PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

1,700 番目の記事は ANA に捧げます

 

2014年 3月に開始したこのブログも、これで 1,700 記事。公表は総アクセス 3,600,000 突破に合わせたかったのですが、まだ10日ほどかかります。そんなに長く更新をさぼるのも気が引けます。また過去を振返り、総括を書くような気分でもないので、普通に記事をアップロードします。

 

JALANA どちらのダイヤが得か

ANAJAL では「ご搭乗が多いお客様」のラベルも似ており、一番上はダイヤモンド。来年度 JAL にも搭乗実績が 1.5倍のダイヤモンド会員が設定され、この会員が上下2ランクの構造(で基準となる数字も同じ)になることも両社で共通します。

 JALANA の比較は鉄板ネタであり、どちらのダイヤモンド会員の方が良いかという議論も大変好まれます。そして ANA の方がダイヤの価値が高いとか、ANA の会員ならダイヤまで行くべきとかそんな意見を多く聞きます。しかし個人的には、

国内線主体の場合は ANA ダイヤモンド、国際線主体の場合は JAL ダイヤモンド

が有利だろうと思います。JAL でも ANA でも大多数の会員は国内線を中心に搭乗し、関心のほとんどが日系2社へ向けられるので、外航の会員と意見が違うのは自然です。

 

世界の全就航地でフルセットのサービスを提供するよう拠点整備するのは非現実的。提携他社と共通、特に航空連合で共通する会員サービスが重要になります。例えば ANA は羽田、成田以外には、関西 (休業中) とホノルルにしかラウンジを持たず、他の就航地ではスターアライアンス加盟会社のサービス提供を受けるか、個別契約で提供するかです。スターアライアンスANA ダイヤモンド会員に匹敵する共通の会員レベルを持ちません。ダイヤモンド会員は SFC 会員と同じゴールド会員扱いになります。

 一方 JAL の加盟するワンワールドには、エメラルド会員という JAL ダイヤモンド会員に匹敵する共通の会員レベルが設定されます。JGC 会員レベルのサファイア会員よりサービスレベルは上がります。預入手荷物の扱いとか、各種ゲートでの優先扱いもエメラルド会員は一段上です。

 現地で個別に契約したとしてもサービスレベルを二段階設定するのは難しいので、どうしても ANA ダイヤモンドは JAL ダイヤモンドに比べ不利になります。

 

ANA ダイヤモンド会員が利用するラウンジ

羽田、成田、ホノルルで ANA はファーストクラス用ラウンジを設置、ダイヤモンド会員もそこに案内します。多くのダイヤモンド会員は、「SFC、プラチナ会員資格では入室不可でも自分は入れるラウンジ」が世界中にできないかと願うことでしょうが、COVID 以前は

(1) シンガポールチャンギ空港シンガポール航空が運営する SilverKris ラウンジ

(2) ニューヨーク JFK 空港、ブリティッシュエアウエイズが運営する First ラウンジ

(3) ロンドン LHR 空港、シンガポール航空が運営する SilverKris ラウンジ

しかありませんでした。(1) と (3) は、スターアライアンスゴールドが入場資格にならない SQ が提供するスターアライアンス各社ファーストクラス用ラウンジ。SQ ファーストクラス用 The Private Room は利用不可。(2) は BA の自社会員を含む、ワンワールドエメラルド会員用ラウンジ。BA ファーストクラス用Concorde Roomではありません

 

JAL ダイヤモンド会員なら、世界各地でサファイア入場不可、エメラルド入場可というラウンジ(多くはファーストクラス用ラウンジ)を利用できます。各空港を個別検証するまでもなく、ラウンジサービスは ANA ダイヤの方が貧弱です。つまり ANAJAL しか利用しない場合ですら、それが国際線なら上位サービスを受けられるのは JAL ダイヤ。ましてはそれぞれの航空連合の加盟会社に搭乗するなら、

ANAダイヤ(スターアライアンスゴールド)< JALダイヤ(ワンワールドエメラルド)

でサービス水準の違いは議論するまでもありません。

 

ANAは IAD でダイヤモンド会員にトルコ航空のラウンジ、SFC とプラチナ会員にルフトハンザのラウンジを案内していますが、前者はスターアライアンスゴールド会員資格で入場可能。プライオリティパスも利用できます。ファーストクラスラウンジはありません。

 

 

ANA ダイヤモンド会員への悪いニュース

SFC 会員に差を見せつける貴重な場だった JFK ターミナル 7 ですが、BA が引越し、Galleries Club Lounge, First Lounge, Concorde Room は消滅しました。ターミナル 7 には現在アラスカ航空のラウンジしかありません。

Full List of Airport Lounges at JFK International Airport [2023]

New York City JFK Airport Lounges (JFK) – Sleeping in Airports

そしてこのラウンジはワンワールドサファイア、エメラルド会員資格で入場可能。(約8,000円の支払いでも可能)ANAダイヤモンド会員のエクスクルーシブ性は失われたように見えました。

 ただし ANA のサイトによると、ターミナル 7 にはターミナル運営会社が所有するファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジが存在し、前者にダイヤモンド会員と ANA のファーストクラス客を案内しているそうです。

 

ターミナル 7 は ANAの他、N0, AS, AC, KU, FI, LO, SK が就航しています。ワンワールド (AS, QFが加盟) のサイトにも、スターアライアンス (AC, LO, SKが加盟) にもアラスカ航空ラウンジと(未更新の)BA ラウンジ以外のラウンジは見つかりません。

 ターミナル 7 で業者がファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジを運営していることは確認できませんでしたが、そうだったとしても相当コスト高になり、ANA 一社の利用では持続性がありません。JFK での ANA ダイヤモンド会員の現状は行ってみないと分かりませんが、将来に向けて楽観できる材料がありません。

 

ANA ダイヤモンド会員へニュース追加

そんな中、アイルランドのエアリンガスが JFK のターミナルを 5 から 7 に引越し、Concorde Room 跡地を使うというニュースが入ってきました。

Aer Lingus Moving To JFK Terminal 7, Using Former Concorde Room - One Mile at a Time

DUB, MAN, SNN へのフライト発着に使われるので、ある程度の旅客数です。エアリンガスはターミナル 5 でビジネスクラス客用ラウンジを運営しており、自社会員に利用させていました。またファーストクラスを持たない航空会社です。

 場所が Concorde Room 跡地とは言っても、エアリンガスがファーストクラスラウンジを設ける理由は全くないので通常の Aer Lingus Lounge に更新されることでしょう。

 

なお JFK では、ターミナル 7 自体 2026年の取り壊しが見込まれていますANA を含め利用各社は別のターミナルへ引越すことになります。JFK という世界中の耳目を集める空港で、ダイヤモンド会員を区別するサービスが ANA に展開できるとよいのですが、前途多難に見えます。