PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

75周年を迎える Komische Oper

 

帝都ベルリンには歌劇場に加え、随分前からオペレッタなど軽作品のための劇場が存在していました。第二次世界大戦中、連合軍により破壊されましたが、戦後DDR東ドイツ)は国体の確立を待たずにこれを再建したのでした。こけら落としは 1947年12月23日で、演目は Die Fledermaus。再建を機に Komische Oper と名付けられたと記憶しています。それで今年が75周年というわけです。ちなみに DDR 建国は1949年10月です。

 

未開の地に移民した時、入植地にコミュニティが最初に建設するのは、

イタリア人の場合、教会(礼拝場所)

フランス人の場合、レストラン(会食場所)

イギリス人の場合、議会堂(討議場所)

ドイツ人の場合、歌劇場(歌唱場所)

と言います。Komische Oper の成立を振り返ると、ドイツ人に関してこの cliché は外れていないようです。

 

さて4月22日に届いたメールは、その75周年の宣伝。

2022年12月23日は祝祭公演(Die Gala)が行われます。

 

75 Jahre Komische Oper Berlin - 23.12.2022, 19:30 — 21:00 | Komische Oper Berlin


演者は以下の通り。
 
Musikalische Leitung:Erina Yashima (八嶋恵利奈)
Mit Solist:innen und Chorsolisten der Komischen Oper Berlin
Es spielt das Orchester der Komischen Oper Berlin
 
実は今年初め、2022/2023シーズンから Erste Kappellmeisterin(主席宮廷音楽監督)が八嶋恵利奈になるとのアナウンスがありました。

別の記事。

恐らく日系人ですが、ドイツ生まれのドイツ育ち。日本語をしゃべるのかどうか、知りません。
 

 

ガラはクリスマスイブの前日です。ベルリン市民にはこれ以上は望めないと言うほど会場は華やぐことでしょう。ベルリンを知る人も知らない人も見ものだと思います。参加する価値大ですが、服装にはそれなりに気をつける必要があり、そういう準備が楽しい人たち向けのイベントだとも言えます。
 もっともドイツ文化は大衆文化であることが本質。ドレスコードは緩いので、外れてもたいてい問題になりません。ただし気合や意気込みは評価されるので、無視もできません。
 
オペラなどに慣れない人間はドイツにも多いらしく、服装へのアドバイスも多数見られます。こういう説明を参考にするのも一興。(一考ではありません。念のため。)

Die Sache mit dem Dresscode für Oper und Theater - Textilwaren Magazin

Dresscode Oper für Damen & Herren - Outfit für den Opernbesuch

Was zieh' ich nur zur Oper an?! Meine 5 Must-haves für den gelungenen Opernbesuch | Theaternomadin

So kleidest du dich für Theater, Musicals & die Oper

蘊蓄が大好きなバイエルン人は、ツェムリンスキーのオペラ "Kleider Machen Leute"(馬子にも衣裳)を表題に使います。

Dresscode in der Oper: Machen Kleider Leute? | News und Kritik | BR-KLASSIK | Bayerischer Rundfunk

次のサイトは出会い系の Q&A フォーラム。昔からドイツの日刊紙には、出会いを求める個人広告を集めた欄がありました。プラットフォームは今やウェブになり、やっている事が日本と変わらなくなりました。

Was zieht man heutzutage in die Oper an? | ElitePartner-Forum

以下は「面白おかしく」系。Jogginghose はスウェットのズボンを想像してもらえればOK.

Dresscodes in der Oper: Walküre in Jogginghose - taz.de

 

現在でも Komische Oper は、オペレッタが中心。オペラなんて19世紀のフランス料理と同じで重厚長大だと感じる人達でも、気軽に近づける世界です。肩が凝らない伝統芸能は、為政者には国の統合を保つために役立ち、民には生活や人格の幅を広げるために役立ちます。もちろん外国人にも開放されているので、機会を逃す理由はありません。(補助金メセナやらで、払う以上の体験が約束されます。こういう娯楽は利用するのがお得。)