PECHEDENFERのブログ

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BA ライフタイム・ゴールドメンバーシップの10周年

 

ブリティッシュエアウェイズの会員プログラム、エグゼクティブクラブは、2013年9月にライフタイム・ゴールド会員資格を新設しました。公表されたのは 9月9日だと推測されます。

10周年

当時書かれたブログ記事は、今でも読むことができます。

BA Introduces Lifetime Gold For Executive Club Members – London Air Travel

British Airways introduces Lifetime Gold status

British Airways introduces lifetime Executive Club Gold status - One Mile at a Time

British Airways Executive Club Introduces Lifetime Gold Status - LoyaltyLobby

British Airways Introduces Lifetime Elite Status, Leaves Lifetime bmi Elites in the Cold - View from the Wing

多くの人に衝撃をもって迎えられたようです。ライフタイム会員資格は今ほど一般的ではなく、ワンワールド(1999年開始)のエメラルド資格については、もしかすると初めてだったかもしれません。

 当時、この種の会員資格に関心がある人達は、アメリカン航空アドバンテージのプラチナ会員(ワンワールドサファイア会員)を狙って、ワンワールドの搭乗実績をアドバンテージに集中していたようです。ライフタイム会員の基準は 2,000,000 マイルでした。ただし

・クレジットカード利用マイルが積算される

・購入マイルが積算される

ということで、比較的簡単に到達できたようです。例えば JAL で国際線、国内線を合算して搭乗実距離を記録、クレジットカード利用のマイルも記録するとなれば、亀タグ到達の難易度は半分ぐらいになることでしょう。アメリカは国内線の距離が大きいので、2,000,000 マイルといっても、JAL 黒亀タグを得るよりかなり楽だっただろうと想像されます。

 

達成者が多くなりすぎたためか、アメリカンはライフタイム・プラチナ到達基準を変えてしまいました。そしてライフタイム・プラチナプロは出る気配がありません。上記の記事の中には、(まだアメリカンでライフタイム・プラチナが未達なので、)悔しいけれど様子見せざる得ないという当時の感覚を伝えるものもあります。

 

ライフタイム資格の適正基準

1年間有効であるゴールド会員資格を得るためには、前年1年間の搭乗により 1,500 TP を積算しなければなりません。ライフタイム・ゴールドの基準は、総計 35,000 TP ですから、ゴールド会員23.33年分です。BA が TP を導入したのが1991年なので、2013年まで連続してゴールド会員を続けている客層を想定し、キリの良い数字で制度化したものと思われます。毎年1,500 TP ちょうどということはないので、最初からゴールドを連続している会員は、ほとんどがこの時点で生涯会員として迎えられたはずです。

 長年会員を続けたら、以降は会費を払わなくても永年会員にしますよという団体は洋の東西を問わずあります。そんな発想に近いものがあります。

 

後年ワンワールドでエメラルド会員レベルのライフタイム・メンバーシップを新設する会社では、ずっと厳しい基準が適用されています。フィンエア、カンタスではそれぞれプラチナ会員資格基準の38年分、63年分の搭乗が要求されます。ちょっと想像がつきません。一方、ワンワールド以外に目を向けると、ルフトハンザではこの数字は21年となり、エールフランスSAS は10年です。ただし前者は搭乗する会社に制限があり、後者は連続していなければなりません。

エグゼクティブクラブ・ライフタイムシルバーは?

フィンエアもカンタスワンワールドサファイア会員レベルのライフタイム資格を持ちます。BAにはエメラルド会員レベルしかありません。そういうことから、BA エグゼクティブクラブのライフタイム・シルバー会員も出現するのではないかという期待が一部に見られます。

 

ただこれはライフタイム・ゴールド会員資格基準の改悪と同時に行われそうな気がします。

 一般にプログラムを改悪する時、「これは良い改革だ」と無理な理屈をつけます。改悪に関連して顧客に有利な施策が同時実施されるなら、この説明はかなり容易になるからです。そして改悪の必要性は年々増すと言うのが一般的傾向。つまりライフタイム・ゴールド会員基準の改悪が必要となった時が、ライフタイム・シルバー会員の導入のチャンス。

 

例えば、

・24,000 TP でライフタイム・シルバー

・60,000 TP でライフタイム・ゴールド

と言う基準への変更ならあってもおかしくありません。AY, QF の数字を参考にこのぐらいの基準に落ち着くことでしょう。一方、ライフタイム・シルバーは設けない方針なのかもしれません。ゴールド会員の継続に飽きが来ないよう、ぶら下げるニンジンはこれで十分でしょうという発想です。

 

ライフタイムとは

なお、ライフタイムは会員の寿命ではなく、BAの寿命を意味するのかもしれないと警告を発する方もいらっしゃいます。

Does British Airways offer lifetime status?

これは筋が通った理屈であり、起こりうることです。一生ものという言い方は正しいのですが、使えるうちに使うのはマイルと同じだと考えた方が良さそうです。