PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

Ring と Passion

 

ベルリンでは Ring が流行っているようです。Deutsche Oper Berlin で 2021年11月に2サイクル、2022年 1月に1サイクルあったばかり。今度は州立歌劇場です。

 

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新演出で演出家は Dmitri Tcherniakov、指揮は Daniel Barenboim。それしか決まっていないようですが、もう販売開始のアナウンス。

 

"Erleben Sie mit Richard Wagners »Ring«-Tetralogie, ein absolutes Highlight des Opernrepertoires! Tickets für alle »Ring«-Zyklen sowie für die FESTTAGE 2023 erhalten Sie ab Samstag, dem 12. April 2022 ab 12.00 Uhr online auf staatsoper-berlin.de, per Mail unter tickets@staatsoper-berlin.de sowie telefonisch Mo bis Fr von 10.00 bis 16.00 Uhr und Sa, So, Feiertag von 12.00 bis 16.00 Uhr."

(太字設定は受信したメールどおり)

 

チケット販売開始日の 2022年 4月12日は世界中で火曜日ですが、ベルリンでは土曜日になるそうです。さすがは Ring。チケット販売の段階から「時空を超える」感。現代の演出は一味違います。

 

公演日程は次の通り

Premieren-Zyklus I
So 2. Oktober 18.00 Das Rheingold
Mo 3. Oktober 16.00 Die Walküre
Do 6. Oktober 16.00 Siegfried
So 9. Oktober 16.00 Götterdämmerung

Zyklus II
Sa 15. Oktober 18.00 Das Rheingold
So 16. Oktober 16.00 Die Walküre
Do 20. Oktober 16.00 Siegfried
So 23. Oktober 16.00 Götterdämmerung

Zyklus III
Sa 29. Oktober 18.00 Das Rheingold
So 30. Oktober 16.00 Die Walküre
Do 3. November 16.00 Siegfried
So 6. November 16.00 Götterdämmerung

FESTTAGE 2023- ZYKLUS IV
Di 4. April 18.00 Das Rheingold
Mi 5. April 16.00 Die Walküre
Sa 8. April 16.00 Siegfried
Mo 10. April 16.00 Götterdämmerung

(注:面倒くさくなったので訳省略。So 日、Mo 月、Di 火、Mi 水、Do 木、Sa 土。月は英語とほとんど同じ綴り。)

 

サイクルで販売され(一つ一つのオペラ毎では販売せず)、価格は

 in Euro: 1.100 / 900 / 700 / 500 / 350 / 200 / 125 / 75

となっています。Ring の公演は、他のオペラに比べて一般に高めで4作品で 1,100 ユーロは妥当な価格。

 

Barenboim も結構な年齢 (現在 79) なので、最後の Ring になるかもしれません。30年前の Bayreuth の公演は、録音とビデオが残されています。聴衆にしても、Ring 全曲体験という機会はそうそうありません。チケットは争奪戦になりそうな気がします。

 

フライヤーは

https://www.staatsoper-berlin.de/downloads-b/de/media/39349/68222344da5097f2469550ad2b265379/SOB_Ring_Flyer_digital.pdf

にあります。大した情報は得られません。配役は4月5日に発表予定です。

 

一般的に言って、作曲家自身による作品の提示は年月を経ると軽視されるものですが、Der Ring des Nibelungen は Ein Bühnenfestspiel für drei Tage und einen Vorabend という「サブタイトル」がついていました。序夜と三日もかかる(単一の)舞台祝祭劇なのです。普通の感覚では4つのオペラに分けられるので、3+α という言い方は混乱します。21世紀に入ってから、四日、四夕、四夜などと数えることが増えています。

 

そんな蘊蓄より聴衆が理解しておかなくてはならないことは、祝祭であること。普通のオペラ公演ではなく、気合を入れて臨む必要があります。

 

祝祭と言えば、疫病禍のため延期されていた Oberammergau 土着のイベント Passion(キリスト受難劇)は、今年こそ実施されるでしょう。

Home - Passion 2022

1633年から続く10年に一度のお祭り。こちらはいろいろな意味で大ごと。

 

今年のドイツ語圏の祭りは平常に戻りそうです。日本からも愛好家、言語・文学の学徒、暇人、出羽守などが二年の空白期間に耐えかねて大挙して渡独しそうです。

 

渡航は相変わらず問題ですが、原因がコロナからロシアの侵略に突然替わりました。話は複雑になったものの、コロナの忘却に拍車がかかりそうなので、おそらく問題は軽減されます。

 中東3社を利用してドイツに行くなら、もともとロシア上空を通らないので影響はほとんどありません。トルコ航空HND-IST 線も少々南に航路をずらせば、難なく運航できます。

 ロシアの領空飛行禁止を受けて困るのは日、欧、韓の航空会社ですが、ほとんどの場合ベーリング海峡経由より中央アジア経由の方が早いようです。AF や LH などの欧州のキャリアは、今後しばらく中央アジア経由で東京にやって来るのでしょう。彼らが中東3社に客を奪われるのを黙って見ているとは思えません。

 

やはりフライト予約(時期と経路)を考えないといけません。