スターアライアンスのクレジットカード
発表時には航空連合のクレジットカードということで話題となりました。というのも、航空会社のクレジットカードは決済利用の0.5％～5％程度が、その顧客プログラムの 1 マイルに変換できますが、航空連合のクレジットカードなら多くの加盟会社でマイルが得られると誰しも思ったからです。
しかしこのクレカ商品は、当初シンガポール航空のクリスフライヤ―のサイトで紹介されていました。当然クリスフライヤ―と紐づけられた形で説明されるので、スケールが小さくなり、中途半端な商品に見えました。現在はスターアライアンスのサイトでバランスよく宣伝されています。
https://www.staralliance.com/en/news-article?newsArticleId=4592786
それによると、
[1] スターアライアンス加盟会社の顧客プログラムは20ほどありますが、今のところこのクレジットカードに参加するのは 7社- 7プログラムです。内訳は、
Air Canada - Aeroplan
Air New Zealand - Airpoints
EVA Air - Infinity MileageLands
Singapore Airlines - KrisFlyer
South African Airways - SAA Voyager
THAI - Royal Orchid Plus
United Airlines - MileagePlus
[2] HSBC Star Alliance Credit Card という名でオーストラリアで発行される VISA カードです。
[3] オーストラリアの顧客は決済利用でスターアライアンスポイント（以後ポイント）を獲得でき、それが加盟会社のプログラムのマイルに変換できます。
[4] オーストラリア在住のカード会員は、最初の90日間に 4,000 AUD 利用があると、一年間スターアライアンスゴールド (＊G) 資格が得られます。この場合、＊Gを授与するプログラムは会員が選べます。
[5] 一年間に 60,000 AUD 以上の決済利用があれば、次年も＊G資格が維持できます。
[6] 一年間に 30,000 AUD 以上の決済利用があれば、次年はスターアライアンスシルバー (＊S) 資格となります。
[7] 最初の 3,000 AUD までは、1 AUD の利用で 1 ポイントが得られ、それ以降は 1 AUD の利用で 0.5 ポイントが得られます。オーストラリア内、国外の利用が対象です。ポイントには期限はありません。
[8] 参加している 7社のウェブサイトで航空券をこのカードで直接予約する場合、半年間の利息が 0％です。
[9] 年会費は初年ゼロ。２年目以降は 450 AUD です。
[10] クレジットカード会員の特典として、優先チェックインと預入手荷物優先扱いを考えているようです。
サブスクリプションという観点からは、(恐らく幅広く可能になるだろう) 優先チェックインと預入手荷物優先扱いが年間 450 AUD、それに加えて年間 60,000 AUD の決済で翌年一年間の＊Gが得られます。
アメリカン航空もクレジットカードの決済だけで AAdvantage 会員資格が得られますが、＊Gに匹敵するプラチナ会員に必要な決済は 75,000 USD。ただしこれは 1 USD = 1 ポイントとなる基準値の場合。実際にはキャンペーンで10倍以上のポイントになることも多く、何よりも搭乗実績と合算されることから比較は少々難しく感じます。
何回か紹介済みで海外のサブスクリプションでもないのですが、スターアライアンス＊G に対してスカイチーム・エリートプラス（ELPL）会員の資格が得られるので、比較のため再度取り上げます。
[1] 日本で発行されるアメリカンエキスプレスカードです。
[2] 入会から一年間スカイマイルのゴールド (ELPL) 会員に迎えられます。
[3] 二年目以降は、前年の決済利用が100万円以上で、スカイマイルシルバー会員、150万円以上でゴールド会員資格が一年間得られます。
[4] 基本的に決済利用100円につき 1マイル、デルタ航空の利用では100円当たり 3マイル得られます。
[5] 海外での決済利用では、50％のボーナスマイルが得られます。
[6] 年会費は 28,600円。
HSBC Star Alliance Credit Card と比較すると、圧倒的にこのカードは費用がかかりません。有利です。
これら二種のカードの性格はよく似ており、その類似性は今後の商品を示唆するようで興味深いのです。後ほど別の記事で取り上げます。
その他クレジットカード特典として付随する会員資格
特典に航空会社の会員資格が付帯するクレジットカードがあります。実際にはカード会社と航空会社との間の契約によりますが、この特典を魅力に感じ、高い年会費に納得する会員が多いと思います。航空会社が手綱を握っているわけではありませんが、会員には JGC, SFC と同じサブスクリプションに見えなくもありません。
航空会社の上級会員資格を提供するクレジットカードの一覧はすでに記事にしました。（ここでも海外ではなく日本で発行されるもの）
クレジットカードに付帯する上級会員資格（その 1） - PECHEDENFERのブログ
とくに説明することもないので、一覧で十分だと思います。
