空の旅が壊滅寸前に達した2020年でしたが、まだ状況の終息は見えて来ません。個人としては 3月に SIN から帰国して以来、国際線に搭乗しておらず、8か月以上ご無沙汰。
生活激変に伴って精神状態は多少なりとも不安定に。こういう危機は、賢者の言葉を弄び克服しましょう。無知、無学な(と言うより大学で全く勉強せず、そのことがいかに恥であるか分かっていない)ジャーナリストが執拗に持ち上げ、困惑していた阪大文学部長も喜びます。
Keine Nacht dauert ewig.
では単純過ぎるので、
Il n'est si longue nuit qui n'atteigne l'aurore.
ぐらいにしておくと、無教養、無作法なメディアにおあつらえ向き。どうせ言いたいことは同じ。
心の平穏は取り戻せても、運航がどうなるかわからない 2021 については計画が立てられません。本当にいつ夜は明けるのでしょうか。
Un nouveau départ
今後可能なシナリオは以下の通り。しかし何をやっても中途半端になりそうな気配。
SFC 流後処理。状況がおそらく似ているだろう SFC 修行ブログに学びます。かつては解脱後にマイルを国際線特典航空券に換え、Y→PY のアップグレードを受け、ステータスの恩恵を噛みしめるのが一つの様式美でした。しかしこれは
le bon vieux temps.
残念ながら SFC ホルダーがこの特典を失なって幾年月。特権が縮小されるばかりの SFC は、未来の指針を与えるモデルになりません。ANAさん、テコ入れしてください。
狩猟民族流無反省ライフ。ひとつの狩場で獲り尽くしたら、別の狩場を開拓。人類が長い間行ってきた営み。ひとつの生涯ティアを得たら、他の生涯ティア攻略に取りかかります。しばらくネタが続きます。しかし体力、財力、情熱の持続力が問われます。ネタの鉱脈と言えども細々と長く掘るタイプなので、記事になるほどの密度の高い内容が得られるかどうかも疑問です。手を出せば、消耗だけが待っている予感がします。
ノマード定住化促進事業。今後は地に足がついた生活を心がけ、文明的なテーマで世界を探検します。陸マイラー、ポイ活、プラチャレ、ふるさと納税、株などです。
Necessity is the mother of invention.
倹約精神が新たな方法を開拓します。醜いのは、他人の発見・考察を利用するだけの者が起こすバカ騒ぎであって、いろいろ見つける人間は立派であることには変わりありません。しかし同一視しない識別能力と、開拓する能力は全く別です。
変化を嫌う老人流対応の否定。死ぬまで昨日と同じ生活を続けようとする懈怠。新しくない情報を元にしても、会員資格の更新はできます。そういう守りに入るのは自然ですが、パンデミックのせいで世界の変容は確実です。昨日の方法は先細り。変化の波に乗れば、成功しなくても「パラダイムシフトを云々、真のエリートがどうしたこうした」と話をこしらえることもできます。怪しげな人たちへの仲間入りできます。大きな欠点としては、パンデミック終息が見えるまでは変化は起きないので、しばらく待ちの状態になること。ブログは休業です。
選択肢が多い現代でも、結局は文化
BA、エグゼクティブクラブの利用をどうするかという点も考える必要があります。この会員プログラム、英語にも、英国の習慣にも、英国趣味にも親しんでいるが、仕事が日本にあるので日本がベースというような場合に価値が高くなります。
自分を分析すると、英国風なんて悪趣味の極みだとか、世界一貧弱な食習慣だとか公言するほど嫌いなわけではありません。かと言って、チップ・バティが突然食べたくなることはないし、ディナージャケットよりスモーキングの方がピンと来るし、親しんでいるとは言えません。英国とイギリスの区別もいい加減です。
BA に関していうと
・(往復同経路、乗継1回という典型的な国際線)航空券での最長距離
・初のフルフラットシート
・初のプレミアムエコノミー
・初の国際線ビジネスクラス
・初の片道発券
・初の海外発券
を経験しています。個人的には因縁深い会社です。しかしその程度といえばその程度。文化的な距離を縮める程ではありません。
スコッチ、シェリー、ポートやマティーニで夜の時間を過ごす自分の姿が想像できないあたりにハードルの高さを感じます。スタイルを無理に真似して、慣れない酒に酔った挙句、
Beauté de femme et bon vin réveillent de bon matin.
