PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JL407:NRT-FRA ビジネスクラス(その1)

 

成田空港発は、ビジネス客向きとは言えません。ところでドイツ日本人村から長い歴史を持つ日独間輸送は、ビジネス客が中心だったはずです。唯一のドイツ便を成田着発としてしまうとは、JAL は何を考えているのでしょうと言いたいところです。そのほかの東京便は、レジャー客が多いヘルシンキ路線を含めて羽田発なのですから。

 しかし JAL は FRA から先の提携をほとんど持ちません。世界情勢を考えると、JAL がいくらドイツ便を拡充したくても国に文句を言うは無理筋。ルフトハンザグループと提携、スターアライアンスに組み入れられた ANA がドイツ路線を充実、日本人村直行の DUS 便を開設するのが「均衡のとれた国際航空路線網の構築」です。

 JAL は世界の空の都 LHRJFK を押さえており、文句を言わなくても良いかなと思います。

 

目的地 FRA にはサクララウンジを開設、しかも人気のカレーも提供と小技でANAに挑む JAL の FRA 路線。どんなものに成長しているのでしょうか。

 

今日、驚いたのは68番ゲートという本館側の外れを利用したことでした。ここまで継子扱いされる路線になったとは感無量です。

JAL の肩を持って冷静に説明すると、旅客の負担軽減と空港の効率的利用を考えてのゲート選択です。2022年の年末、欧米へ出国する日本人は少なく、欧米から帰国する日本人が非常に多い状況でした。ガラガラでも407便は FRA に飛ばさないと、408便の日本人需要に対応できません。日本人の輸送に使命を感じる JAL は、JV の提携先に客を誘導するより自社で処理するのは当然なのです。

 そして少数の客の導線を短くし、多数の客の動線を長くするのは非効率。JALは路線ブランドではなく、実務を重視したのでした。

 

こういう事情で、この時期に FRA に飛ぶ少数派は歩かされます。

 

実は68番ゲートは第1ターミナルが近く、ANA グループの機材を多数見ることができます。

第2ターミナル 68番ゲートから、第1ターミナル 42~45番ゲート付近を接続するターミナルの増築計画があるそうですが、さっさと実施してもらいたいところです。

 

なおこの第2ターミナル本館66~68番ゲート(たぶん増築部分)は熱がこもりやすいようで、冬でも暑いぐらい気温が高いのが特徴。

搭乗するのは JAL 長距離路線の主役 B787-9。

 

客が少ないため、優先搭乗では Group 1 と Group 2 を区別しないという手抜きを行った JAL。並ばせる時 Group 1、Group 2 と順番に呼び出すのは本末転倒。

 

キャビンはご存じスカイスイート。登場からそろそろ10年のシートです。

世界ではビジネスクラスのシートは全通路アクセス可が一通り普及した後、ドア付きがトレンドとなっています。スカイスイートはユニークな構造をしていますが、ドア付きの時代になっても全く見劣りしません。JAL は先見性がありました。

 

JAL ではおなじみのシート上のあれこれ。

儀式のような秩序を感じさせる配置。良くも悪くも JAL

 

本日ビジネスクラスは後方キャビンを閉鎖。前方キャビンに6人でした。2人で移動する客は1組。他は1人客。私は 1K でしたが、ほかの5人の客は前方キャビンでも後方の 2列、窓側に集中していました。明らかに会社の意図が感じられます。

 

この人数のためか、サービスは超が付くほど過剰。ウエルカムドリンクはポリマー性の容器で配られましたが、トレイには個人が選択できる数しか(つまり一種類一つずつしか)載っていません。ファーストクラスでもないのに、一人一人にこれをやったとすると驚き。

 

次々と客室乗務員が個人挨拶に来ます。ビジネスクラスの担当全員から、「○○様、いつもご利用ありがとうございます。」と名前を呼ばれる挨拶。明らかに過剰で、付き合うのが面倒になりますが、そういう客の事情に頓着しないのが JAL の乗務員。良しとしましょう。

 

以前、話題になっていた隣席ディバイダー。その上下移動ボタンは個人用の操作パネルの右側上方にあります。

ディバイダーはキャビンの視界を確保するために、離着陸時は下げます。離陸後は、シートベルト着用サインの消灯とともに客が自由に動かすのですが、見知らぬ隣席の客が操作するのが先か、自分が操作するのが先かというささいな話。

 隣席客を制してディバイダーを自らの手で上昇させたければ、離陸後はシートベルト着用サインと睨めっこ。隣がいないと練習も可能。どうでもよいことを思い出します。

 

そうこうしているうちに、ドアクローズでプッシュバック。出発予定時刻より10分早発です。「人数が少ないので搭乗は早く終わる」という理屈が当たり前な JAL とその顧客集団。

激空きの JAL 国際線ビジネスクラスは非常に面白いけれど、それなりに忙しくなります。