PECHEDENFERのブログ

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BA エグゼクティブクラブ遠隔利用 tips (6)

 

ワンワールド提携各社利用の原則

(最)格安エコノミー利用とビジネスクラス利用では、得られる Tier Points が (8倍) 4倍違うエグゼクティブクラブ。BA や IB の搭乗は年 4回でよく、これらは最低の Tier Points 合計 20 pts で無問題です。ファーストクラスの Tier Points はビジネスクラスの1.5倍ですが、同じフライトで比較して前者の価格が後者の価格の 1.5 倍以下ということは滅多にありません。そこで来年度の会員ティアが気になる人は、ワンワールド各社が提供する安いビジネスクラスを探すことになります。これが一つ目の着眼点。

 そしてワンワールド各社を利用する場合、着目するのは路線距離。2,000 mile 以上 ( 5,999 mile 以下) の路線で獲得できる Tier Points は、1,999 mile 以下の 3.5倍になります。数字が全く違います。これが二つ目の着眼点。

 

これら二つの原則は少なくともここ十年は変わっていません。

 

料金が安くなるケース

時により、時期により、あるいは突発的な出来事により航空券の価格は変わります。したがって日ごろから探求が欠かせません。ただしいくつか原則があります。

 

2,000 mile 超え単通路機材ビジネスクラス

ワイドボディ機は燃料容量が大きく、機内サービス用の消耗品・非常用物品の積載も制限が緩いので、長距離路線では専らワイドボディ機が使われてきました。2,000 mile という距離は微妙で、単通路機材で問題なく飛べますが、需要の関係からワイドボディでまとめて移送ということが多かったのです。単通路機材による長距離フライトは、一般にシートは短距離路線と同じでサービスも簡潔。そのため料金が安く設定されるのが普通です。短距離用の単通路機材による 2,000 mile 超の国際線としては、ワンワールドでは以下が有名です。

MH による NRT-BKI (MH80, 81 は B737-800 による 2,570 mile)

AY による HEL-AGP (AY1671, 1672 は A321 による 2,086 mile)

これらのフライトは相対的に安いことが多く、注目の対象となります。

 ただし最近では A321 による長距離フライトが増えるとともに、単通路機材でも良いビジネスクラスシートを備えた機材が出現しています。この原則は過去のものになるかもしれません。

 なお繰り返しになりますが、BA には 2,000 mile の区分はなく、長距離機材と短距離機材で Tier Points が区別されます。BA は 4月 1日に Tel-Aviv 便を復活させますが、短距離機材に「格落ち」します。

 

ライト料金ビジネスクラス

LCC に対抗するためにレガシーキャリアが新設したのがエコノミークラスのライト料金。預入手荷物なし、機内持込手荷物に相当な制限があり、料金は最低限。獲得マイルなし(=0 Tier Point)という料金区分です。この措置との関連性は低いのですが、ビジネスクラスでもライト料金が出現しています。QR や AY で販売されています。従来のビジネスクラスから、無料預入手荷物、シート選択、ラウンジ利用、優先搭乗などのサービスを除いたものとなります。ただしマイレージ関係はビジネスクラスのものとなるようです。(購入前に予約クラスを確認する必要あり。変更は常時行われる。)

 価格はそれなりに安いので、主な関心が Tier Points にある場合は大変都合が良い料金区分になります。今のところ試験的な導入のようで、路線が限られます。例えば QRビジネスクラスのライト料金は ICN 便にはあっても、東京便にはないようです。

 

出発地

人気の高い話題ですが事態は流動的で、ここが一貫して航空券が安い場所はなかなか現れないものです。ICN 発の欧州方面に行くフライト、北欧 (ARN, OSL など) 発の BKK 便は相変わらず安いようです。

 ただし出発地までは別の方法で到達しないといけません。そのための移動と宿泊の費用はバカにならず、これを計算に入れても Tier Points 獲得が高効率になるというケースはそれほど多くなさそうです。期限切れ間際で使い道がないマイルを使うとか、損失補償に合わせるのがせいぜいのところ。

 なおこの話題は、Loyaltylobby が得意としています。下記記事は例です。

https://loyaltylobby.com/2023/09/02/airfare-of-the-day-business-class-finnair-stockholm-to-bangkok-from-1594e/

 

新規開設路線

価格設定の目途が付かないらしく、周知させるためのキャンペーンの意味もあり、普通は安めに料金が設定されます。QR は戦略的にこの手を使います。開設路線が出発地でも目的地でも同じ傾向になります。

 

通貨崩壊

もはや Tier Points 獲得なんて小さな話。あらゆる航空券はおろか、広汎に物価が (あなたにとって) 下落するケースです。

 国の経済が乱れたり、為替制度を変えた直後などに通貨が大幅下落することはよくあります。こういう時、その地で発券する航空券は下落にすぐ対応するわけではないのでそのまま格安になります。2016年11月エジプトは自国通貨 EGP を切り下げ、変動相場制に移行、エジプトポンドは大幅下落。エジプト発の航空券は信じられない価格になりました。CAI-FCO-NRT のビジネスクラス往復は日本円で 7万円でした。これはアリタリアだったのでワンワールドではありませんが...。

 2022年~2023年にかけても数度の大幅下落があり、CAI 発の航空券価格はなかなか興味深い観察対象です。同様に IMF の管理対象になる国は要注目。

 国全体の治安や空港の営業が乱れない限り、まずは問題ないと思いますが、利用に際してはある程度のリスクを受容する必要があります。

 

 

高運航頻度の短距離国内線ビジネスクラス、ファーストクラス

短距離国内線では客の心理が異なり、簡単で素早く移動することが重視されます。いろいろなサービスがあっても、利用する時間がありません。したがって何らかの理由でビジネスクラス、ファーストクラスが設定されても、大したサービスの上乗せはできないので価格も抑えられます。高頻度運航、短距離、安いとなると、利用を多くしてまとまった量の Tier Points が獲得できます。

 しかしこういう国内線フライトを広く運航するワンワールド加盟会社は JAL だけのようです。日本在住ならこの特殊事情を活用しない手はありません。残念なことに COVID が明けてからクラス J の値上げが顕著で、こういう路線の代表格である HND-ITM ではそれ以前の1.6 倍。しかも先の月日ではさらに高い値段が設定されています。つまり値上げ基調。ファーストも値上げ。幸いクラス J は普通席からアップグレードされても、アップグレード先の予約クラスのマイレージが適用されることですし、値上げのおかげでクラス J に空き席が目立つので、アップグレード成功に賭けるのも一手。

 

ここ10年間、重大な出来事は起きていないようですが、国内線の場合、予約クラスの変更が予告なしに起こるので注意は必要です。