PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ライフタイムメンバーシップの基準も比較可能

 

BA 会員レベルの位置

BA はワンワールドなのでその会員には、ワンワールド共通の会員レベルが対応します。BA のプログラムの特徴としては、ゴールド会員(ow Emerald会員)とシルバー会員(ow Sapphier会員)に要求される基準の差が大きいことがあげられます。早くから(1991年から) ティアポイントを導入したため、他社とは比較困難な側面があり、BAは

 

ゴールド会員に過大な搭乗を要求しているのか、シルバー会員に過小な搭乗を要求しているのか

 

判断できませんでした。直前記事に書いたように、大西洋 JV で AA Concierge Key 会員に BA GGL 会員が相当すると両社が判断したことを根拠とし、シルバー会員に要求される搭乗水準が他社比で低いと考えた方が良いことが分かりました。

 なんのことはない、各社横並びで

 

300,000 mile級, 150,000 mile級, 100,000 mile級, 50,000 miles級, 25000~30000 mile級

 

に会員レベルを持ちます。会社によっては欠ける箇所があります。

 

ライフタイム資格の比較も見通しよく

ライフタイム会員資格を設定する航空会社が増えています。アメリカの大手三社の基準は基本的に搭乗距離の総和です。欧州各社はアメリカに遅れて制度を採用した結果、tier points, status credits などと呼ばれる資格ポイントの総和が基本となっています。そのままでは比較が困難です。

 

本記事では前の記事にならって、エメラルド会員に要求される搭乗基準を年間100,000 として各社の会員レベルを平準化し、それぞれのプログラム内での必要ポイントを換算、ライフタイム資格についても比較一覧表を作りました。

 

各社のライフタイム資格については2020年12月に特集しました。

https://pechedenfer.hatenablog.com/entry/2020/12/25/000000

から各記事にアクセスできます。

 

さてライフタイム資格の比較表は以下の通り。UA, DL, AA の北米3社は基準をそのまま示したもので、BA, LH, AFQF が今回換算したものです。

空欄は該当する会員資格は存在するが、ライフタイム資格の対象となっていない場合、塗りつぶしは該当する会員資格がない場合です。会員の名称もついでに一覧表にしました。

(Miles & More のFFは50Kマイルが要求されるもののスターアライアンスシルバーです。)

実際には会員資格を10年連続保持とか、会員資格を10回以上保持した経歴とか、自社搭乗のみが対象だとか様々な条件が付随します。数値だけでは難易度は判断できません。搭乗者がおかれた条件にも大きく依存します。しかし 6,000,000 mile の搭乗が大変なことは明らかなので、一覧を作る意味はあります。

 

ow サファイア会員、Sa ゴールド会員、St エリートプラス会員レベルでのライフタイム資格では、UA の 1,000,000 が目を惹きます。(ただし UA の搭乗だけ積算。)

 ow エメラルドレベルでは AF の 1,000,000 が数値的には圧倒的に優れています。(正確にはプラチナ会員10年連続が条件。)次は LH の 2,100,000。(ただし Senator 会員以上を10年以上経ている必要あり。)日本では目指していると公言する方が多い BA が 2,400,000 です。

 それ以上の会員レベルでは、UA の 1K が 3,000,000、UA の Global Services が 4,000,000、BA の GGL が 6,700,000 です。

 

スカイチームのエリート会員は、ow ルビー、Sa シルバーに比べて格段に待遇が良く、一般にアメリカ国内線利用の場合、米系会社の会員資格ではラウンジ利用はできないことから、DL の ライフタイムシルバーの 1,000,000 も価値があると思います。

 

ついでに計算

JALANA は顧客プログラムの会員資格を永久化する制度がなく、こうした計算による比較はできません。あまり特典は多くないものの、JMB、AMC の会員資格とは独立したライフタイム資格を設けています。年会費が必要な JGC では JGC 5スターという資格があります。条件は国内線1,250回搭乗ですが、100,000 mile 級の資格であるダイヤモンド会員は年間120回の搭乗で維持されるので、1,100,000 に相当します。ミリオンマイラーです。その上に国内線2,250回搭乗で得られる資格も最近できましたが、これだとダイヤモンド会員19年分の搭乗に匹敵し、1,900,000。2ミリオンマイラーですね。

 

スイートスポットは要注意

資格ポイント制の特徴ですが、高いキャビンクラスばかり搭乗すると、素早くライフタイム資格が得られます。例えば毎日羽田-伊丹を JAL ファーストクラスで往復すると、292日でライフタイムゴールドになります。実飛行総距離はたった 163,520 mile。年間16万マイルの搭乗は多い方ですが、これで240万マイル級の資格が得られるのですから、楽と言えば楽です。

 

BA の効率がよいのは、JAL 国内線がほどほどに高価格で、BA の要求するビジネスクラス、ファーストクラスになること、それに加えて高頻度、短時間でフライトが完結するためです。日本在住者の特権です。

 

 

プログラムのクセはライフタイム資格の場合、かなり強く影響します。到達には10年単位の時間がかかる一方、途中で中断すると損失が大きいという特徴があります。やっかいなのは、どんな会員プログラムも変更、調整が極めて多いこと。エーゲ航空がまだゴールド会員の資格に期限を設定していなかった頃、ANA 国内線の搭乗は各種割引でも100%でした。今はほとんどの運賃区分で50%です。

 日本の BA 会員の命綱となるJAL国内線によるティアポイントの発生には、このブログ開設以来、大きな変更はありません。しかし Avios に関してはかなり改悪が進んでいます。日本国内の会員が少ない時代は、JAL 国内線特典航空券に片道 4,500 Avios が必要とされました。それが特例化と再度の値上げを経て、今では片道 7,500 Avios となり、旨味はなくなりました。JAL 国内線の搭乗による BA の 100%ティアボーナスも廃止されました。

 BA や JAL は BA の会員動向をよく追跡しているのです。JAL国内線利用での BA のティアポイントが小さくなる可能性はいつでもあります。

 

ライフタイム資格は目的に据えて懸命になるより、長期間しつこく使っていたら、いつのまにか到達したという形が良い気がします。