前記事のまとめ。
日本で航空会社の「上級」会員資格が付帯するクレジットカードは、
デルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
VISAベトナムエアラインズカード
VISAベトナムエアラインズゴールドカード
Mastercard ラクジャリーカード ブラック
Mastercard ラクジャリーカード ゴールド
これらのクレジットカードはどうしても年会費が高くなるので、特典はぜひ有効活用したいところ。そのためには
(1) クレジットカードを一つしか持たない
(2) その航空会社をほどほどに利用する
(3) 体重が120 kg 以上ある
(4) 航空会社の上級会員という「飛び切りの」ステータスを保持したい
などの要件を満たす方が有利です。
クレジットカードの場合、会員は支払うだけなので、損はあっても得はないのですが、妥当な使い方は考えられそうです。以下では航空券は格安エコノミークラスしか購入しない人を想定します。また他にクレジットカードを持たない場合を考えています。
上記 (4) の条件は、心理的なものなので考慮していません。クレジットカードにまつわるステータスに価値を感じる人は、好きなだけ加入して年会費を支払えばよいと思います。物事はシンプルに考えましょう。
(1) 年に数回スカイチームで旅行し、いつも大量に荷物を伴う人に VISAベトナムエアラインズカード。ベトナム航空ロータスマイル・チタニウムはスカイチームエリート会員であり、この会員の特典は馬鹿にできません。支払い回避の上で注目したいのが、スカイチーム加盟会社利用時の預入荷物の無料追加です。路線によって異なりますが、10 kg または一つ追加が可能になります。本来数千円~2万円程度の料金が無料になるのですから、かなり大きな特典です。一方このカードの年会費は 5,500円(初年度無料)と平凡なクレジットカード。
もちろんエコノミークラスでも頻繁に旅行すれば、スカイチームエリート会員になります。チタニウム会員なら15,000 miles か マイル積算対象の搭乗20 回が基準。ただしベトナム航空によくあるマイル積算対象にならない安い航空券には、いくら乗っても関係ありません。
フライングブルーなら KL 利用 AMS 経由でドイツやフランスへ年3回、あるいは CI のマイル積算対象運賃で TPE 経由のアジアを 5回旅行すればスカイチームエリートになります。そこまで利用しない人に有用なカードです。特にベトナムが好きで年に2回 VN で往復、荷物はいつも大量などという人には。
(2) VISAベトナムエアラインズカードは使えるカードですが、ラウンジアクセスは特典に含まれません。余裕を安く買えるなら、そうしたいという方も多いと思います。格上のVISAベトナムエアラインズゴールドカードだと、ゴールド会員資格。ベトナム航空のラウンジは利用できるようです。しかしスカイチームではエリート会員。スカイプライオリティは保証されず、他社利用だったり、ベトナム以外ではラウンジが利用できません。ベトナムしか行かない人なら逡巡するところですが、問題は 44,000円という年会費。これはスカイチーム・エリートプラス会員が付帯する次項 (3) のカードの年会費より17,600 円も高いのです。
ただ (3) は年間150万円のカード利用がないと、その上級会員資格は保てないので「4万円を超える年会費は出せても、利用金額は年間150万円には届かない」という場合にこのカードが有利となります。少し珍しいケースになりそうです。
ベトナム航空のエコノミークラスは、マイル積算対象にならない航空券が充実しており、積算される航空券は価格が大幅に上がります。ベトナム航空の高頻度利用者であって最安のエコノミーばかり利用する人には、このカードも価値が高くなると思いました。もちろん荷物もたくさん運んでください。
なおラウンジアクセスの特典は、体重が多いほど価値が高くなることは、前の記事で指摘した通り。
(3) アメリカに年に2~4度出かける人にデルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード。デルタ航空スカイマイル・ゴールドメダリオンはスカイチームエリートプラス会員であり、スカイチーム加盟各社のラウンジが使えます。預入荷物の無料追加は路線によって異なりますが、20 kg または一つ追加が可能になります。普通のアメックスの特典は付いているので、グリーンカードとの差額がこれらのサービスの対価。荷物が少ない人だと、国際線ラウンジ利用が 3 ~ 6 回程度ぐらいの経費となります。いつもラウンジはフル利用、荷物は 20 kg 追加という人だと、2往復で「課金されたはずの費用」が釣り合います。
エコノミークラスでも北米8往復すれば、フライングブルーでゴールド会員になるので、その場合このクレカはあまり役立ちません。年2~6回程度の頻度の人向けなのです。
年間150万円の出費ですが、これは年収600万円独身の消費生活ですね。外国出張の経費をこのカードで支払えるなら、出費の閾値、年収の閾値はさらに下がります。定期的に北米に行くけれど、エコノミークラスしか利用しない人には実用的なカードです。