PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

バルカン半島のフラッグキャリア

 

珍しい航空会社に搭乗してみたいという人に読んでいただきたいと思います。

 

北マケドニアの航空会社は現在ありません。コソボには Kosovo Airlines が存在していますが、現在機材を持たず運航しておりません。モルドバにも A319 と A320 を小規模運航 (計 5機) していた Air Moldova がありましたが、2023年 4月に運航を取りやめ、全てのサービスを停止しました。ボスニアヘルツェゴビナには B737 を1機保有してチャーター運航を行う Icar Air があります。スロベニアには小規模ながらも Star Alliance 加盟の Adria Airways が存在しましたが、2019年 9月30日に破産消滅。以上の国々には、フラッグキャリアはないか、あっても全く営業していません。

 クロアチア Croatia AirlinesギリシャAegean Airlines は Star Allianceに、ルーマニアTaromSkyTeam に加盟しています。これらもフラッグキャリアと言って問題ありませんが、三大航空連合加盟の会社は利用する機会が多く、情報も容易に得られるのでこの記事では扱いません。

Air Albania (ZB, ABN)

アルバニアには Albanian Airlines という航空会社が1991年から2011年まで存在しました。しばらくの空白期を経て、Air Albania が新たに設立されたのは 2018年5月16日。初フライトが同年 9月14日ということで、かなり新しい会社。ハブはチラナ国際空港 (Tirana International Airport Nënë Tereza)。機材は A319 が 1、A320 が 2の 3機。ウェブサイトの予約ページに出現する就航地はチラナ (TIA)、ボローニャ (BLQ)、ミラノ (MXP)、ピサ (PSA)、ベローナ (VRN)、イスタンブール (IST) の 6都市。

 

ウェブサイト

https://www.airalbania.com.al/

アルバニア語と英語だけ。英語を選択しても広告はアルバ二ア語。

このトップページの下部にも述べられていますが、トルコ航空のサポートを受けてこのサイトを運営できているようです。この航空会社、トルコ航空のシェアが49%。

 

マイレージプログラムは見当たりません。

 

Air Montenegro (4O, MNE)

かつてモンテネグロは Montenegro Airlines という会社を持っていましたが、COVID による旅客激減で2020年12月26日に清算されました。その後、新たに Air Montenegro が設立されたのが 2021年 2月 8日、運行開始は同年 6月10日です。国営なのでこの辺はシンプル。

 ハブはポドゴリツァ空港 (Podgorica Airport)。機材は Embraer 195 が 2、A320 が 1の 3機を保持しているそうですが、どうも E195 だけ運航されているようです。ウェブサイトの予約ページに出現する就航地は Tivat (TIV)、Podgorica (TGD)、Baku (GYD)、Belgrade (BEG)、Bratislava (BTS)、Brno (BRQ)、Zurich (ZRH)、Frankfurt (FRA)、Istanbul (IST)、Izmir (ADB)、Copenhagen (CPH)、Lyon (LYS)、Ljubljana (LJU)、Munich (MUC)、Nantes (NTE)、Ostrava (OSR)、Paris (CDG)、Prague (PRG)、Rome (FCO) と19都市にも及びます。

ウェブサイト

https://airmontenegro.com/

モンテネグロ語と英語だけ。広告はモンテネグロへのいざないぐらい。あっさりしています。特徴的なのはフォトギャラリー。顧客登録はできてもマイレージプログラムはありません。

 

Air Serbia (JU, ASL)

セルビアフラッグキャリア。Etihad のサポートを受けており、名前はよく聞きます。実は1927年に遡ることができる伝統ある会社。ベルグラード空港 (Belgrade Nikola Tesla Airport)をハブに、A319 が 10、A320 が 5、A330 が 2、Embraer 195 が 3、Embraer 190 が 1、ATR72-600 が 7 の機材で 35カ国 80都市に就航する中規模の会社。

ウェブサイト

https://www.airserbia.com/en

は12言語に対応、様々な就航地がトップ頁に紹介されます。マイレージプログラムは Etihad Guest。ウェブサイトを見ている限りでは、かなりしっかりした印象を与えます。Ethihad の資金は偉大です。

 

 

Bulgaria Air (FB, LZB)

2002年11月に設立、初フライトは同年12月4日。ソフィア空港をハブとするブルガリアフラッグキャリア。機材は A220 が 3、A319 が 2、A320 が 5、Embraer 190 が 4 で合計14機。就航地は22 (Larnaca, Tel-Aviv とギリシャの就航地を除くと全て西欧) と、小さな会社です。

ウェブサイト

https://www.air.bg/bg

は、ブルガリア語と英語にしか対応していません。3つの会員ティア (Basic Level, Silver Standard, Gold Privilege) と提携クレジットカードを展開する独自のマイレージプログラム FLY MORE を持つことは特筆すべきです。

 

各就航地の宣伝もしています。独立性が高い割に頑張っている会社という印象を持ちました。

FLY MORE は会員ティアが3つあり、入会したら Basic Level で、ポイントを貯められます。5回搭乗したら Silver Standard Card で、これは永久会員資格。ポイントを特典へ交換できるようになります。18カ月以内に 30,000 pt 獲得すると Gold Privilege Card になり、特典が増えます。興味深いのはたった 5回の搭乗でライフタイムステイタスが得られること。この種のステイタスが欲しい方々には、実はなくとも名は得られます。JGCSFC は年会費が必要ですが、こちらは要りません。