PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JGC・SFC の海外版(その4)

 

禁断の会員資格サブスクリプション

United MileagePlus

Delta SkyMiles

American AAdvantage

Hawaiian Airlines HawaiianMiles

JetBlue TrueBlue

Southwest Rapid Rewards

の上級会員資格は、3月単位あるいは4月単位で購入できるようです。

Website Selling Airline Elite Status: Legit? - One Mile at a Time

 

記事で述べられているように、規約に違反する行為なので、実行がバレたら会員アカウント停止になっても文句は言えません。入会金+会費という料金システムで、

 

MileagePlus Gold 会員:300 USD (初回) + 99 USD (for 4 months)

SkyMiles Gold 会員:250 USD (初回) + 99 USD (for 3 months)

AAdvantage Executive Platinum 会員:600 USD (初回) + 299 USD (for 4 months)

 

なぜこういう販売が可能になるかについては上記のリンクを参考して頂くとして、規約違反を犯して上級会員資格を得るのもどうかと思います。したがってこの方法の紹介は以上に留めます。

 

JGCSFC の特徴

ただ上記料金については、皆さん思うところがあるのではないでしょうか。JGCSFC に匹敵する会員資格は、MileagePlus Gold 会員と SkyMiles Gold 会員。仮にこれらの会員資格を一年間得るなら、日本円で 84,000 円、117,000 円が必要です。JGCSFC 会員でこれほどの年会費を払っている人は僅かでしょう。ほぼ全ての JGC 会員、SFC 会員は「あまりお金を払わず、たくさんお金を払わないと受けられないサービスの一部を受ける」のが目的で修業を始めたので、年会費が負担に感じられるようではサブスク商品として成立しません。

 

費用だけなら JGCSFC を海外の相当品と比較することは簡単です。そもそも JGCSFC は初期費用が大きいのです。会員を何年続けると海外のサブスクリプションサービスより安くなるかを明らかにできると、修行の妥当性を「冷静に」検討する上で役立つことでしょう。JGCSFC 取得の動機を考え、これらの会員になるために集中的に「無意味な」搭乗を実施するケースについての計算です。

 

初年に必要な「修行」費用を50万円としましょう。この比較ではサファイア会員、プラチナ会員になるために必要な地上の交通費や宿泊費を無視できないので、これは平均的な数字だと思います。JGCSFC のクレカ年会費は最低ラインの 11,000 円、10,250 円だとします。

 JGCSFCを取得して維持するために必要な最小限の料金を、今回の特集で取り上げた、Qantas Club、スターアライアンスゴールドクレジットカード、デルタアメリカンエキスプレスゴールド、上記の「裏」販売(United と Delta)の費用と比較します。今日の為替レートで計算すると、結果は以下の通り。

デルタアメックスゴールド (DL-ELPL(表), これは国内商品)、スターアライアンスゴールド (SA*G) では、それぞれ年間150万円以上、548万円以上の決済を前提としました。前者は JGCSFC を利用するような方だと家計を全てクレカ決済にすれば問題ない基準です。後者は日本の給与所得者だと良い給与を得て金遣いが荒いという感じですが、自営業者の営業経費なら、目を惹く金額ではありません。

 

JGCSFC を他のサブスクリプション商品と比較すると、20年は利用しないと経費の上で見劣りします。15年未満だと割高にできているのでした。

 

はるかに重要なこと

他の商品との比較より、これら全ての商品に共通する性質の方が問題です。利用が少ないと会費の払い損だという事実です。可能な限りフライトを利用、荷物は限界まで運び、必ず余裕をもってラウンジに入室という旅行が推奨されます。

 ざっくりとした私の印象を述べると、JGCSFCの最低ラインの年会費の場合、荷物を限界まで運ぶなら、国内線で年に10便、国際線で3便程度の利用で元が取れそうな気がします。(初期の修行は別。) ラウンジ利用だと国内線で15回、国際線で5回ぐらいは最低でも利用が欲しい所です。

 いずれにしても「この金額なら、常に払ってでも利用する」と「使わなければならない時にはこの金額でも払う」のギャップは大きく、見積もりは恣意的。個別利用する場合の料金設定はこれらよりおそらく高くなるので、サブスクリプションの損益分岐の見積りに使うのは不適当でしょう。

 

確実に言えることは次のことです。荷物が多くて常に超過料金を払っている、または多頻度に有料ラウンジを利用して毎回2食分の飲食をしている、もしくはそれら両方という旅のスタイルの方が JGCSFC を得たら経費が節約できます。

 

基本的には JGCSFC は、JALANA が儲かる仕組み。問題が小さい限りは廃止したり、決定的にサービスを削減することはないはずです。例えば全会員が最低月一度は搭乗して手荷物を限界まで預けるようになったら、サービスの見直しが起きるでしょう。しかしそれはありそうにない話です。ラウンジが混み過ぎる、優先搭乗の列が長すぎる、どさくさに紛れて優先搭乗を守らない SFCJGC が多いなどという問題も会社にシステマティックな損失を与えないなら、JGCSFC の制度を危うくすることはありません。こういう現状が国内外で常識になり、JALANAビジネスクラスはあまり価値が無いという評価が定着するようになれば、JGCSFC に手が入ることでしょう。これもありそうにない話です。

 

JGCSFC に限らず上乗せサービスのサブスクリプションに手を出すなら、徹底的に利用することが肝要。冷静に考えると、節約になる「損益分岐点」はかなり高いのです。