PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングブルーの特典の改善

Flying Blue は上手に使えば有利なプログラムだと感じます。(24カ月以内にマイルに消費や搭乗による積算があれば)マイルに寿命がない点は JAL/ANA に比べて優れています。JALANAではダイヤモンド(プレミア)会員か、ミリオンマイラーに許された特典が平会員でも享受できるのですから、差は歴然としています。

 

特典マイルに関しては、

・有効期限

・特典マイルの得やすさ

・特典に必要な数字

・用意される特典の提供数

の3つのパラメーターで変わるので、マイル寿命だけで良いプログラムと言うことはできません。日本―欧州都市ビジネスクラス往復で必要なFlying Blue の最小マイルは今、140,000 マイルです。

 

有利不利はユーザーそれぞれの事情によって異なります。自分に合ったプログラムを選ぶことが重要なのです。

 

変更は主にエコノミークラスの座席指定

その Flying Blue の会員特典が良くなります。メールで連絡があった3月28日からの特典内容。3月28日以前に購入や発行されたオプションは影響を受けません。(つまり払い戻しはありません。)

 

Explorer 会員(普通会員)

・(航空券に含まれる無料分を超えた)最初の預入手荷物10%割引き

 

シルバー会員

・追加料金が必要なシートが出発前日から無料で選択できる。(現在はこの追加料金に割引を受けられるという形。)

・出発前日までラウンジアクセス料金が25%引

 

ゴールド会員

・追加料金が必要なシートが出発三日前から無料で選択できる。(現在はこの追加料金に割引を受けられるという形。)

・エコノミーコンフォートシートが出発三日前(以降)に希望した場合、無料になる。(現在はこの料金は割引される形。)

 

プラチナ会員

・現在の特典から変更なし。(現在、シート指定に関するこの種の特典が無料で享受できる。)

 

 

3月27日まで有効なシート選択オプションに関する料金は、以下の表のとおりになっています。AFとKLMが対象であり、商品展開が異なるので表も別になります。

なおケニア航空に関していうとほぼ KLM と同じ。デルタ航空の Delta Comfort+ についてはシルバー、ゴールド、プラチナ会員がそれぞれ -25%, -50%, -100%割引を受けられます。

 

その他の特典も含めた Flying Blue 会員の特典紹介は以下のページで。

https://www.flyingblue.com/en/programme/more-info/tier-benefits

 

エコノミークラス座席指定は重要な収入源

AF や KLMに限りらず、エコノミークラスのキャビンの細分化と収益化はほぼ完成したようです。これはパンデミック前(5年ほど前)から明らかな傾向でした。一見客が割引エコノミークラスの航空券を購入すると、追加料金がないと事前席指定はできません。エコノミークラスのキャビン内でも

・非常口用通路となるシートや最前列シート

・窓側と通路側シート

はその指定料金が異なることが多く、さらに前方区画にシートピッチを広げた区画を設け、そこに別の追加料金を設定することも稀ではありません。

 細分化が進んだということは、世の中からそのサービスが必要とされていることを意味します。多くの人にとって関心が高いのです。

 その結果、マイレージプログラムの上級会員でもフリーパスと言うことはなくなり、会員特典を下げ、現金収入重視に向かったことは明らかでした。今回の Flying Blue の改革は「行き過ぎを是正した」形になります

 

遷移する上級会員制の性格

多額を支払った客、企業の収益により貢献する客を、なるべく細部にわたり厚遇する姿勢は、平等の観点からは進歩だと言えます。ただし上級会員資格に意味が無いかというと、そんなことはありません。収益が関係ない部分で厚遇されることには変わりありません。エコノミークラス利用に限って言えば、以下の場面で顕著です。

・優先搭乗

・キャビンに空席がある場合に隣席空席

前者は明文化されており、皆さんよくご存じだと思います。後者は明文化されておらず、上級会員が少ない路線で会員レベルが高くないと経験できませんが、「隣席ブロック」を行う会社は多いのです。

 2010年代以降、エコノミークラス利用では会員レベルが保つのが難しくなりました。去年頑張って、今年その果実を享受するのでは持続性がなく、ぎこちない制度になりました。現代の上級会員制を素直に評価すると、ビジネスクラスとエコノミークラスの双方をそこそこ利用する客向けの制度で、「不幸なことにエコノミ―クラスで移動する羽目になった時、そのサービスの低さを多少なりとも補償してくれるシステム」です。

 

 

エコノミークラスでも上級会員が予約すれば、ほとんどの場合プレミアムエコノミーへアップグレードなんて時代は完全に過去。SFC 解脱後、修行で獲得したマイルを使って特典航空券で海外旅行へ行ったら、プレミアムエコノミーへアップグレードされたという話はもはや伝説です。プレミアムエコノミーは、エコノミークラスから隔絶された上級キャビンに成長しました。サービス展開の進化です。