PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

AF293:HND-CDG ビジネス

 

長らくエールフランスの東京便は昼便と夜便のダブルデイリーが基本です。成田と羽田の内際分離時代には、NRT と CDG の発着制限時間の問題から成田発パリ着の夜便は14時間以上必要でした。ちょうど今の北極回りと同程度のフライト時間。

 現在それらは羽田発になっており、昼便が AF163、夜便が AF293です。需要にきめ細かく対応し、運休は茶飯事です。今回は予約していた AF163 の運休が、半年以上前に伝えられ、その日の夜の AF293 に変わりました。

 

時は GW。羽田の第3ターミナルは夜更けにもかかわらず非常に混雑しています。しかしスカイプライオリティと顔認証のおかげで出国手続きまでたちまち終了。拍子抜けしました。

 

コンコースで新顔を発見。流行りの怪しいスイスブランドの出店です。銀座ではチョコレートを売っていますが、羽田ではチーズでも作っているのでしょうか。その日はすでに閉店していたので確認できませんでした。

 

エールフランスの地上オペレーションは、スイスポートが行います。あまり慣れているとは言えません。

 

機材は B777‐300です。豪華な方のファーストクラスシートが搭載される機材です。すっかり定着、当たり前になったエールフランスの繭型ビジネスクラス。特別設計が過ぎたのか、このシートはポルシェ911が買える価格になりました。細かいところまで配慮が行き届いています。

ヘリンボーン型シートに窓2つは標準的。Champagne は JAL ラウンジでもおなじみの Joseph Perrier のはず。

使い捨てスリッパに加え、マスクがいまだに供給されます。どこかの航空当局が着用推奨とのこと。しかし着用する客はほとんどいません。機内は非常に乾燥します。COVIDとは関係なく、肌や咽喉のために着用した方がよいのです。

 

窓の外は見慣れたマーク。機材は向こうの方が新しくて優秀。

 

安全のビデオは機内を舞台とせず、いろいろな場所で撮影するのが流行ですが、飽きやすくなったと思いませんか。

 

機内食メニューも確認。最近メインで野菜料理(ベジタリアンではなく、野菜の占める割合が大きい料理)が選択できるようになったエールフランス

野菜は普通 garniture(= 付け合わせ)の位置づけなので、この取り組みは非伝統的、奇抜な感じがします。

 

ワインはこちら。ラベルから判断すると実質本位の地味なセレクション。中東系航空会社のように「名前だけ」とは真逆の路線です。

 

スケジュールでは 22:10 出発でしたが、45分ほどゲートで停機していました。到着地の管制の都合だったようです。客室乗務員のうち 3名が日本人との案内がありました。ビジネスクラス担当は一人で、ご本人からは長々と挨拶(というか会話)がありました。別の列(3K の方)の担当とのことでした。到着前に同じような挨拶があるまで顔を見なかったので、事実はわかりません。

 

もう夜も遅いので、離陸後すぐに機内食を準備していることが分かります。エールフランス長距離便では厨房の匂いが漂ってくるのが恒例。

 

出発の遅れのため、「夕食」の開始は日付が変わってからになりました。

ワインは Saint-Véran にしました。柔らかく、派手さはないワイン。Albert Bichot らしいラベル通りの穏やかな味わいです。バターは最近の定番 Isgny のもの。フランスらしい優秀なバター。

 

メインは平凡に牛ひれ肉にしました。tournedos なので bien cuit で申し分ありません。 しっかり分量があります。

内容物が容器の片側に寄っているのは、配膳で不都合があったに違いありません。なおワインは Pauillac。肉質そのものを味わう料理なので、Minervois でもよかったはず。

 ビジネスの機内食はオーソドックスで地味な感じがします。エールフランスではエコノミークラスで特別注文できる美食機内食が面白いのです。15~30 € 程度の追加料金がかかりますが、価値があると思います。

 

お楽しみのチーズ。

これは配膳の通りに撮影しています。ゆっくり味わっていたら、せかされるような視線を感じたので、それ以降は急いで平らげました。

 

最後はデザート。お茶を頼みました。ホットドリンクには大した工夫はありません。

フルーツは美食を標ぼうするには平凡すぎ。東南アジアと比べると圧倒的に不利な欧州勢。かと言って「森のフルーツ」系は、地味で出せないことでしょう。

 

機内食も含めて、のんびりしていたら3時間ほど経過。映画も一つ終わってしまいます。日本時間の2時ごろですが、窓の外は朝のようです。

カムチャッカ半島の東側を飛んでいます。もう寝ます。

 

4時間も寝ると目が覚めます。日本時間でも朝6時過ぎですから、自然な話。場所はすでに北極海

このフライトは寝ている間に昼間になり、客室乗務員が窓のウインドウを閉めて回ります。その後夕方になり、再び夜。そして着陸に向けて降下する最中は夜が明けます。夜出発の朝到着なのですが、その間に一昼夜を経るのです。一度沈んだ太陽が再度現れる現象が大掛かりに起きるのでしょうか。面白いフライトです。

 

それはともかく、水とトマトジュースをもらってしばし過ごし、また3時間ほど寝ます。寝ることこそ正義、伝統のエールフランス夜便。

 

追加で 3時間の朝寝したおかげで、すでにヨーロッパらしいところまで到達しています。

現在の世界状況が定着するなら、Icelandair が日本に就航し、フィンエアを脅かすだろうと縁起でもないことを考えてしまいました。とにかくこの北極回りはフライト時間が長く感じます。

 

窓の外。

 

朝食は到着の1時間40分ぐらい前です。オムレツベーコンという「クラシック」なメインの他、野菜中心の軽い皿も選択できます。

 

さっさと平らげたら、残りの時間、特筆するべきことなど起こるはずはありません。

 

Crépuscule なのか aube なのか、dusk なのか dawn なのか分かりませんが、窓の外の爽快さは続きます。

 

しかしイルドフランスの田園風景が識別できるほど高度が下がると、はっきりしない光になります。

この天気は仕方ありませんね。

 

到着は巨大ターミナル 2E のはずですが、サテライト L であることが告げられます。K と L は徒歩でターミナル 2A~F に移動可能。

 

うんざりするほど大きい 2E のサテライト K を横切ります。

 

そして 2E のサテライト L に到着。お隣は最近見ていないエチオピア航空でした。