国際線による旅行は、少数の例外を除いて不可能なぐらい入国規制と渡航規制が広く行われています。全ての国で事情は同じ。入国規制を行う国の多くで、社会活動自体がストップしています。仮にそんな国に入ったところで大したことはできません。
オペラのような「不要不急の」活動は、全面的に中止。ドイツでは補助金をたんまりもらっている以上、オペラハウスは閉鎖されても、何かしないわけにはいかないのでしょう。公演記録を無料公開するところもあります。
わざわざ無料ビデオの存在をメールで知らせてくれたのは、かつて東西統一で存在基盤が怪しくなった Deutsche Oper Berlin。ベルリンの壁が崩壊してからの時間は、ベルリンの壁が存在した時間より長くなりました。この劇場は確固たる地位を築いたと言ってよいのですか?
演目は3日で変わります。先週末まで Jenufa。今日までは Rienziで、その次もワーグナー、Die Meistersinger von Nürnberg になります。少し古い公演の記録ですが、現在の状況にマイスタージンガーは良い選択。民族意識が華々しいコメディで表現されていますから。
視聴はオペラハウスのサイトのトップページから。
Startseite - Deutsche Oper Berlin
ベルリンでは、国立歌劇場も「コロナウイルスのため4月19日まで公演取り止め。」ここでも無料ビデオをみることができます。ビデオのプログラムは
Unser tägliches Video-on-Demand Programm kostenlos für Sie | Staatsoper Berlin
で調べられます。今はベートーベン交響曲第9番の屋外コンサート。アクセスすると、すっかり髪の毛が無くなったバレンボイムがいきなり現れるので注意。
第九も良い選択。日本では超絶的に有名な箇所
Deine Zauber binden wieder
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder
Wo dein sanfter Flügel weilt.
は少し他力本願的であるものの、団結を訴えるには好都合。Deutsche Oper といい、国立歌劇場といい、選曲に国内事情が垣間見られますが、納税者ではないので文句はなし。
ドイツオペラと国立歌劇場がほとんど同じサービスを打ち出しています。JALとANAは、似たようなキャンペーンを行うことが時々ありますが、それを思い出しました。
この界隈では、Berlinといえば Tegel。この空港では、施設内で何が営業しているのか、よくわからない状態。「鬼城」化したと言われてしまう首都の玄関。
Coronavirus Berlin: Flughafen Tegel (TXL) wird zur Geisterstadt - Berliner Morgenpost
10月には新空港の開港が予定される Berlin。疫病の流行が続き、Tegel はこのまま廃港になるのでしょうか。こんな状態が続いて、国の経済は壊滅しないのでしょうか。新型肺炎をインフルエンザ並みの扱いに変えなくても大丈夫なのでしょうか。
べるりんへ行きたしと思へども、べるりんはあまりにあやふし
せめてはすいたる国内線にのりこみ気ままなる旅にいでてみん。
府県境越えは必須とはいえ、不要不急の移動です。大阪市長と大阪府知事の言いつけに背いてしまいました。
大阪でも、人混みを避けることが期待されます。地味なことしかできません。それでも一般に東京より人が少ないので、不自由の程度は控えめ。
家でも旅先でも、やることがなければ、読書。以前から気になっている本を広げるには良い機会。
他にこんな社会状況でないとできないことと言えば、汚部屋の整理ですかね。旅行、外国、航空機に関する様々なものが発掘されるのは不可避。気がつくと作業が完全停止しているので注意が必要です。
「ベルリン的」な発掘品もありました。こんなもの(すべて未使用)すら、ものすごく遠く感じられます。
日本でも内閣官房に「コロナウイルス対策室」が設置され、非常事態宣言が出しやすくなりました。一人一人が理知的に行動し続けないと、ドイツやフランスのように国全体が強力な行動制限下に置かれることになります。
一方でメディアも政治家もオーバーシュートなんて使わない方がよろしいのではないでしょうか。英語も科学も弱いことがバレバレ。そもそもマス(大衆)には、わかりやすい言葉を使って誠実にコミュニケーション(語りかけ)をすべきところ、自分もよく理解できない特殊な用語を使っているのだから始末に負えません。知性にも性格にも問題ありです。