コロナウイルス感染症は欧州で新たに拡大しており、感染の第何波かをもたらしています。「何」は国によって異なります。今まで比較的平気だったギリシャが猛威にさらされているのは特記事項。第3波と言えそうですが、第1波に比べて2桁、第2波に比べて1桁感染者数が多いのは大変な事態。
死亡者数の方はそこまで極端に増えてはいませんが、それでも5倍以上。
累積すると百万人当たり112人の死者を数えるに至っています。これは西、仏、伊の数600人~900人に比べるとはるかに小さく、ドイツの150人よりも低いのですが、国民は気が気でないはず。実際、先週月曜日からすべて遠隔授業になっている中学校、高校に加え、小学校、保育園を月末まで閉鎖することになりました。
Covid-19 : la Grèce ferme ses écoles primaires - Le Point
一日3,000人の新規感染者とか、一日60人の死者というのは、主な観光客の地元に比べるとかなりましですが、観光産業はどうなるでしょうか。これを気にする訳はただ一つ。エーゲ航空の会員資格の再延長があるか否かに影響するからです。年末年始にかけて、報道に注意する必要があります。
欧州では経済への影響を軽減するため、夏のバカンスから人の活動を活発にしましたが、おかげで主要国では感染者が激増し、死者も第1波の時と「遜色ない」レベルまで増えてきました。それに加えて、春先には比較的穏やかだったポルトガルやハンガリーも深刻な状況に陥っています。
ポルトガルは、イタリア、スペイン、フランスなどが厳しいロックダウンを行った第1波での死亡者は1日最大30~35人にとどまっていたのですが、現在は80~90人に達しています。ウイルスが変異したのか、季節のためかその辺は分かりませんが、神の特別な加護を受けた土地ではなかったということです。
ハンガリーはさらに極端で、春の感染の波では新規感染者は一日当たり100~200人で済んでいたのですが、現在は5,000~6,000人というところ。これだけなら検査数が増えた可能性がありますが、死者の方も春先の10~14人/日から現在100人/日と欧州他国並みになっています。
感染状況の拡大を見て、ポルトガルとハンガリーはやはり先週月曜日から「部分的」ロックダウンに入りました。これらは夜間外出禁止令です。
Coronavirus: Hungary and Portugal in partial lockdown - BBC News
極東では、すでに破綻していたアシアナ航空が大韓航空に買収されるという報道が出ました。世界的に見ても業界再編の大型案件。コロナの影響第2ステージですね。利用者目線では、スターアライアンスが1社消えるとか、朝鮮半島の空に競争が無くなり航空券価格が高くなるとかが気になるところ。FFP会員への措置も追跡が必要です。
いずれにしてもまだまだ終息が見えない流行。しばらくは大人しくするしかないようです。