バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ブリティッシュエアウェイズは12月から JFK ターミナル8を利用します

 

現在 BA はニューヨーク JFK 空港でターミナル7を利用しています。ここには BA ラクジャリーの象徴、コンコルドルームが設営されています。本拠地ロンドン LHR 以外では世界中にここだけです。

 

ところが 1月25日、アメリカン航空は「アメリカン航空とブリティッシュエアウェイズがターミナル8に移動する計画」を発表しました。

Newsroom - American Airlines and British Airways Unveil Exciting Plans for Enhancements to the World-Class Customer Experience at JFK’s Terminal 8 - American Airlines Group, Inc.

 

AA は T8 の拡張と改良を2019年に発表しており、今回のプレスリリースはその詳細という位置づけです。4億ドルを投資して T8 を拡張、充実させ、2022年12月に AA と BA は「一つ屋根の下に」同居します。大西洋 JV をタイトなものにし、顧客にシームレスな体験を提供します。

 

「約12,000平方メートルの空間を新設あるいは改築し、5つのワイドボディ機のゲート、4つのワイドボディ機の駐機ポイント、性能アップした手荷物取扱システム、新しいアメニティ、プレミアムゲストに対して拡充されたサービスが提供されます。」

 

顧客の乗継ぎを重視しているのは明らかです。ワンワールドでは、JL と BA(と AY)の日欧 JV と同様、AA と BA(とAY)が大西洋 JV を行っています。JL でロンドンに行ったことがある方は分かると思いますが、LHR の乗継ぎはターミナルの移動を伴い、時間がかかる(50-60分)こと、預入手荷物のハンドリングにやや難(遅れるリスクが高い)があることなどが問題です。同じターミナルで同じシステムを利用できればこれらの問題はほとんど解決します。LHR では AA と JL をターミナル3から BA 用のターミナル5に移動すると発表されています。

ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上 - バス代わりの飛行機

(9月移動と予告されていましたが、2021年12月の時点で JAL は移動していないようです。)同様のことを JFK も行うという理解で良さそうです。

 

さて AA のプレスリリースでは、プレミアムゲストに対するサービスの拡充が強調されています。以下の4つの図は全て上記 AA のサイト中、プレミアムゲストに関する項目で提供されています。

f:id:PECHEDENFER:20220210122910j:plain

新ターミナル

JFK の T8 に到着すると、2つのブランドのプレミアムチェックインエリアでパーソナル化したコンシェルジュスタイルのサービスが、最上ティアの顧客を待っています。これは今までの AA のフラッグシップファーストチェックインエリアに替わるものです。利用資格を有するビジネス顧客のための特権的な新チェックインエリアは、良く考慮されたデザインの建築物により特徴づけられます。」

f:id:PECHEDENFER:20220210122959j:plain

ビジネス顧客のためのチェックインエリア

 

「セキュリティを通過後には、3つの特徴的なラウンジが設置されます。プレミアムラウンジは拡張され、AA と BA の最上会員に約1,000シートを提供します。新しいシャンパンバー、fireside lounge (おそらくカウンターサービスのこと)、アラカルトダイニングは従来のフラッグシップファーストダイニングを作り変えるものです。」

f:id:PECHEDENFER:20220210123126j:plain

おそらく最上のラウンジ

「隣にある別のプレミアムラウンジは、エアサイドの眺望、ワインバー、カクテルラウンジ、図書、ビュフェを持ちます。

 AA のフラッグシップラウンジとコンコースBのアドミラルズクラブは統合して利用資格があるビジネスクラス客のためのラウンジに作り替えられます。」

f:id:PECHEDENFER:20220210123154j:plain

たぶん中間グレードのラウンジ

素直に読むと、三つのラウンジ、三段階のグレードと三段階の利用資格が示唆されています。利用資格に関しては、BA でのターミナル移転の計画をなぞると

 

・ファーストクラス利用客 + ConciergeKey 会員 + コンコルドルーム利用資格会員

ワンワールドエメラルド会員

ビジネスクラス利用客 + ワンワールドサファイア会員

 

という三段階が予想されます。

 

今年の夏のピーク時には、一日14便の出発を予定している JFK-LHR 路線。世界有数の高級路線は混雑路線でもあります。ビジネスクラス以上、プライベートジェット未満という移動層は、英語圏ではかなりの厚みがあることを物語ります。

 ワンワールドの結成時、会員各社共通でファーストクラスのサービスを「多くの」顧客会員に開放できたのは、この層の厚みがあったため。ビジネスクラスの利用促進に会員制度が威力を持つためには、ビジネスクラスの高頻度利用客を対象にファーストクラスのサービスを提供しなくてはなりません。これは先発したスターアライアンスでは能力的に無理だったのでしょう。彼らの上級会員制度は、基本的にエコノミークラスの利用促進に効果をもたらします。

 この違いが金を落とす客を惹きつけるために非常に役立つことは明らかです。実際 JALビジネスクラス高頻度利用客は、欧州に飛ぶ時パリよりロンドンを選びます。エメラルド会員に対するサービスが乗継空港、現地空港でも明確に違うからです。

 

プレミアムクラスの顧客を集めるという観点では、ワンワールドは共通の会員制度のおかげで連合内 JV がスターアライアンススカイチームより効果的に働きます。