飛行機への搭乗が妙に多い人たちがいます。航空会社にとっては良い客で、そうした客は会員ランクを上げて処遇します。するとその顧客は、一見客と同じ航空券を買っても手厚いサービスを受けられます。
界隈にはこうした特別サービスが常態になっている者が集まっています。そのため世間からかけ離れた考え方を披露する者がしばしば現れます。そしてその素因、背景、言動は、受けている会員サービスと相関します。この記事では、その相関をまとめてみました。
何となく感じている印象をつづっただけです。真偽に関しては、当たるも八卦当たらぬも八卦というレベルにすら達しません。客観データに基づかないばかりか、そういう方向を指向する訳ではありません。先入観と偏見を並べただけと言っても構わない記事です。
JAL と ANA が仕切るプレミアムクレジットカード。入会時に JAL、ANA のマイレージプログラムでサファイア以上、プラチナ以上の会員ランクである必要があります。
年会費は多少高くてもJAL または ANA を利用する限り、充実したサービスが受けられます。そのため人気が高いのはよく知られるとおり。一般に
・ラウンジ利用、追加手荷物、優先扱いなど付帯サービスを思い切り活用すれば、年会費プレミアム分をペイすることは現実的。(海外の同種の有料サブスクリプションはさらに高い)
・JGC、SFC 共に会員になっており、片方ばかり利用する人も多い(この場合一方のクレジットカードの年会費は大きな部分が無駄。)
・界隈ではこれらのサービス会員は、そのサービスを話題にしない傾向がある(=当たり前すぎて有難みを忘れている?)
JGC、SFC 会員は上位の会員サービスを受けていない限り、常識人であることが多いのです。複雑な航空会社のサービスに慣れる必要もなく、勘違いと思われる発言も時々混ざります。
このレベルの会員サービスを毎年受けるようだと、常識が一般旅客から乖離するように思われます。これら会員の特徴は
・航空券を安く買うことに情熱を注いでいる
・JAL💎は SFC 会員、ANA💎は JGC会員であることが普通
・自他に関わらず、前項を意外だとは思わない
・💎会員でない会社のクレジットカード年会費を無駄にしていることが多い
JAL💎、ANA💎の二重会員を俗に紫ダイヤと呼びますが、必要な搭乗量の割には該当者は少ない気がします。JAL、ANA の片方を偏愛する人が多いためだと考えられます。逆に JAL または ANA を理屈抜きに好きにならないと、💎会員にも達しないのかもしれません。こうした背景のためか、紫ダイヤの相乗効果はほとんどなく、1+1 は 1+1 のままのようです。
150 K ダイヤモンド会員 (JAL150 K💎、ANA150K💎)
JAL は来年からのサービス。前身となるメタル会員は招待制でした。
これらの会員サービスを受けるためには、共に💎会員基準の1.5倍の搭乗が必要で、加えて自社搭乗のみという制限が加わります。会員種別は💎ですが、特典は少し良くなります。比較的新しい会員分類で該当者は多くありません。専用の会員証や荷物札に憧れたり、「会員ランクが最上」という点に価値を感じる JAL💎、ANA💎が一定数おり、それらの方々の目標・目安になっている気がします。
私が密かに期待しているのは、紫150 K💎会員の出現。今年の搭乗実績が到達の可否を決めますが、どのぐらい生まれるでしょうか。
海外航空会社の会員サービス
外国の会社の会員として、中位~上位の会員サービスを受けるような方々は、次の素因を持つようです。
(素因a) 興味の幅が広く、様々なサービス体験を求めがち
(素因b) JAL、ANA のサービスは居心地が悪い(=日本的サービスへの適応障害)
(素因c)「人と同じ」はつまらないと考えがちな天邪鬼気質
(素因d) ある国の文化、風習、言語に慢性的な影響を受けているか、単にかぶれている
(素因e) 先入観を排除、冷徹に計算して自分に最も得なサービスを世界中から選んだ
(素因e) だけが働く合理派は少数。特に今日では稀。他の 4素因の相関は高いのですが、界隈では (素因b) 適応障害と (素因c) 天邪鬼が広く見られ、他の素因がそこに加わります。
しかし次の2つのタイプ
・一社の会員サービスは 1、2 年だけ体験
・同じ会員サービスを継続して毎年受ける
は大きく違います。 (素因a) は前者タイプで、(素因d) は後者タイプで強く働きます。
外国の会員サービスを受ける方は、国際線搭乗が増えがちです。また数は少なく、多様かつ興味深い体験談が聞けます。当該航空会社の「会員サービスに関する知識は日本でも有数」という方は珍しくありませんが、そんな知識を必要とする人は日本にほとんどいません。
ライフタイム会員サービス
同じ航空会社に長期に渡り、多頻度搭乗するとライフタイム会員資格が得られることがあります。そこには特別な会員サービスが用意されています。
例えば JAL の JGC 会員には JAL 国内線 1,250 回または JAL 国際線 1,000,000 マイルの有償搭乗を超えるとファイブスター会員。JAL 国内線 2,250 回または、JAL 国際線 2,000,000 マイルの有償搭乗にも名無しの会員資格が設けられています。(これらのシステムは今年で終了。来年初にプログラムは刷新されます。)ANA の場合、ANA 搭乗1,000,000 マイルと 2,000,000 マイルの2つの閾値で恒久的な会員サービスが用意されています。
それぞれ JAL の方が達成が難しいはず (で年会費も必要)。ファイブスターでも欧米出張族 JAL💎なら15年前後、国内出張族 JAL💎なら20年前後、💎である必要があります。払い込んだクレジットカード年会費の総計も気になるかもしれませんが、航空券費用の総和に比べれば微々たるものです。
ライフタイム会員サービスを受ける方々は昔話が多くなります。さらに現状に対する愚痴が混ざりがちです。分かりますね。一般社会で言う老化です。
海外航空会社の場合、ある会員サービスを受けるための搭乗実績がそれ以降不要になるシステムです。ただしそこに至るには20~60年間もその会員資格を維持出来る搭乗が必要です。精神の老化はもっと深刻になりそうですね。
ライフタイム会員の話は面白くないというのが私の実感です。会員サービスのあれこれ、会員資格を得るためのコツや苦労話は、年月が浅い人達に聞きましょう。
最後に
頻繁に搭乗する者、単なる旅行好き、仕事柄これらのシステムに強い関心を持つ者などがソーシャルメディアで情報交換をしています。この界隈でボリュームが大きく感じられるのは、JAL または ANA の一方で💎会員、それに重ねて JGC、SFC 両方のサービスを受けるパターンです。いわば界隈スタンダード。このパターンの方々の発想や行動は、最もバランスが取れているように感じられます。
もちろん界隈の常識は、たいてい一般社会の常識とかけ離れています。「特定集団中の多数派のバランス感覚は当てにならない」というホモサピエンスに関する一般則の良い例を提供し続けています。