PECHEDENFERのブログ

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KE ライフタイム・スカイチームエリートプラスメンバーシップへの道

大韓航空の会員プログラム SKYPASS のメンバーシップは、次の三つの点で特殊です。

・搭乗実績の積算期間はありません。(普通 1年または 2年毎)

・下から2つ目の会員ティアは、ライフタイム・メンバーシップです。

SkyTeam Elite Plus に該当する会員ティアは、ライフタイム・メンバーシップです。

ソウル経由でどこかに行く日本人はとても多いので、特集で取り上げない理由はありません。しかも基準はハーフミリオンですから、大雑把に言って他社の半分。とても身近なライフタイム・メンバーシップです。

 

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基準

達成が容易な方のティアは、Morning Calm Premium Club で

大韓航空または SkyTeam 加盟会社を 50 万マイル以上利用すること

です。これはライフタイム・メンバーシップであり、SkyTeam Elite Plus です。これが他社に比べて著しく低いことは明らかです。例えば SkyTeam で一番大きな顔をしているデルタ航空では、SkyTeam Elite Plus 級の会員ティアはゴールド会員以上になり、ライフタイム・ゴールドになるためには、200万マイル必要です。SkyMiles の MQM の方が高い加算レートになるわけではないので、SKYPASS でのライフタイム・エリートプラスメンバーシップは SkyMiles の4分の1の手間に過ぎません。

 

来年 3月31日までの SKYPASS のマイル加算率。

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大韓航空もファースト、ビジネスクラスのレートを上げ、格安エコノミーのレートを下げます。他社はもっと抜本的な改革を行っているのに対し、レートの調整をやっているようでは10年ほど遅れています。これは客にとって、非常に有利なプログラムであることを意味します。

 来年 4月 1日からの積算表。

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一方でこれらの搭乗を SkyMiles に加算すると、

R, F, P 100%、J, C, D, I, Z: 100%、Y, W, B: 100%、M, S, H: 75%、E, K: 50%

ですから、どの予約クラスをとっても SKYPASS につけた方がレートは良くなります*。これはデルタの日本支社にとって、もう一つの頭の痛い問題になっていそうな気がします。

*:4月以降、Z (アップグレード後のビジネスクラス)は SkyMiles の方が良くなる可能性があります。

なお SKYPASS にはこの上に Million Miler Club という会員ティアがあり、これは基準が100万マイルになります。これもライフタイム・メンバーシップです。

 

どのぐらい大変か

SKYPASS のライフタイム・メンバーシップには、年ごとに更新する会員ティアが対応しないので、他社で計算した「会員ティアを永続化するために何年必要か」という評価はできません。

 

本拠地のソウル・仁川が日本の近所。一時期、日本人のハブとまで言われていたことを思うと多様な利用ができるはずです。

 

(1) HND-GMP 格安エコノミー ( T ) 往復 1,320回。普通に安い切符を買って韓国旅行だと、さすがにそれなりの搭乗回数が必要となります。国内線並みの距離とはいえ、立派な国際線なのでフライト当たりの所要時間はずいぶんかかります。もう少し効率よく予約クラスを K ぐらいにすれば、この3分の1で済みます。440往復が必要ですが、焼肉、垢すり、整形、韓流スター、その他を目的に、週末はソウルで過ごすという方なら8年程度で達成。

 

(2) ICN 経由 NRT-LHR 格安エコノミ-(K)往復 54回。毎月ロンドンへ行くのにそこそこ安くて、時間も長くならないルート。4年半でライフタイム・エリートプラスなら楽勝。年4回なら14年。カプサイシン過多+塩化ナトリウム過多な料理がお好みなら、このルートはむしろおすすめになります。

 

(3) ICN経由 NRT-JFK 格安プレステージクラス (D) 往復 23回。やはり世界を股にかけたビジネスを考えましょう。毎月往復で2年。ライフタイムのメンバーシップとしては異例と言ってよいほど楽勝のパターン。会社が経費にうるさい場合、I, R の 125 %になるかもしれませんが、それでも 27往復で済みます。

 

(4) ICN経由 NRT-LHR 格安ファーストクラス (F) 往復 16回。これを行うなら、2021年 4月以降です。加算率が大幅にアップします。ゴールが他社の4分の1の距離にあり、航空券も安いので、どうせだったらゴージャスに短期間で終わらせましょう。毎月往復で1年4カ月。ゴージャスと言っても、ナッツが袋のまま出るいわくつきのファーストクラス。「いわくつき」なんて、もはや観光資源。いろいろな意味で楽しい「修行」になりそうです。

 

他社プログラムでの搭乗シミュレーションと比べると、50万マイルがいかに楽なことがよくわかります。何が何でもライフタイム・メンバーシップが欲しい方には、大韓航空のエリートプラス会員を狙うことになるでしょう。これは SkyTeam Elite Plus であり、大韓航空SkyTeam の創設メンバー。本格的なメンバーシップです。

 

なおどうでもよいことですが、SKYPASS のサイトにもマイル計算機はなく、一覧表があるのみでした。上記のレート表も使って、各自かけ算、足し算をやって下さいということ。マブハイマイルズと同じくアナログなのでした。

 

アシアナとの合併が話題になっていますが、会員ティアの仕組みはよく似ており、この点については合併の混乱は大きくならないと思います。また大韓航空が吸収する立場ですし、何と言ってもフラッグキャリア。安定しているはずです。