空港ラウンジは搭乗を待つための施設ですが、一般に上級キャビン利用者と上顧客が利用できます。最近はそれ以外の客も現地で利用料金を支払って利用できるラウンジが増えてきました。全就航地に自社のラウンジを整備しなくても、会社間提携によって他社のラウンジを自社の客が使えるシステムは古くからあります。ここで他社は必ずしも航空会社に限らないのですが、1997年のスターアライアンスに始まる世界レベルの航空連合が航空会社間でのラウンジ相互活用を進めたことは間違いありません。
問題になるのは加盟航空会社が拠点を持たないけれど、多くの加盟会社にとって重要な就航地。こういう場合には航空連合が直接ラウンジを運営するようになりました。確か初めて設置したのはスカイチームで、ロンドンヒースローのターミナル4。その後スカイチームは世界中にラウンジを設けています。スターアライアンスは後を追い、ワンワールドは遅れています。今日は現状の紹介。
スカイチームラウンジ
ロンドンのターミナル4のラウンジは、COVID 騒ぎで2020年5月に一時閉鎖、そのまま2021年10月に恒久的に閉鎖と発表されました。
Istanbul IST
Turkish Airlines (Star Alliance) の本拠地。West Wing (A2-A11, B1-B18, C1-C4等) に設置。
Vancouver YVR
Air Canada (Star Alliance) のハブ。International Concourse D Gate 53近く。
Dubai DXB
Emirates (アライアンス外) の本拠地。Concourse Dに所在。
Sydney SYD
Qantas (oneworld) の本拠地で Virgin Australia (アライアンス外) のハブ。国際線ターミナル Pier B に所在。
Santiago de Chile SCL
LATAM (アライアンス外) の本拠地。Pier E に所在。
San Paolo GRU (Joint venture)
LATAM Brasil (アライアンス外) の本拠地。Global Lounge Network (GLN) との最初の JV。Terminal 2 に設置。
アライアンス外の大航空会社の拠点空港が目立ちます。以上の詳細は以下のサイトで。
https://www.skyteam.com/en/lounges/
スターアライアンスラウンジ
現在 7か所にあります。分布は欧州4、北米1、南米2。*をつけたラウンジは有料での利用も可能です。
Amsterdam AMS
KLM (SkyTeam) の本拠地。Pier D 付近。Schengen area にあります。
Buenos Aires EZE*
Aerolíneas Argentinas (SkyTeam) の本拠地。Terminal B Gate 11 付近に所在。
Los Angeles LAX*
ここをハブとする会社は Alaska Airlines (oneworld), American Airlines (oneworld), Delta Airlines (SkyTeam), United Airlines (Star Alliance)。Tom Bradley国際ターミナルに所在。
Paris CDG non-Schengen
言わずと知れた Air France (SkyTeam) の本拠地。Terminal 1に所在。
Paris CDG intra-Schengen
同じく Air France (SkyTeam) の本拠地。Terminal 1に所在。
Rio de Janeiro GIG*
かつての Varig のハブですが、今はハブとしている航空会社はないようです。
Rome FCO
ITA (SkyTeam) の本拠地。Terminal 2 Gates A1-10 の区画に所在。
CDG ターミナル1のように、スターアライアンス加盟会社の利用が集中するゲート近くに設けられます。LAX は多くの航空会社のハブで、United の一大拠点でもあります。それ以外はほとんど SkyTeam のハブに設営されています。
LAX で United は成田便を含めた多くの国際線を TBIT 発着としていますが、国内線はT7 発着が多いようです。このターミナルの使い分けには、米国航空会社のラウンジ利用の習慣が反映されています。
詳細は以下のサイトで。
https://www.staralliance.com/en/lounge-finder
ワンワールドラウンジ
ワンワールドは同種の取組みが奇妙なぐらい遅れていました。2020年に最初のワンワールドラウンジが DME にオープンする予定でしたが、パンデミックとロシアの軍事侵攻が原因で計画は白紙に。その後 Seoul ICN のターミナル 1 への設置がアナウンスされました。この計画は順調に推移したようで、2023年12月26日、ゲートG28 近くにソフトオープンしました。
All-new Oneworld Seoul lounge is now open - Executive Traveller
AA, CX, AY, MH, QF, QR, UL の搭乗客は利用できます。(JL はターミナル 2を利用。)
詳細は
https://www.oneworld.com/airport-lounges