PECHEDENFERのブログ

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BA ゴールド会員維持にかかる費用:COVID 前後

 

昨年から航空券の値上がりが顕著です。国際線では為替レート変動、燃料サーチャージ増大も加わり、日本の客にはトリプルパンチ。一方で国内線は JALANA も販売方法を変えて、セールで少数の普通席を思い切って安く販売する一方、その他で高い値付けを維持するようになりました。

 

こういう料金の枠組みが常態化すると、困るのはブリティッシュエアウェイズのエグゼクティブクラブ上級会員。特にゴールド会員。彼らには今の世界は、

 

BA や IB の年間4搭乗が必要だが、欧州行が高負担

Tier points は上位キャビンで大きいが、JAL 国内線がかなりの値上げ

 

と見えるはずです。以下ではJAL国内線、次に国際線の状況で感じたことを記録します。

 

Tier points を JAL 国内線で得る場合

以前 JAL 国内線クラス J の経済性が高いと言われていました。羽田-伊丹は座席供給量も多く、短距離なため、Tier Points を稼ぐ航空券を安く入手するのに適していました。例えば 2020 年 3月、先得割引によるクラス J は1万円程度。

この先得割引という料金区分は、特定の月日、特定の便以外に設定されました。つまり日数に余裕を持って購入すれば、たいていの月日で入手可能だったのです。

 

今でもクラス J が有利なことには変わりません。しかし本日、同路線の 2024 年 1月の販売を見ると、最低価格の往復セイバーで 17,430円。

数カ月先までこれが最安値という日ばかりです。COVID以前と比べて、同じ Tier Points を稼ぐ出費は 72%値上がっています。

 

ただしそれ以上の割引もあります。12月なら往復セイバーも 13,250 円と少し安くなります。

JAL は12月のフライトを対象に、普通席 8,000円台のセールを行っています。最近の JAL の売り方のパターンを見ていると、安い搭乗期間を1カ月程度の長さで数ヶ月前に設定し、限られた数の普通席とクラス J を値下げ販売するようです。つまり国内航空券セールが設定された月を狙うと、クラス J も安い可能性が高いのです。この12月のクラス J 料金をCOVID 以前と比較すると値上げ幅は 31%にとどまります。ただしセール期間は限られるので、利用機会が著しく少なくなったことには注意が必要です。

 

以前より座席供給数は少ないものの HND-ITMより 10%ほど安かった HND-NGO は、同様のパターンをとって変化しています。しかし平時のクラス J のセイバー料金は HND-ITM より高く(以前との比較で約90%値上げにもなる!) 設定されています。一方でもともと需要が低くて安かった HND-GAJ は、今日調べると最安値であるスペシャルセイバー(約25%値上げ)の設定が見当たりません。

 明らかに JAL は 2020年と比べ、かなり細かく料金調整をしています。そして全体としては顕著な値上げを成し遂げています。

 もっとも HND-GAJ のクラス J では安い料金を見ることがあるので、まめに料金チェックする人が有利でしょう。

 

4搭乗の問題

さて BA や IB に4搭乗するには、たいてい欧州に行かないとなりません。単純に済ませるなら羽田発 LHR 経由で (UKや) 欧州の都市への往復航空券を購入することになります。最近 BA の料金は突然下がり、何とか検討できるような価格帯に入りました。例えば今年の冬は World Traveller + Euro Traveller (つまりエコノミークラス)、預入荷物なしで BA が設定する羽田-パリ往復が190,000円 (諸費用別)で可能です。これは諸費用込みで 287,970円になります。

 以前と比較します。パンデミック発生のため払戻しとなった私の航空券に、2020年 5月の HND-LHR-CDG 往復 BA 便があります。140,400円 (諸費用込み) でした。これだけ見ると、BA で欧州へ行くエコノミークラスの値上げ幅は100%を超えます。

 

欧州まで別法で出かけ、乗継「欧州便」の往復を行う手もあります。その場合、無駄に航空券を買うことになると、節約はほとんどできないかもしれません。諸費用を払わなくても良い特典航空券で欧州に行くなら、支払い自体はかなり低減できます。

 

なお欧州便だけで4搭乗を成し遂げる、あるいは 1,500 ポイントを全て BA 便で獲得するなんて方には、

Which BA Club Europe routes earn 160 tier points?

が価格の参考になることでしょう。Sofia 便 Club Europe が最安値で 19便取れたら、合計 368,000 円。無事搭乗を終えたら、1,520 ポイントになります。

 

資格維持にかかる費用

BA のゴールド会員資格を獲得または維持するには、1年間に 1,500 ポイント必要です。日本在住会員について計算すると、今はおおよそ

 

日程に無理なく移動して100万円、セールの航空券を徹底的に使って77万円

 

必要です。2020年までは 50万円程度で済んでいました。金銭的には負担が増えました。

 

日系の航空会社は 2020 年以降 FOP や PP の大型キャンペーンを行っています。COVID 前後で比較すると、会員資格維持にかかる費用が人によっては下がっていることでしょう。一方で他国の航空会社の値上がりは顕著です。アメリカ三大手では、エメラルド会員レベルで200 ~ 250万円も必要になりつつあります。

 日本に住む BA 会員は米国大手よりまし。日系より安かった会員資格が、日系より高くなったという程度のことです。2019年以前だと、JAL, ANAのダイヤモンド会員資格の目安が100万円だったので、BA も変わらなくなったと言えます。

 

BA エグゼクティブクラブでは、(基本的には) 会員資格期間が月単位で異なり、12種類の会員がいます。パンデミックを理由とした会員資格の延長は、2022年2月末が資格期限のグループから廃止されました。私は元に戻された最初のグループで、2022年 1月 9日~ 2023年 1月 8日が COVID 以降初の搭乗積算が必要となる期間でした。特別処置は順次廃止され、2022年12月をもって撤廃されたはずです。今年の12月には、全会員が通常の搭乗積算トラックを一年経験することになります。

 さいわい会員資格基準には、COVID 前後でほとんど変更がありません。2024年1月末に、日本ではどれだけの会員が資格を落とさず踏み止まっているのでしょうか。