PECHEDENFERのブログ

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BA のゴールド会員維持にかかる費用:COVID 前後(おまけ)

 

振り返ってみると、パンデミック中にはいろいろなことがありました。イレギュラーなことがずいぶん起き、貴重な体験となっています。ただしイレギュラーなだけあって、後の参考にならない体験ばかりです。そんな中で発生した個人記録を報告します。

 

系統的に発生した低 TP 単価

航空券価格をその搭乗で得られた Tier Points で除した指数は TP 単価と言うことができます。界隈の日常語である FOP単価、PP単価と同じです。会員資格を獲得、維持するために有利な路線、時期、航空券を評価するために使います。

 これら指数の計算では、自宅から空港、空港から目的地、あるいはその逆の移動で発生する費用、宿泊料金、食事代などは除外するのが基本です。したがって会員資格のために旅行を繰り返すなら、実際にかかる費用はこれらの指数で計算される総計金額より顕著に大きくなります。

 

さて BA エグゼクティブクラブの場合、TP 単価はどこまで下げられるのでしょうか。

 

2020年までは JAL の国内線クラス J が安く、一区間 10,000 円を切る場合もありました。この場合得られる Tier Points は 40、TP 単価は 250 円を切ります。これは JAL の運航スケジュールを根拠にする限り有用な知識でした。しかし JAL と言えども全フライトをスケジュール通り運航できるはずありません。欠航、運休はつきものです。

 さて直行フライトが航空会社都合で変更され、振替される場合、時として経由便が客に提案されます。もし原予約がクラス J の直行便で、それがクラス J の経由便に変わるなら、獲得する Tier Points は増えます。

 もっと踏み込んで、隣の空港までの便に振替になり、目的地には地上交通機関を利用する方法を JAL は提案することがあります。地上交通機関の料金は JAL 持ちなので、現金の提供が行われます。

 

パンデミック期にこれら二つのメカニズムが同時に働き、一時期 TP 単価が 82.4円(片道。航空券は片道×2の往復で予約し、往復全体では 91.1円=帰る時の情報も必要でしょう。)にも下がりました。これは私がエグゼクティブクラブに記録した搭乗の中で、間違いなく最低値です。

 

1日 2往復ある JAL の羽田ー山形線は、COVID 感染発生の波が来るたびに運休になりました。運休になった航空券をクラス J で持っていた私に対して、JAL が提案した補償は、羽田-伊丹JAL便、伊丹-仙台JAL便、仙台-山形の陸路という組合せでした。陸路移動の費用は片道 3,000 円を概算払いとなりました。この振替で都合が悪いなら、払戻しという選択肢ももちろんありました。

 先得A で購入したクラス J の羽田発山形行は 9,590円でした。つまり振替によって JAL への支払いは 6,590 円に下がり、クラス J の搭乗が2区画になりました。得られた Tier Points は 80。なお帰路も振替で逆経路となり、山形発羽田行は 10,990 円だったのでこちらのTP 単価は 99.9円です。

 

幸運だったのは振り返られたフライトが全てクラス J だったことです。これは

 

羽田-伊丹、伊丹-仙台は共に需要が高く、どちらも便数、席数に余裕があること

 

が主因だったとして間違いありません。

 

さらに余談ですが、あの当時、感染の波は大雑把に予想できました。また同様な振替が起きそうだという時期を意識して羽田-山形を購入、予感が的中したこともあります。結局合計して5, 6回、この TP 獲得パターンを経験しました。(後には地上交通費を JAL は負担しなくなりました。仙台-山形間の交通手段は高密度で安価、山形空港山形駅の移動と仙台空港―仙台駅の移動の差額と合わせて議論すべき程度なので仕方ありません。)

 

教訓はなし

このようなケースはそうそう起きません。そもそもパンデミック自体がせいぜい100年に一度の偶発事象。その期間中に複数の条件が重なって発生したわけです。再現を期待するなんてありえません。いろいろ考えてみましたが、教訓として使えそうなシナリオは見つかりませんでした。あえて言うなら、路線の特徴を知ることはイレギュラー発生時の判断に役立つぐらい。パンデミック最中にあった出来事として記憶にとどめる他ありません。