PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

あの会社はどうなっている

 

Lufthansa が購入中の ITA

2023年5月にイタリア当局と Lufthansa 側の間ではほぼ合意ができたスキームに欧州当局がなかなか許可を出しません。市場独占に対する懸念からですが、多くの組合もさっさと認可するようつつく状況になっています。

ITA: l'UE doit "rapidement" approuver le rachat par Lufthansa (syndicats) -Le 16 novembre 2023 à 12:50 | Zonebourse

 

利用者の立場からは、

 

・ITA はスカイチーム脱退、スターアライアンス加盟が予想されている

スカイチーム内の共通性が期待を大きく下回っている

・Alitalia のプログラム Millemiglia は存続しているが先行きが不透明

 

と本来安定して運営されるべきシステムや組織が不安定なまま放置されているので、この話はさっさとまとまって欲しいものです。

 

AF-KLM が購入中の SAS

10 月の発表以来、目立った進展はないようです。SAS は資本提供を受けた後、スターアライアンスを脱退、スカイチームに加盟する予定と発表していますが、顧客プログラムの Eurobonus については未定としたままです。国内外のジャーナリズムは Eurobonus 廃止で Flying Blue を採用される可能性が高いと予想。この予想は何を根拠にしているのか詳細を述べる方がほとんどいないので分かりません。ただし困難な点は一つ指摘できます。路線維持です。

 日本の場合、国家レベルで僻地、離島路線を維持する必要があり、JALANA のプログラムでも顧客の搭乗回数が評価対象です。北欧諸国でも状況は同じで、多くの僻地を含めて交通網を維持することが国策的に重要です。実際、Eurobonus でも Finnair Plus でも顧客の搭乗回数を評価対象にしています。

 Flying Blue では発足 (2005年) から2018 年の旧制度で搭乗回数は搭乗距離と並立して評価対象になっていましたが、新制度では搭乗回数は完全無視。昨年 Kenya 航空は Flying Blue を脱退、独自のプログラム ASANTE を創設しましたが、それは Flying Blue の旧制度にそっくりになりました。ケニアも路線維持が国として重要なようです。

 小さな会社でも独自のプログラムを維持できる程度には、情報技術が進歩したという背景もあるでしょう。コスト削減より小回りが利く方法という選択もより容易になったわけです。

 

会員数、会員の多様性、収益源の多様化は SAS が Flying Blue を採用するメリットになるでしょう。SAS が Flying Blue に参加するなら、FOP や PP で行うように路線別の XP 設定を行うのではないでしょうか。Flying Blue の国内線 XP をそのまま使うのではなく、例えば特定空港の発着便について XP を 3倍にするシステムは難しくない気がします。

 これが実施されたら XP run が面白くなるので、個人的には SAS が Flying Blue に参加することは大歓迎です。一方 Eurobonus を維持する方が単純なので、SAS がどういう選択をするか見当がつきません。

 

Czech 航空

Czech Airlines は2023年100周年を迎えました。この航空会社、2021年に破綻しています。パンデミック中の破綻は珍しくありません。この会社の奇妙な点は、疫病禍がおちついた現在プラハを拠点にロンドン、パリ、マドリッド 3路線を 2機で運航している営業状況です。チェコフラッグキャリアとしては何とも中途半端な状態。他社の資本参加の話は聞きませんが、どういう経営の青写真を描いているのでしょうか?