2020年からのパンデミックで国際線航空旅客輸送は壊滅し、どの航空会社も一時的に事業を縮小しました。まだ影響は続いています。社会変化から斜陽産業となっているわけではなく、そのうち復活すると見込まれるので、各社ともリストラの良い機会になったということもできます。
日本の空港で最も影響を受けたのは成田でしょう。しかしこの空港の場合、路線を羽田へ移管して LCC を充実させる方向で遷移が進んでいました。パンデミックの影響が出る前にリストラが進行していたのです。カンタスラウンジとほぼ同時期に永久閉鎖になったアメリカン航空アドミラルズクラブ。ここが何とキャセイパシフィックのラウンジに生まれ変わりました。
アクセスは第 2ターミナル本館出発コンコースから一階降ります。中華航空のラウンジと同じ一角で、エスカレーターを降りて正面です。
アメリカンのラウンジの内装をできる限り利用して、コストを抑えたようです。UAにしろ、AAにしろ成田のラウンジはまずまずの内装だったので、それを利用するのは理にかなっています。
入って右手すぐに「餌場」があります。今のところキャセイらしさを感じる食物はありませんが、品ぞろえは十分。
サービスを行う業者がアメリカンの時代と変わっていないのかもしれません。粥や和朝食は普通に用意されています。第一ターミナルのUAのラウンジよりは質量ともに充実しています。さすが中華系。
アイランド状の食物置場に対して、壁側に飲料が集積しています。アルコールという気分ではなかったので、あまり良く見ていません。
この「餌場」より入口受付に近い場所が食堂となっています。
ラウンジ利用者は所かまわず陣取って食い散らかすのが普通なので、食事に適した家具を集めた配慮は無視されます。
「餌場」に隣接する別の区画は、ホテルのバーのような家具構成。ただし高密度ですね。
区画を分ける壁は、角材を組合せるだけ。それにより採光を確保します。「餌場」は照明で明るく、この「バー」コーナーは天然光だけでやや暗くなっています。これは狙ったものと思われます。
メインホールから「バー」コーナー側を向くとこんな感じ。ソファーの裏が通路のようになっており、その区画にもイスとテーブルが配置され、さらに向こう側が「バー」コーナーです。
メインホールも適当に低い「壁」が配置され、変化に富んでいます。
何箇所か花が生けてあるようなオブジェがあります。すべて造花です。さすがにその辺はチープ。
ラウンジ最深部はこんな感じになっています。
何を意味するのでしょう。
マガジンラックは3つあり、それぞれに一種類ずつ雑誌が置いてあります。香港のファッション、香港のレストラン・バー、そしてBusiness Traveller でした。
私に読める雑誌は Business Traveller だけ。
仕事をするゾーンもあります。
日本人が空港ラウンジを使うと窓際に集まりがちですが、このラウンジでもその傾向があります。ただしここは現在のところ非常に空いています。キャセイが成田便を増やすともう少し賑やかになることでしょう。
アメリカン時代、このラウンジに象徴的だったディスプレイがそのまま残っています。
アメリカン航空は日本で人気が高く、閉鎖前の成田のラウンジについても多くのブログ記事を見つけることができます。
想像以上にいい!成田空港アメリカン航空ラウンジ「アドミラルズクラブ」レビュー。 | すけすけのマイル乞食
成田空港 アメリカン航空のラウンジ(アドミラルズクラブ)はオススメできる?サクララウンジと比較してどう? | 陸マイラー始めるなら『マイルの錬金術師』
【閉鎖】成田空港アメリカン航空ラウンジ「アドミラルズクラブ」レビュー – とりあえずバンクーバー。
これらの記事に掲載されたラウンジ内部の写真を見ると、キャセイは内装のかなりの部分をそのまま利用していることが分かります。中華色、キャセイ色が弱いラウンジです。しかし以前のターミナル 2 のキャセイラウンジと比べると、格段に良くなっています。
成田は施設閉鎖のニュースばかり続きましたが、久々の大型施設のオープン。ワンワールドのサファイア、エメラルド会員は利用できます。サクララウンジ一択だったところに選択肢が加わりました。