。この点は非常に重要。

 

つきだし2:マレーシア航空では、サテの時間。サテもワゴンでごろごろなんてことはなく、構成をどうするか客に聞いた後、ギャレーで用意、皿を持ってきます。野菜串はリクエストしたわけではありませんが、2本。気に入りました。他に辛味のタレが付いて来るのがビジネスクラスとの差。魚ベースなので、獣肉に合わせるのはどうかと思いましたが、細かいことは言いっこなし。

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サテもサービス法はファーストクラス的でした。

 

オードブル:本当にキャビアが出るのか、半信半疑だったので、頼んでみました。キャビア自体の品質はともかく、周辺の配置はそれなりに整えてきました。

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ファーストクラスを象徴するキャビア。一応の形を見て、印象はファーストクラス以外の何者でもないとなります。

 なお皿はビジネスクラスのものと基本的に変わりません。フォークとナイフは異なります。

 

メイン:オードブルで稼いだ得点を一気に失ってしまうような皿でした。これはビジネスクラスで出てきても自然に感じます。差が感じられません。

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マレーシア航空の機内食メインディッシュは、常にインパクトに乏しいのですが何故でしょうか。

 

デザート:乗務員が希望を受けた後、皿でお絵かきするもの。3年ぐらい前までは、ビジネスクラスでここまでやっていたのですが、古きよき時代になってしまいました。今はビジネスクラスでは、デザート消滅。つまり後方キャビンで今展開されているサービスより圧倒的に優れていますが、かつてそこで行っていたサービスです。これをもってファーストクラスらしいとは言えません。

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コーヒーもマグカップと、ビジネスクラス並み。中身もビジネスクラスと差が感じられません

 

ベッドメイキング:乗務員が行ってくれます。適当な頃合になると、必要かどうか聞かれます。トイレに行っているうちにやってもらいました。

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客との間合いの取り方は絶妙。堂々たるファーストクラスのサービスです。

 

扉を開けたままで寝ていたところ、いつの間にか閉められていました。寝る時は閉めるのがデフォールトのようです。

 

その他

客層:4席全てに客がいました。MHupgradeでも売ることですし、ビジネススイートの搭乗率は高いようです。ブランド価値の維持よりも、少しでも売り上げを確保するマレーシア。

 1D席はここで述べるわけにはいきませんが、ある特殊な職業の方でした。公式な場では、Mr の代わりに専用の称号が使われる職業です。客室乗務員が職業名・地位で呼んでいましたのでそう判断しました。称号を使わない理由は、おそらく古めかしいからでしょう。時代劇じみています。ともあれ、こういう客相手へのサービスは、呼称も含め要チェックです。

 

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1G、1Kは共に静かな女性で、Ms以外の称号を持つような雰囲気はありません。もちろん客室乗務員がぞんざいに扱うことはないのですが、特殊なケースへの対応力を見せることもありません。

コミュニケーション:客一人あたりの乗務員の割合が、ビジネスクラスと比べて圧倒的に高い (客4に対して、常時1人+時々責任者) ので、客の立場では必要な会話が増えます。あらゆる場面で希望を聞かれます。ビジネスクラスは流れ作業、ビジネススイートは個別サービスに傾きます。つまり基本中の基本のレベルでは、ファーストクラスの性格が色濃く出ます

 この点は一般に想像されるより重要です。コミュニケーションが上手な方なら、数々の見劣りする点にもかかわらず、満足が得られそうです。逆に口下手な方や英語の会話に不安がある方は、欠点の方に目が向きやすいのではないでしょうか。

 

一般的に言って、キャビンクラスが上になればなるほど、会社の個性が強くなります。カタール航空ほど無味無臭ではないものの、これぞマレーシアという個性はほどほどでした。最近彼らは ”Malaysian hospitality” を盛んに口にしますが、これが空虚な宣伝でないなら、もっと個性的なサービスを狙えばよいのにと思いました。