Air France-KLM は?
Lufthansa グループ、BA-IB と共に欧州三極をなす AF-KLM。スターアライアンス、ワンワールドでは創始者たちが方向転換を行い、自社(や自社に近い会社)と会員の結合を強め、脱アライアンスを進めています。一方スカイチームの AF と KLM では今のところ目立った動きはありません。Flying Blue は支払金額制導入時に起きた Air Europe 脱退後も Kenya Airways が脱退、Tarom と Aircalin はプログラムの採用会社として紹介されず、この FFP はむしろ解体に向かっています。
このことが何を意味するのか、どういう波及効果があるのか私には見当がつきません。
利用者なら
アライアンス弱体化、自社重視とブロック化は航空会社にとって世界戦略の大きな転換。客にも対応が求められます。素直に発想すると、これまで以上に
・よく搭乗する会社の FFP を利用する
・よく搭乗する会社と密に提携する会社のプログラムを利用する
・(同一アライアンス)x(安い)=(他社搭乗の修行) は止める
となるはずです。傍流の利用(裏ワザ)は、効率が悪くなる一方ですし、その場合の特典は減る方向。まとも過ぎる展開は仕方ありません。
結局
JAL が所属する oneworld の FFP だから Executive Club 会員になる
という発想は時代遅れになり、
BA をよく使うから Executive Club 会員。oneworld のサービスも受けられる
という考え方をする方が、実のある結果を生みます。容易に予想されますが、日本では JAL や ANA の会員になることがこれまで以上にお得。何ともつまらない話です。
しかし、ほとんど搭乗しない会社のステイタスを保つため、安価という尺度で同一アライアンス内で血眼になってフライトを探し、旅行のスケジュールで苦労、サービスレベルの低さに辟易して搭乗、ポイントを稼ぐという行動様式は近い将来、理解困難になることでしょう。今だにステイタスに価値を感じるなら、まだこういう発想になるかもしれません。しかし実際には排他性は失われ、特典は切り売りされている航空会社ステイタス。過去の残映を見ているだけです。
Miles & More が変わったように、そして JAL や ANA が昔からやるように、一般に FFP 会員には
スタイタス維持は、半分が自社サービスの利用によってなされる
を規則とする会社が増えましょう。そもそもそういう利用をしないと、無駄が多くなると思います。
今となっては、Flying Blue は自社でも他社でもあまり区別しない貴重なプログラム。しかし欧州ではお隣の Miles & More が変わりました。特典航空券の提供はともかく、露骨な自社優遇がいつ導入されてもおかしくありません。そしてそれは本拠地から離れた FFP 会員に影響が大きいのです。今後もこの FFP の動向には要注目です。