バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

国内旅行のキーワードは地酒

4月17日に羽田空港第一ターミナルは北ウイングを閉鎖、それ以来南ウイングだけで営業していたようですが、7月1日、全体の営業を再開するようです。このターミナルの発着便の大部分が JAL なので、JALの意向で決まるのは当然。6月は Pechedenfer の悪い予感*が的中して、欠航の雨あられとなった JAL。再開を決めたということは、7月の予約が順調なのでしょう。

*飛ばないし、動きも鈍い航空業界 - バス代わりの飛行機

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6月に入り、東京では一日の感染発生が2桁で推移していますが、その多くは病院や介護施設、そして夜のお店。単純に全体の数で判定して、社会活動を抑えるのは「自分で自分の首を絞める」行為です。高リスクな業務、営業に対しては、集中的に投資するなり、強力に規制するなりして対応、他の営みは一人一人が感染回避を意識して平常に戻す。これしかないでしょう。

 

一般に高温多湿な夏季は、呼吸器の感染症が下火になります。冬に感染第3波が到来、社会が再び活動を停滞させる可能性を考え、夏の間になるべく生産・消費しましょう。全員がアリとキリギリスの2役を演じなければなりません。イソップの頃から社会は変わっており、働くだけでは冬の備えにはなりません。

 

外出自粛、外食自粛、自宅勤務の結果、アルコール依存症が増えるという予想がありました。実際のところ、5月までのデータを見ると、ビール、酎ハイの売り上げはまずまず好調だった一方、清酒とワインの落ち込みが目立ちます。**

**:関連ニュースはいくらでもありますが、一つあげます。

日本農業新聞 - [新型コロナ] 日本酒低迷、米産地を直撃 契約3割見直しか 需要回復いつ… 兵庫

 

含有アルコール量当たりの価格で比較すると、日本酒やワインはビールの半額程度。ストロングゼロなどはビールの3分の1程度。家呑みはビールという人が一番金持ち。次が日本酒やワイン。酎ハイを含めて、蒸留酒を飲むのが一番安上がり。基本はそうなのですが、外出自粛で痛手を追い、お籠り消費で回復できなかったのは、日本酒とワインの販売。アルコール度数や価格の問題ではなさそうです。

 日本酒は昔から祭礼、祝事向けです。これだけ嗜好が多様化した現代でも、家庭で飲もうとする人は少ないのでしょう。おそらくここに原因があります。日本酒がいまだにハレとケの区別を感じさせることは素晴らしい限りですが、こんな時には貴重な精神文化も悪影響をもたらします。一方ワインは外国の文物ですが、外呑みが抑制された結果、全体の消費量が減ったのは日本酒と同じ。もちろん伝統的な生産国ではワインは宗教性をまとい、日本酒と似た位置づけなのですが、日本ではその感覚から完全に自由なはず。何故だかワインも、ハレとケの枠組み***にはめ込まれたようです。

***:遠隔勤務に例えて、ハレ=「ネクタイにスーツの上半身」、ケ=「パジャマあるいは下着の下半身」と説明するとわかりやすいと思います。みんな PCカメラの視野が結界にならないことを忘れています。ハレとケが同時に現れても愛らしいものですが...。

 

政府も国内旅行に出ろ出ろと、やたら熱心。こういう時は苦境に陥った業界や地域を「〇〇して応援」というのが、いわば定石。やはり地酒ツアーだと思うのですが、この分野は意外と糸口がないことに気が付きました。「東予の蔵巡り」とか、「海の幸と越前酒のマリアージュ」などというグルメツアー商品はあってもおかしくないのに、ほとんど見かけることがありません。発酵工場のインターンシップならともかく、酒造好適米アグリツーリズムなんてあるのですか?

 JALが提案する観光ガイド OnTrip JALを見ても、日本酒は脇役どころかほとんど登場しません。

ご当地グルメの旅 - OnTrip JAL

 

フランスのワインツーリズムのことを考えると、日本酒を中心に据えた土地と文化に関する旅行はほとんど未開拓。ビジネスチャンスが転がっているようです。