PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JL407:NRT-FRA ビジネスクラス(その2)

 

15時間の空の旅の始まり。第2ターミナル68ゲートを離れた JAL B787-9は、ANA帝国の拠点 NRT 第1ターミナル脇を移動します。窓の外には ANA の絶頂を象徴する A380 HONU。

 

A380 と比較するとちっぽけな B787 の向かう先は、A 滑走路の南東端でしょう。久々にあの 4,000 m 滑走路。この滑走路、(操縦士は)正面やや右手に筑波山を望みながら離陸します。着陸も同じ。

成田空港は巨大な管制塔を建築中です。写真右に移っているタワマン風のビルですが、かなり高い塔です。

滑走中の窓からみたデルタ航空機。まだ成田を使っているようです。

どこから飛んできたのか、どこへ飛んでいくのか気になる所です。

 

空港城下町の成田(と周辺)。現代では国を代表するような国際空港はビジネスの裾野が広く、巨大な雇用を産みます。

 

冬場は視界がよく、地図で見たことを確かめられます。

 

「離陸後しばらく揺れが予想されます」という警告とは裏腹に、シートベルト着用サインは割合早く消灯します。

 

乗客は食わせて、暗くして、おとなしくさせるのが機内保安の基本。乗務員は直ちに給食サービスの準備に取り掛かります。ギャレーからのその種の物音がします。

 

揺れに関する事前予告は誤っていたわけではなく、ドリンクサービス開始後もこの通り。

これは白ワインの項目に並んでいた、Pfalz 産 Spätburgunder ロゼ。品種由来の香りや味わいがしっかりしている一方、冷涼さからくる酸の強さはドイツらしくという品。

 

ソーシャルメディア全盛の時代。全然珍しくない国際線ビジネスクラス。何度も見た「おつまみ」からスタートします。

全く知らない小皿が出てくるのと、すでに見たことがあると感じるのでは大きく違いますね。ソーシャルメディアは、既視感によって喜びをスポイルします。

 

さて機内食は、素直に和食。

食品の品目が膨大で、一つ一つにそれぞれの味付けが行われているという正しい御膳。供出温度が少々低いという下手はともかく、「温めなおし和食」での JAL の企画力はすごいと思います。中央手前はアワビの煮つけでした。

 

東京風で薄味です。酒と合わせるには最高。

 

第三景。

東広島市(西条からは離れている)金光酒造の賀茂金秀純米大吟醸 JAL オリジナルという日本酒。メリハリがあって機内で味わうにはとても良い気がします。

 米は COVID 対応ですか。椀を利用する方が良いのは言うまでもありません。

 

品書きには記載されないクリスマスだけの特別デザートがあるということなので、それを持ってきてもらいました。

普通のチョコレートケーキですが、見栄えします。

 

これでおしまい。後は ANYTIME YOU WISH でいつでも注文できる食料、飲料が多数。だいたい午後1時ですが、キャビンも暗くされ、搭乗客は安心して居眠りをすることになります。

 

現在東京から欧州への直行便は、まず Bering 海へ向かいます。アラスカの Barrow 付近を北極海に抜けて、Greenland を北西から南東に抜け、Iceland 北方から北海をオランダ方向へ進みます。15時間程度のフライト。出発後4時間ぐらいは目的地までの距離がほとんど変わりません。

極東ー西欧の航路は、1990年頃まで ANC 経由の北極ルートでした。1989年に利用が始まった B747-400 は航続距離が長く、Lufthansa は ANC での給油を略した真の直行便を計画しました。しかし就航前にロシア上空が民間機に開放され、幻のルートになったと記憶しています。

 今日、日本から西欧へのフライトはこの幻のルートを飛んでいることになります。奇妙な歴史の展開を見ている気がします。

 

離陸後5時間たってもまだ Bering 海を飛行しています。意外と日本は南に位置していることが分かります。

このルートで目印になる Saint Laurent 島。おおよそ出発後5時間40分で上空にかかります。東京ーバンコクぐらいですね。

 

その後はアラスカ上空を飛び、北極海に入りますが、その頃に巨大なオーロラをしばらく目にすることができました。昼間のフライトだし、頑張って起きていて損はありません。

 窓が電子式なので、キャビンも外も暗いのでどの色調になっているか分かりません。加えて窓の色調調整の応答が遅いので、何回も押して透明にすることが肝要。15回~20回ぐらい必要ですか?

 

ビジネスクラスの2つのキャビンの間にあるギャレーには、食品棚が出現します。飾りつけはその時のクルー次第。今回は JAL 和風クリスマスカード、電灯クリスマスツリー、折り鶴が特徴。ツリーは赤と緑が交互に点灯します。

 

北極海に入ったら、妙に安心してしまったので軽食をもらいます。

 

もう午後6時となったので、食事にはちょうど良い頃合い。せっかくだから有名なフミコの洋食。そしてチーズのアソートメントを追加。

 

最初の機内食が済んだ後は、個人用コントローラーからいつでも食事を注文できます。飲み物も同じ。ワインも頼んだだけしか来ないので、追加したければ、再注文します。洋食が鮭を中心に構成されていたので、赤はやめて Champagne にしました。

ANYTIME YOU WISH は選択肢も多いので、15時間程度のフライトなら食べ飽きることはないはずです。たいていの人なら...。

 

何もしていないと飽きてきます。一番北あたりを飛んでいる頃に映画を1本見ることにしました。

が、あまり興味が持てる作品がありません。TOP GUN Marverick にしました。(画像なし)

 

終わって地図に戻るとどうやら Greenland を脱出するようです。

 

到着3時間前ということで、白服が軽食の希望を聞きに来ます。つまり日本時間では午後10時ぐらい。やはりここは少し食べた方がよいかとサンドイッチとフルーツを注文。ドリンクは水。

 

食べ終わったからと言って、画期的に進んでいるわけでもなくまだアイスランド近辺。ただここまでくるとヨーロッパなので、だいぶ気分は変わります。

 

この方の移動は LH856?そうでなかったとしても、たぶん北海上空ですれ違っています。

https://twitter.com/oimohorihor1/status/1607028552876138501

 

なじみある地名ばかりになったらゴールは間近。

 

外は一度太陽が現れ、高度は大して上がらず、また沈みます。

 

そして到着。現地時間17時10分。

 

やはり15時間のフライトは長いと感じます。そしてたった6人の客に乗務員がフルに搭乗していると、乗務員の相手にかなりしゃべることになります。良くも悪くも JAL らしいと思いました。

 

 

なお経路はこんな感じ。北極点を中心とした正距方位図法にした方が見やすそうです。