PECHEDENFERのブログ

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JGC・SFC の海外版(その1)

 

一定期間中、フライト利用時に様々な特典が受けられるという有償サービスは、多くの航空会社が展開しています。この種の商品はだいたいサービスのセットを前金で販売、利用回数不問が普通です。フライトを利用しないと無駄金を支払うことになります。代表例は JAL グローバルクラブ (JGC) と ANA スーパーフライヤーズカード (SFC) です。

 これらは航空会社のサブスクリプション商品。海外の会社では、支払いのみが入会・継続の条件となるのが普通です。一方で JGCSFC はそれぞれマイレージバンクのサファイア会員以上の会員、マイレージクラブのプラチナ会員以上の会員が入会でき、継続に必要な条件は(提携クレジットカードの)年会費支払いです。一度は自社を高頻度利用した者だけを対象とする点が日本の二会社の特徴と言えば特徴です。

 

特典内容が JGCSFCにそっくりという会員サービスも海外に存在します。カンタス航空カンタスクラブはまさにそれ。

 

ウェブサイトはこちら。

The Qantas Club

 

カンタスクラブの費用

特典を享受するためには、入会時の入会金に加え、期間に応じた会費(1年有効、2年有効、4年有効)が必要です。

 

入会金は、

オーストラリア 99 AUD

ニュージーランド 99 NZD

その他世界 99 AUD

 

16,000 Qantas Points(カンタス航空マイレージプログラム、Frequent Flyer でマイルに当たる)の償却でこれらの支払いに代えることができます。

 

会費は居住地により異なります。今から入会すると、次の料金が適用されます。

              1年間  2年間  4年間

オーストラリア (AUD)      600  1,100    2,000

ニュージーランド (NZD)     600  1,100    2,000

その他 (AUD)          450     825    1,500       

Qantas Points で代えると 93,000   170,000      308,000(世界共通)

 

現会員に適用される会費は、

              1年間  2年間  4年間

オーストラリア (AUD)      540     980    1,850

ニュージーランド (NZD)     600     990    1,870

その他 (AUD)          410     740     1,400       

Qantas Points で代えると  78,000   155,000      285,000(世界共通)

 

単純に会費は最近値上げされ、即日実施はしなかったということのようです。なお特典はカードを提示して受けることになりますが、カード再発行手数料は 10 AUD です。

 

カンタスクラブの特典

特典

(1) 低いキャビンクラスでもチェックイン時の優待

(2) エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス利用時の預入荷物制限の緩和

(3) 国内線利用時、Qantas Points 利用によるアップグレード(Y→C)

(4) 空席待ちと空港でのスタンドバイでの優先扱い

(5) カンタスクラブ、カンタス国際線ビジネスラウンジ、カンタス地域ラウンジの利用

(6) パートナーおよび提携各社の世界中のラウンジ利用

(7) ゲスト用ラウンジ年間パスを購入することができます。

(8) カンタスクラブ入会、継続への支払い 1 AUD あたり 3 Qantas Points が得られます。

(9) カンタスクラブ会員は Frequent Flyer の入会金が免除されます。

(10) 通常選択するオプションは、利用毎に指定する必要がなく、自動的に対応

(11) 会員優待電話の設置

 

というところです。

 (6) のラウンジは、アメリカン航空利用時に American Airlines Admirals Club が利用できます。ドバイでは QF のフライト番号が入った搭乗券で出発する場合、Emirates Business Lounge が利用できます。ロンドンヒースローでは、QF のフライト番号が入ったエコノミークラスで出発する場合、the Qantas London Lounge が利用できます。カンタス国際線とアラスカ航空のフライトが接続する時、ロサンゼルス、シアトル、アンカレッジ、ポートランドの Alaska Club Lounge が利用できます。

 さらにカンタスが発着する国際空港では、あらゆる提携会社のラウンジが利用できます。ただし上記の航空会社が運営しているラウンジがない場合に限ります。

 

なおラウンジ利用にあたっては、その日、その後同じ旅程のゲストを一名同伴することができます。

 

なおカンタスが展開するラウンジの一覧は以下の通り。

カンタスの空港ラウンジ

 

ラウンジアクセスも参照のこと。Frequent Flyer の上級会員との違いは、ワンワールドのフライトを利用する時にラウンジが使えないこと、エミレーツのフライトを利用する時にカンタスのラウンジが使えないことでしょう。

 

(9) については、説明が必要です。Frequent Flyer はカンタスマイレージプログラムですが、オーストラリアとニュージーランドの住民は参加費が必要です。それぞれ通常、89.50 AUD、50.00 NZD です。これが免除されるという特典です。ちなみにこれらの国以外の居住者については Frequent Flyer は無料です。

 

カンタスアプリ

サイトではカンタスアプリについて、機能と特典の関係を特に詳細に解説しています。会員になるとアプリの機能が格段に増えるという設計なのかもしれません。

 

JGCSFC に会員が期待する特典は、優先搭乗を除き、カンタスクラブでも網羅されているのではないでしょうか。

 JGCSFC に入会するために無意味な修行をするなら、50万円程度の費用が必要ですが、カンタスクラブへの入会は 8 ~ 9千円ぐらい。維持費用は JGC の高額なクレカ年会費程度。(クレカの機能~決済代行、旅行保険など~はもちろんカンタスクラブになし)国内線中心の JGCSFC 会員には、特典は同程度に見えるかもしれませんが、カンタスのラウンジは内容が充実しています。日本在住でオーストラリアに良く行く非JGCには、役立ちそうな有償サービスです。