PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

航空会社が案内する空港タクシーの予約と利用

初めて到着する空港では、市内への移動に一抹の不安が伴います。公共交通の利用は、道に迷う、犯罪に遭うという可能性が高くなります。また大きな荷物を抱えての移動は大変です。この2点の問題をほとんど解消するのがタクシーです。

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空港タクシーが不法に料金をとることが慣わしになっていることには、寛容にはなれませんが、理解できます。たとえばホテルにタクシーやハイヤーの送迎を頼んだりすると、料金は「通常」の倍ほどもかかります。無料シャトルバスがある場合は、宿泊費に料金が加算されています。空港からの足は、大きなビジネスチャンス。一般のタクシーにしてみれば、自分たちだけビジネスの恩恵にあずかることができないのは不公平という発想になるでしょう。

 

犯罪の温床になりがちなことも問題ですが、もっと頻繁に起きるトラブルは、請求される金額が、事前承諾されていないことから生じます。客は事前に得た「通常料金」情報を元に判断するので、当然タクシーに腹を立てます。結果的にはより高くなっても事前手配するケースも出てくるわけです。

 

もちろん航空会社が、こんな簡単に金が引き出せる状態をただ眺めているはずはありません。自社便の利用客にタクシーを手配して、マージンをがっぽり稼ぐシステムを構築している会社も少なくありません。

 

最近、FinnairとAir Franceの手配を使ってみました。

 

Finnairが事前に送ってきた出発案内メールには、タクシー予約のリンクが張ってありました。リンク先はFinnairのページで、Cabforceが手配します。Cabforce (Book cabs & minibuses | Cabforce.com) はヨーロッパ中でタクシーの手配を行っていますが、提携航空会社はFinnairだけのようです。

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Finnair Plusの会員だとマイルがたまりますが、非会員の私には関係のない話です。

 Barcelona空港で利用しました。Finnairの専用サイトで簡単に予約できます。すぐに手配完了のメールが届きます。メールには、以下のようなことが書かれていました。

・予約番号

・どこで運転手が待っているか具体的に案内。到着ホールのどの辺まで詳細に告げられています。

・名札を持った運転手が到着時間には、待っているはずです。

・飛行機の遅延を連絡する責任は客にあります。

・問い合わせ、クレーム等の電話番号が大書してあります。

・チップは不要。

 

私の場合、到着ホールに運転手が見あたらず、5分待っても来ないのでFinlandまで電話しました。「処理するから、電話を切って少し待て」との指示がありました。その後、それらしい運転手がふらふら現れたので確認していると、サービスからの折り返し電話がありました。運転手と客が会えたら、サービスの仕事は終わりなので、すぐ電話は切れました。運転手の単純な遅刻が原因です。

 

問題点は、

・料金は「通常」の2倍程度です。

・運転手は英語が話せるとは限りません。

このBarcelonaの運転手も、英語をほとんどしゃべれません。幸いフランス語は少し話せたので、まあまあ意思疎通はできました。「学校で習った」そうです。若い世代は英語の方が上手だが、俺たちはフランス語なら少しはしゃべれるとも。

 

一方のAir Franceは、子会社がタクシーの手配をしています。Driving Blueという明らかにFlying Blueを意識した会社名。これもネットで予約、支払い、手配が可能です。英語のサイト

Schiphol - Book your airport transfer online and earn Miles - Driving Blue

とフランス語のサイト

Réservez votre transfert de l'aéroport et accumuler des milles - Driving Blue

とでタイトルが微妙に異なります。英語ではAmsterdamの空港名が入っていることから、Flying Blueの会員用です。もちろん会員でなくても利用できます。

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ちなみに加算マイルは、料金基準です。同じ距離で考えると、AFで飛ぶより何十倍もマイルがたまります。

 

Driving Blueは、欧州に6都市に拠点(電話番号だけかもしれませんが、とりあえず6言語ー英仏独西伊蘭ーに対応しています。)を持ちますが、欧州以外の都市でも手配ができます。悪名高いSGN, MNL, CGK, DELなどでも、手配可能のようです。悪い噂があるわけではありませんが、物は試しとThessalonikiの空港で利用してみました。

 予約方法、手配、案内など、Cabforceとほとんど同じです。違う点は、運転手が待ちぼうけする(poireauter)上限があることでした。30分です。搭乗客がわざわざすっぽかす(poser un lapin)とも考えにくいので、「30分経つといなくなるけれど、怒るなよ。再手配するから。」ということでしょうか。

 さて、こちらの運転手はちゃんと名札を持って、到着ゲートで待っていました。 英語も話します。問題ありません。ここでもチップ不要ですが、料金はやはり相場の倍というところです。

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空港からの料金は、

 

  タクシー「通常」料金 < タクシー実情料金 < ウェブ手配 ~ ホテル手配

 

になると思います。ホテル手配で料金が高くなる場合、車種が良かったりしますね。Cabforce、Driving Blueの手配では、普通にタクシーを使うより明らかに高くなりますが、ゲートからタクシーまで案内してくれる楽チンさ、明朗会計なこと、犯罪に会う確率が低いことで、安心感があります。普通、荷物も持って運んでくれます。それを考えると、高くないかもしれません。特に初めて訪れる国際空港に夜到着するような場合は、利用価値が高いと思います。