PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

汎世界的な移動の減少(その2)

日本の国内線

移動に伴うリスクを個人レベルで考えると、次の2つに分類されます。

(1) 行政により活動の制限を受ける。(入国拒否や帰国後の自主謹慎を含む)

(2) その地で自分が感染し、健康を害する。

日本は感染確率が低い、世界水準では安全な場所の一つになったため、一般に外国旅行には(2)のリスクが付きまとうことになりました。しかしこのことは、国内の移動ではほとんど気にする必要ありません。

 もちろん国内線の利用では (1) は関係なし。厳密に言うと、北海道へ行くと後日その理由で入国制限を受ける国がありますが、それ以外はありません。すると国内線利用は極端に減少することはないはずです。

 

事実はどうかと言うと、3月16日(月) JAL

羽田発伊丹行を15便中5便

羽田発札幌行を16便中6便

羽田発福岡行を17便中6便

羽田発那覇行を12便中3便

欠航しています。合計して60便中20便運休。国内線基幹路線は 3分の1のフライトが運休です。搭乗客はそれ以上に減っていることでしょう。その前日3月15日(日)は那覇便欠航が 2便になっただけで、他は同じ欠航数。ひどい落ち込みです。

 

(1)は問題にならず、(2)も明確に差があるわけではないので、移動中に感染するリスクを気にする人が多いのでしょうか。

 ラーメン屋、サラリーマン向けランチ*、バーなど、もっと感染確率が高そうな機会が日常に数多く存在します。機内ははるかに安全な空間だと思うのですが、なぜか利用が減るのですね。会議やイベントが中止になり、移動が必要なくなったという以上に、出張命令を出す気になれない、旅行気分になれないという理由が背後にありそうです。

*:ランチの値段の違いが判断材料に上がった方、残念ながら的外れです。東京でランチをとると、ほぼすべての場合で風通しの悪い空間、半径 1mには常時他人がいる状態。1万円越えのビジネスランチでも、平時の人の詰め込み方は、避けるべき状況になるでしょう。感染リスクを下げるため、弁当を持参して便所の個室で食べる方が望ましいのです。

 

アメリカで欧州からの入国が停止になる直前、検疫で7時間も列で並ばされたシカゴ空港では、新たな感染があったことでしょう。

DFW, O'Hare Airports Saw Massive Crowds, Long Waits After Coronavirus Travel Restrictions

現状では、そんな事態はありえない日本の空港国内線発着。居酒屋やカラオケは極力避けても、国内線での移動は避ける理由がありません。思い切って出かけてみればわかりますが、機内も空港も空いていて、旅行には好都合となっています。

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普通席でも隣席おらず、楽ちん移動となりやすいのでした。

 

23時間後の追記

この記事を公開してから23時間経ちましたが、その間に世界中で大きな動きがありました。

 

・前の発表から幾日も経っていないのに、Norgegian Air Shuttle は運航抑制を追加しました。3月21日からすべての長距離便を停止します。90%の従業員を一時解雇するとのことです。

 

オーストリア航空は、3月18日からすべての運航を停止します。LOTに続いて運航停止と、Miles & Moreやスターアライアンスにとって非常事態ですが、状況が状況だけに当然という気がします。

Breaking: Austrian Airlines Latest To Cancel All Flights - Simple Flying

 

フランスは3月17日正午から15日間外出禁止になります。除外される用務は買い物、医療機関の受診、在宅勤務が不可能な場合だけ、違反者には罰金とかなり強力な大統領令です。一般市民(旅行者も)はスペインやイタリア並みかそれ以上に行動が制限されます。

 

EUは本質的ではない旅行目的の外国人の域内入国を許可しないことが決まりました。開始日時や機関等の詳細はすぐにでも明らかにされ、時間を置かずしてこの措置は実施されるでしょう。

European Union will close its borders to all non-essential travel over coronavirus - CNN

 

カナダは外国人旅行客(つまり国内居住していない他国籍の人間)の入国を認めないことになりました。

Coronavirus: Le Canada ferme ses frontières | Le Devoir

これで欧州-北米路線はほとんど消滅します。

 

ロシアは、3月18日から5月1日まで外国人の入国を禁止します。外交官や居住権を持つ場合は除外されます。

 

香港は 3月19日0時より、入境者(=入国者)全員を14日間強制隔離することになりました。事実上、「香港に来るな、外に出るな」ということですね。

 

マレーシアは3月18日から3月31日までの間、外国人観光客・訪問客の入国を禁止します。同時に国内でも集会の禁止、全ての学校・宗教施設閉鎖、全ての事業所閉鎖、政府機関、民間企業の閉鎖を行います。生活必需品販売とかインフラ維持など必要不可欠なものは除外されますが、これは中国、イタリア、フランスなどでおこなっている外出禁止の一歩手前です。

 

日本の外務省はヨーロッパの感染症危険レベルを引き上げました。全域がレベル2「不要不急の渡航は止めてください。」になっています。渡航中止勧告であるレベル3には、イタリアの北部諸州やスイス、スペインの一部の他、統計的には感染者の割合が非常に高いサンマリノアイスランドが指定されています。3月18日以降は、ヨーロッパからの帰国者は2週間の自宅待機が国から要請される予定です。同時にヨーロッパからの外国人は入国制限されることになりそうです。

 

地球が一回転する間にまんべんなく強化される規制の数々。ほとんど SF映画でしか知りえなかった世界です。あらゆる人にとって初めての経験なのではないでしょうか。感染状況は急速に悪化、移動の自由は急速に減少しています。3月の海外旅行はほとんど不可能。現在問題が起きている国では、GWも難しくなる気がしてきました。すでにロシアの措置は GW にかかっています。

 

テドロスパンデミックは、どう終息するのでしょうか。