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混乱の数々

パニックになっているのは、メディアかもしれません。

 3月16日、G7首脳が緊急首脳会議をテレビ会議の形で行い、共同声明を出しました。

 

共同声明では「ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が、人道的な悲劇かつ世界的な衛生上の危機であり、世界経済にも大きなリスクを与える」とのG7首脳の認識が示された。

https://mainichi.jp/articles/20200317/k00/00m/030/099000c

 

とのことです。この声明には問題となる表現が2つあります。高校の作文だったら、注意されるレベルです。

 

(1) 人道的と言う用語の使い方ですが、人道は普遍的に尊重するべき人としての最低限の行動規範を意味します。個人やその集団の行為に関して用いる言葉です。一方、疫病は自然発生するものです。声明は、火山噴火で多数の死者があった時に人道上の危機と言うようなものです。何を言っているのですかということですね。

 もしパンデミック=人道的な悲劇が正しい認識だとすると、G7は「簡単に発生が防げたのに、それが意図的に放置され、予想された通りパンデミックになった」と言っているのも同然。この宣言により、G7は WHO や 中国 を「人道的に許せない」と非難していることになります。それならそれでも良いのですが、具体的な前置きが欲しいところです。

 

(2) (現在の文脈では)パンデミックは世界的な疫病の流行を意味し、これが「世界的な衛生上の危機」であるのは当たり前。冗語もいいところで、わざわざ共同声明に書く内容ではありません。

 

本当にこんな奇妙な共同声明が出されたのか疑わしかったので、別言語の報道も探してみました。するとカナダの報道がすぐ見つかりました。件の箇所。

 

"Nous, les dirigeants du Groupe des sept, reconnaissons que la pandémie de la COVID-19 est une véritable tragédie humaine et une situation d'urgence sanitaire mondiale qui menace fortement l'économie mondiale" peut-on lire dans le communiqué du premier ministre.

https://ici.radio-canada.ca/nouvelle/1670051/g7-coronavirus-covid19-sommet-extraordinaire-trudeau

 

(1) の「人道的な悲劇」は une véritable tragédie humaineで、「(このパンデミックは)まさに人類の悲劇…」という意味。人道は関係ありません。名詞形の humanité が人道を意味することはありますが、日本の報道はそれに引っ掛かったのでしょう。日本語版を書いた方は、日本語に加え、英語(かフランス語)もお粗末でした。消毒薬で顔を洗って出直して来いと言われそうな話です。

 

ただし、(2)についてはカナダ版も une situation d'urgence sanitaire mondiale となっており、「世界的な公衆衛生上の緊急事態」と当然のことをわざわざ言っています。日本語版より少しマシですが、五十歩百歩の冗語です。共同声明の起草者はパニック気味です。

 

他にも社会不安が高まると奇妙な表現が頻出します。これも社会が必要とするのでしょう。新疫病蔓延にまつわるパニックに分類できそうです。

 例えば、この疫病が日本でも認められた頃に使われた表現。複数の専門家が

 

「(新型肺炎の流行を)必要以上に恐れることはない」

 

との述べていたことに少々あきれました。これは万能処方箋で、疫病はおろか、あらゆるリスクに対して有効な表現です。発言者が間違う可能性はなく、そしてほとんど効き目がありません。ちょっと考えてみればわかりますが、

 

「がんを必要以上に恐れることはない」

「死を必要以上に恐れることはない」

地震を必要以上に恐れることはない」

「倒産を必要以上に恐れることはない」

「息子の反抗期を必要以上に恐れることはない」

「乗継ぎ失敗を必要以上に恐れることはない」

 

と、何に対して使っても結論として自然です。そしてフレーズ自体は何も意味しません。専門家として意見や解説を請われている、あるいは専門家を自認するなら、こういう万能処方箋はやめた方が良いと思いますが、無くなりませんね。

 

会員資格更新に関する措置は検討中のMarriott Bonvoy

こういうところはしっかりしているアメリカの会社。Marriottは(恐らく全)会員に CEO がメッセージを届けたはずです。代表からの直接の連絡。いつもの派手さはなく、好印象。

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予約は WHO の勧告の結果として変更されることがあること、予約の変更やキャンセルに対して特別な計らいをすること、衛生に最大限の配慮をしていることが述べられています。

 会員資格の取り扱いについては、いくつかの航空会社やホテルチェーンでは、さっさと発表したところがあるのですが、Marriottは慎重です。

Comme la situation actuelle est en pleine évolution, il est trop tôt pour que nous décidions d’éventuelles modifications.

(状況は変化の最中にあるため、最終的な変更を我々が決定するには早すぎる。)

決定するまでは昨年の宿泊実績は問われず、昨年の会員レベルが維持されることになりそうです。世界中に展開しているホテルチェーン。疫病の終息が見えるのはかなり先でしょう。すると相当の期間、延長されることになります。これはこれで寛容なやり方。しかしながら宿泊できる物件が少なくなっているので、平時に比べると良いことばかりではありません。

 

プロモアワードが消えたフライングブルー

こんなこと初めてです。今月のプロモアワードが消えました。

 3月初頭にはアジア地区のタブがなく、「珍しいから、記事にしてやろう」とネタ化を考えていたのですが、そんなことは全く小さな問題になりました。月半ばに全て消去されました。

 

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前代未聞の事態の数々。あらゆる人に大変な時期ですが、経験は後日役に立つと考えた方が前向き。記録を残すのも意味があろうかと、ここにスクショをアップしました。

 

なおフライングブルーの上級会員の資格更新に関しては、Loyaltylobbyにメールが公開されていました。3, 4, 5月が更新日になる会員については、要求される xp は平時の75%になるということです。

 状況を見て小出しにしている感じがしますね。半年も運航が半分以下になるようなことになったら、更新月への配慮は不要になるでしょう。追加措置には注意していないといけません。