PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ワンワールドラウンジ第2弾は AMS

 

本日開業

2024年2月22日、Amsterdam Schiphol 空港 (AMS) にワンワールドラウンジが開業します。かつて BA ラウンジとして営業していた Lounge 40 で、Schengen外エリア 3階、出発エリア 2 と 3 の間、保安検査前にあります。

 

フロアプランにある 3つのラウンジのうち、E-Gates の根本に位置するのがそれです。

毎日 5:30-22:00 営業。シャワーもあります。473 平方メートル、118人着席できます。

 

ワンワールド加盟航空会社で出発するビジネスクラスかファーストクラスの利用客、サファイア会員かエメラルド会員

 

がこのラウンジを利用できます。

 

このエリアを利用する搭乗客の定期便を持つ会社は AA, BA, CX, QR, AT, RJ です。AY と IB も AMS に就航していますが、Schengen エリア。この 2社の指定ラウンジは Aspire Lounge という Lounge 26 で、D-Gates の根本、保安検査後に位置します。

 

本来 AMS は機能的な空港。実質的に単一ターミナルで一箇所に全ピアの一端が集まる「刑務所型」構造。B, C, D が Schengen エリアで、北米便が D を使う以外は E, F, G が Schengen 外エリアという運用。規模の割に乗継が素早く行えるはずなのです。

 

この新ラウンジ、2022年に閉鎖された BA ラウンジがリノベーションを行い、看板を架け替えたものと想像します。

 

ワンワールドのラウンジ整備 (予想)

ワンワールドは昨年末、ソウル仁川空港 (ICN) にラウンジを開業しました。AMS は2件目のアライアンスラウンジです。AMS も ICN もスカイチームの巨大ハブで、目的地というより中継地としての性格が強い空港です。

 スターアライアンススカイチームはずいぶん前から世界中にアライアンスラウンジを整備しますが、ワンワールドは急ピッチで追い上げるのでしょうか。この辺の事情は ICN ラウンジ開業の頃、記事にしました。

アライアンスが設置する空港ラウンジ - PECHEDENFERのブログ

 

アライアンスとして空港ラウンジを設置するなら、

・加盟会社の本拠地ではない

・多数の加盟航空会社が利用できる

という条件がそろう場所が適当です。ここで場所とは、空港・ターミナル・エリアまで限定されます。ある空港に就航する会社が多くても、ターミナルが異なったり、Schengen と Non-Schenge、国内線と国際線が異なるとラウンジ共通化の効果は限られます。この点で AMS (8社就航) の Non-Schenge エリア (6社利用) は、合理的な設置場所に見えます。

 

次はどこになるでしょうか。以下は可能性が高そうだと私が考える「私的予想」です。

 

フランクフルト (FRA) Terminal 2

スターアライアンスの大物 LH の本拠地。彼らは鉄道駅利用の利便性が高くて、つぎはぎだらけの建造物 Terminal 1 を使っています。幸か不幸かワンワールドは少し離れ、小さな Terminal 2 を全社利用。FRA では2本の平行滑走路の反対側に Terminal 3 が 2026年に竣工予定ですが、この国のことです。計画は 5年や10年遅れるでしょう。このような状況を踏まえると、 Terminal 2 にアライアンスラウンジを設置する意義は大きそうです。現在 Terminal 2 にはワンワールド用に 2つラウンジがあり、

JAL Sakura Lounge:Hall D、3階、保安検査前、AA, BA, JL, RJ

Priority Lounge:Hall D、3階、Gate E9 近くで保安検査後、CX, QR

AT, CX, UL など加盟会社の出発客でラウンジアクセスができる客なら JAL ラウンジが利用可能。保安検査後の方が一般に人気は高いのですが、小さなターミナルのことです。ワンワールドとして一つのラウンジを持つことは十分考えられます。

このターミナルは Schengen 外出発が 3階、Schengen 内出発が 2階と分かれています。この結果、AY と IB は下階から出発で、現状では上記2箇所のラウンジの利用会社になっていません。BER Tempelhof ラウンジのような方法で Schengen 内外の分離による不便が解消できると、大変よいラウンジになります。

 

ドバイ (DXB) Terminal 1 Concourse D

エミレーツの本拠地で21世紀の巨大中継地。ワンワールド加盟会社は現在

BA ラウンジ:1階、保安検査後、BA (oneworld 各社利用の資格ある搭乗客)

Ahlan Business Class Lounge:2階、保安検査後、CX, RJ, UL

Ahlan First Class Lounge:2階、保安検査後、CX, QR

Marhaba Lounge:1階、Gate C25 近く、保安検査後、BA, AY

という4つのラウンジを利用しています。コンコース D は他に AT (と WY=2024年中加盟) が利用していて、BA ラウンジが利用可能です。QF は EK と共同事業を行っているため、Terminal 3 の Emirates Business Lounge, Emirates First Lounge を利用しています。

国際線しかないため、保安検査、出入国管理は基本的に共通。QF 以外は Concourse D にまとまっているので、アライアンスで共通のラウンジを設置するのに都合が良さそうです。その場合、BA ラウンジが改編されるのでしょう。

 

バンコク (BKK)

おなじみ Suvarnabhumi 空港はタイ航空の本拠地。スターアライアンスの重要なハブですが、バンコクは目的地としての性格が強い都市です。就航している航空会社は、BA, CX, AY, JL, MH, QF, QR, RJ, UL, (WY 2024年中加盟) の 9 (まもなく10) 社。就航していない会社は AA, AS, IB, AT の 4社のみ。おそらくワンワールドのハブ以外では、もっとも就航会社が多い空港でしょう。現在、加盟会社が利用できるラウンジは

Cathay Pacific Lounge:BA, CX (oneworld 各社利用の資格ある搭乗客)

JAL Sakura Lounge:JL (oneworld 各社利用の資格ある搭乗客)

Qatar Premium Lounge:QR (oneworld 各社利用の Business & First Class 搭乗客)

Miracle Lounge:AY, MH, QF, QR, UL

と 4つあります。すべて保安検査と出国の後です。

 この空港では 2023年9月末にサテライトが完成しましたが、単一ターミナル構造は変わりません。保安検査と出国の後は、全ての国際線ゲートにアクセスできます。したがってアライアンスによるラウンジ統合の効果が非常に高いのです。

 場所さえ確保できれば、CX と JAL のラウンジを統合してワンワールドラウンジにして、プレミアムキャビン客専用に QR ラウンジは存続という 2ラウンジ体制がワンワールドらしくて良いように思います。