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BA、EI、IB は顧客プログラムを統合?

 

エアリンガスおまえもか

Aer Lingus (EI) の FFP、Aer Club では、イベリア航空 (IB) Iberia Plus と ブリティッシュエアウェイズ (BA) Executive Club が進める搭乗実績積算サイクルの開始日・終了日の単一化(4月1日開始-3月31日終了)と同じ改訂を行います。つまり IAG 傘下の 3会社、Aer Club、Iberia Plus、Executive Club は 2024年 4月 1日、会員暦が一つになります。

すでに BA の改革について記事を上げましたが、移行措置はかなり大変です。

BA が Tier Points 積算期間を統一 - PECHEDENFERのブログ

BA が Tier Points 積算期間を統一 (補足) - PECHEDENFERのブログ

会社あるいは FFP に相当のメリットがないと、こんな変革は実施できません。

 

すでにこれら 3プログラムでは、マイルの代わりに Avios を用いています。そして計算法は支払金額制が採用されています。さらに 3プログラムのアカウント間で Avios を移動できるようになっています。

 これらシステムのうち、いくつかは最近 2年のうちにスタートしています。

 

IAG 傘下会社で顧客プログラムは統一?

FFP 間でのこの3つの動き

・搭乗実績積算(と会員資格)サイクルの統一

・マイルに代わる通貨の統一

・その通貨の相互流通

目指すところは、FFP の統合でしょう。誰の目にもそう映ります。

 

そう予想すると、意外と障害が少ないことに気がつきます。3社とも路線の構成や性格が似ています。近距離~長距離の路線が等しく重要なこと、離島路線や過疎地域の路線を維持する使命に乏しいこと、本拠地が西欧であることは完全に重なります。もちろん経営が同一という背景もあります。FFP 統合に無理はありません。

 

世界の流れ

最近 LufthansaFFP、Miles & More が大規模改革を機に行ったことは、

FFP 構成会社の搭乗を重視、その他の提携会社と差をつける

です。ステイタスの基準は Miles & More 構成会社の搭乗ポイントが半分以上となりました。搭乗実績に自社プログラムの利用をある程度の割合(半分が多い)要求する形式は、JALANA では昔から行われています。

 実のところ、自社プログラム重視の傾向は10年ほど前から拡大しています。キャセイパシフィック (CX)、カンタス (QF) では、以前は JAL を利用しても、CX を利用しても、QF を利用しても、加算されるマイルや Status Credits にあまり差がありませんでした。ところが今では自社搭乗を露骨に重視しています。CX や QF が提供するウェブ計算機で簡単に確認できます。

Status Points and Asia Miles calculator

Qantas Points Calculators | Frequent Flyer

 

以前に指摘しましたが、これは航空連合との関係で重大な変化です。画期的な共通プラットフォームを創出した航空連合でしたが、四半世紀を経過し、メンバー各社は脱共通化を進めています。LH, CX, QF はそれぞれ連合創始メンバーであることに注意が必要です。

 BA は AA, CX, QF と同様にワンワールド創始メンバーです。AA は支払金額制導入で他社と計算法で決別し、望む望まないにかかわらず他社利用を完全に区別することになりました。CX と QF については上記の通りです。最後に残った BA がこの傾向へ傾くのは自然です。それ以外の創始メンバーは CP ですが、大昔に会社が消滅しました。

私的予想

統合された新プログラムでは、Miles and More のように同一プログラムの下に複数会社が所属、そしてグループ内の結合は航空連合に優先するのでしょう。

 EI, IB, BA の搭乗で得られる Avios が同じ路線を運航する提携他社の同等の予約レベルの搭乗に比して、大きくなるのは当然です。この種の自社優遇は多くの会社で長らく行われています。

 

獲得 Avios は 3社とも支払金額制に移行済みで、大きな問題は生じません。

 

メンバーシップと搭乗実績の関係ついては、現在でも BA や IB で最小搭乗回数が要求されますが、せいぜい 4フライト/年。LH, JL, NH のように pts, FOP, PP の半分が自社利用という制限に比べれば、格段に容易です。ただし EI-IB-BA の統合新プログラムは CX - QF 型、つまり Status Credits (Elite Points, Tier Points) の算出で、他社の利用実績をEI, IB, BA 利用の 30- 80 %程度に抑制すると予想します。

 会員ティアは 3社とも基本的に 4種類なので、名称が変更される程度の問題。距離-Status Credits の対応と要求される搭乗量は現在のところ各社まちまちですが、難化する理由は見出せません。

 

現在 Aer Club では EI の搭乗のみが Tier Credits になります。ワンワールドへの加盟が時々噂される EI ですが、EI, IB, BA の利用でのみ Tier Credits 加算という方法も可能です。この場合ワンワールドから距離が保てますが、新プログラムは別建てになります。

何がどうなる

搭乗実績積算サイクルの単一化は強引に進めている感じが強く、新プログラムへの統合も早期に行われそうです。搭乗実績積算サイクル単一化の完了(移行措置の終了)に合わせてスタートすると予想します。

 日本在住の Executive Club 会員には悲観的な見通しになります。統合後の新プログラムでは JAL 利用で得られる Tier Points が現在の半分になっても不思議ありません。Executive Club の会員レベルを保つことは、顕著に難化しそうです。それでも*G 継続を放棄せざる得ない 2024年以降の Miles & More に比べれば、はるかにましでしょう。そこ(搭乗実績の半分をプログラム構成会社の利用に限定する)までローカルな戦略は IAG らしくありません。