なんてうっかり口を滑らし、セクシスト認定されるのがオチでしょう。
L'habit ne fait pas le moine
と言うべきか、
♬ Wie dieser Stab in meiner Hand nie mehr sich schmückt mit frischem Grün, kann aus der Hölle heißem Brand Erlösung nimmer dir erblühn!
と言うべきか...。
無理なものは無理。根源の問題は、大陸の天国は島国の地獄 & v. v. が実に多いことです。
それで 会員ステータスのステータスは
BA アカウントステータスがどうなっているのかよくよく観察してみると、GGL が更新できていません。このまま会員資格延長期間に突入です。
BA は 2020年 6月に全会員ティアを 1年延長し、次回更新に必要な TP をいつもの75%にするとアナウンスしています。未更新の Pechedenfer の場合、2021年 1月以降、1年間のうちに BA か IB を 4搭乗を含む 2,250 TP を積算すれば、2023年 2月まで GGL 会員というわけです。平エメラルドは正直言って寂しく、基準を下げる措置で奮い立ちもしますが、これは他の会員も同じ。
Always remember that you are absolutely unique just like everyone else.
上級会員は増えそうです。
大陸の FFP
エールフランスに関しては Silver 会員資格が1年間延長され、息をついています。せめて Gold に戻したいところですが、JAL で搭乗実績を作るのは癪。海外渡航ができるまでは塩漬けです。
フライングブルーは縁切りが難しいのですが、エーゲ航空の Gold 会員は続けられなくなる恐れがあります。ANA 国内線だけでも資格維持は可能です。このまま疫病の状況が変わらないと、そういう事態に追い込まれるかもしれません。すると SFC やダイアモンド修行僧と同じ行動をする羽目になります。彼らの世界がどんな感じなのか覗いてみたいのですが、知らなくてよい気もしますし、踏ん切りがつきません。
多数派の2020年と来年
日系の会員は、ええじゃないか騒動以来ではないの?という狂乱に巻き込まれた2020年。ANA は日本の航空会社として初めてプレミアムポイントを半年間 2倍に。JAL も追随して 1月遅れで FLY ON ポイントを半年間 2倍にしました。切羽詰まった航空会社による前代未聞のキャンペーン。
事実はどうだったのでしょう。パンデミックでも「修行2020:おすすめのルート」などと紋切り型の記事を見ました。千載一遇の機会を活かした方は大勢いたと思います。社会的なリスクをものともせず、航空会社が苦しい時に積極的に利用したのですから、ANA と JAL にはきっと感謝されていることでしょう。昔から言われる通り、
Qui ne fait pas quand il peut ne fait pas quand il veut.
ですから、できるとあらば思い切って、しかし慎重に事に当たるのはいつでも正解です。
幸い第4四半期には国内線の運航が、かなり復活しました。JGC, SFC, ダイヤモンド etc. などの追い込みができた方も多かったはずです。
そんなこんなで、2020年は大量の解脱同期生が生まれたはずです。SFC2020 や JGC2020 などの文字列を見ると親近感を覚える人は、良い年を選んだものです。
さらに来年 JAL では、継続のための FOP には高下駄を履かせてもらえるとのこと。狂乱はまだ続くようで羨ましい限り。
北米大手の FFP では、 2019年明けの会員ティアが維持できなくなった日本人会員が続々逃げ出すその時パンデミック勃発。上級会員制で大幅緩和が起きます。こういうのを歴史の皮肉と言います。ANA か JAL への移籍を取りやめた方が多いのではないでしょうか。多様性は保たれる方が、みんなにとって良い結果になります。北米の会社は、支払金額の基準を下げたままにして欲しいものです。
今はどの航空会社も顧客救済のために、大判振る舞いに踏み切っています。2年以上楽になる会員がほとんど。しかし思い出すべきは、
Der Weg zur Hölle ist mit guten Vorsätzen gepflastert.
ぬるま湯に慣れた身では、旅客需要回復後に来る改悪の嵐はショックが強過ぎ。頓死必至です。2021年の座右の銘は「嵐の前に逃げ切るべし」?