PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

COVIDで変わった機内誌

機内誌なんて読む人はあまりいないためか、このブログを除いて滅多なことでは話題になりません。しかし会社による差が大きく、比較が面白いのです。雑誌ですから記事の内容が充実しているとか、写真がそれなりに凝っているとか、そんな部分で判断できますが、刊行頻度、刊行方法、別冊の種類でも違いが目立ちます。

 そして最近機内誌に異変が起きています。その原因はどうも COVID にあるようなのです。

 

[1] AF:隔月刊になった機内誌

質的にトップクラスだと思うのが Air France Magazine

Magazines | Air France - Corporate

かなり分厚く、しっかりしている割にはいろいろな場所に無料配布されているので、フランス国内ではよく見かけます。多くの機内誌と同様、月刊誌でしたが、2021年より隔月刊になりました。

 

最新号は1月/2月号。よく見ると説明書きも" Votre rendez-vous bimestriel..."と変わっていました。

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さらに衛生上の理由から、印刷体の機内への搭載も中断しているとのことです。経費削減のために、隔月刊化と合わせて常態になりそうな気がします。なおマダム版の方は隔月刊というか不定期刊というか、相変わらず頻度が良くわかりません。

 

ちなみに機内誌なので、電子版なら無料で読めます。

 

Air France Magazine のように発刊が減った機内誌に、KLM の Holland Herald があります。もともと月刊誌でしたが、2020年は 1月、2月、3月、4-6月、夏号、秋号、2021年は 2-3月号のみの刊行となっています。これでは不定期刊行物です。調子が狂い始めた時期や狂い具合の変遷から考えて、明らかに COVID 蔓延が原因。

Holland Herald Archive - Holland Herald

 

[2] LH:消息不明の機内誌

ルフトハンザの Lufthansa Magazin に、何か起きました。日本語ページがあるのは評価できますが、2020年3月以来更新されていません。これはフランス語ページも同様。

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日本語ページでダウンロードしようとすると「ページが見つかりません。」とドイツ語の案内が出現します。サンドラ・へフェリン向けに最適化されたリンク設定ですね。フランス語ページからダウンロードしようとしても同じ結果になります。こちらは Diane Kruger 向けに最適化されたリンク設定でした。

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そしてドイツ語で機内誌サイトを表示させようとすると、いきなりこのページが現れます。現在ドイツ語と英語の機内誌サイトは無いようです。

 

つまり Lufthansa Magazin は行方知れず。

 

[3] AZ:鬼籍に入った機内誌

アリタリアの機内誌 Ulisse も 2020年 3月号までしか発刊されていません。しかしこちらは廃刊だと思います。会社消滅ですから。

Ulisse Magazine | Alitalia

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最後の元気な姿は以下のサイトでダウンロードできます。(2月14日現在)

https://www.alitalia.com/content/dam/alitalia/files/IT/volare/in-volo/ulisse-magazine/Ulisse-marzo-2020.pdf

pdf ファイルですから永久保存も簡単。アリタリアの美しい思い出と共に取っておきましょう。

 

なおアリタリア本体は営業を続けているようです。航空券を販売してどうするつもりなのか、まあ大体のことは誰しも想像できますね。

 

[4] BA:調子がよくなった機内誌

一方、ブリティッシュエアウエイズの機内誌 High Life Magazine は、電子版が充実しました。確か2020年 9月号からです。ウェブでの公開は電子雑誌ではなく、ウェブサイトとして設計されています。

Home | High Life Magazine

しっかり月刊も維持されています。

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Executive Club 会員向けの電子月刊誌、The Club も健在です。新号発刊の案内がメールで届かなくなっていたので、廃刊になったかと思っていました。これは何年も前からウェブ版。

BA - The Club - EC92 British Airways: Made by Britain - English

 

BA はもともと機内誌の電子化に熱心です。COVID感染防止もこの取り組みの追い風になったはずです。

 

[5] NH & JL:変わらない機内誌

ごく一部を無料公開、全部読みたければ「搭乗するか、買え」の翼の王国ANA の機内誌。買う人はどんな人でしょうか。会社間のお付き合いで定期購読が主体だとすると総会屋マガジンのような性格を帯びてきますが、エクセレントカンパニーの ANA に限ってそんなことは決して決して決してないはず。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/mediastation/magazine/backnumber.html

機内誌を無料公開せず、一般販売する会社は少数。一部無料で課金へ誘導なんて、流行している note の販売に似ています。永年使い走りの社畜が人生を大逆転するために心がける10の習慣などを掲載しているのでしょう。

 月刊は保たれています。ウェブサイトで最新号が1月号になっているのは、常態なのか発刊遅れなのか知るよしもありません。

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エミレーツをついつい思い出してしまう SKYWARDJAL の機内誌。月刊です。こちらは2018年 4月 1日から、12カ月前から前月までの既刊号が無料公開されます。ANAに比べると国際レベルに近くなっています。2月号も出ていますが、最新号の無料公開はお知らせだけ。

https://www.jal.co.jp/inter/service/skyward/202102.html

冊子体が欲しければ、購入もできます。JALマイレージバンク(JMB)のマイルがたまります。(と書いてありました。)

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日系2社の機内誌には、COVIDの影響は大きくないようです。ANAが機内に機内誌を置かなくなったぐらいでしょう。何だかんだ言って彼らの仕事は世界レベルでみると安定しています。