PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

コロナ後の世界:地味ながら見逃せない変化

現在9都道府県に緊急事態が宣言され、オリンピック開催への風当たりも強くなっています。が、このブログではオリンピックはどうでもよく、ワクチン接種が遅々として進まないことや緊急事態宣言の対象が9都道府県にも及ぶことの方が問題。あと Oktoberfest 中止も大問題。

 旅行に二の足を踏むことになり、消費は多古米、柏こかぶ、房州びわなど近隣のブランド農作物へ向かいます。何だか下総マダムのようになりそうだったので、駿河湾桜海老(乾物)も購入、バランスを取りました。

 

連続黒星の JAL

JAL と Qantas の日豪ジョイントベンチャーはオーストラリア当局が拒否することになりました。5月6日のことです。

豪競争当局、カンタスとJALの共同事業巡り認可拒否を仮決定 | ロイター

振り返るとコロナ禍のせいで、ANAと Virgin Australia の提携は開始直前に事実上崩壊しました。さらに Virgin Australia は破綻。競争相手の消滅が、今回の仮決定に大きく影響したことは間違いありません。

 

JALは、ハワイ航空との共同事業についても今年 3月、米国当局によって独占禁止法除外申請が却下されています。連続して国際 JV の企てが失敗してしまいました。マレーシア路線以来、白星がありません。

 日欧、日米、日馬ではそこそこ競争があるので JV も受け入れやすいのです。それに対し、JAL一強の日本―ハワイ路線の JV は市場を歪め、日本―豪州路線の JV は日本―大洋州の寡占を許してしまいそうです。素人にも当局の判断はバランスが取れているように見えます。

 

「新」路線

コロナ禍では、国際線は廃止なのか、休止なのか、運休した便が100%に近いのか、はっきりしません。そのため新規運航のニュースもとらえようがありません。しかし数少ない明るいニュースなので大歓迎です。

 Singapore 航空は 6月16日より、成田ーロサンゼルス線を週5で復活させます。

シンガポール航空、シンガポール~成田~ロサンゼルス線を6月16日再開 - トラベル Watch

SQ は成田を見捨てていなかったのでした。ロス、西海岸への旅行は「空飛ぶゴミ箱」がいやなら、日系の選択しかないという惨めな世界がコロナ後に出現する可能性は低くなりました。

 

他には Vistara が東京線を開設します。これは新規就航のはずです。週1回の運航でやはり 6月16日から。

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現在の状況が続くと、キャビンには数人、下手をするとゼロとなりそうですが、これは一時のこと。日本人客もインド好きは選択すると思います。この会社のハブはデリーなので、デリー便になったのはしかたありません。JAL も飛んでいるから、別の都市の方が存在価値が高いのですがね。今後の成り行き次第では、JAL Vistara の JV ですかね。

 

Vistara は SQ と Tata が作った会社。シンガポール航空 sama sama です。

 

ラウンジ利用の変化、主に拡大

航空会社の青息吐息ぶりが分かります。ラウンジ利用可能性は拡大しています。

 

ANA は日本の航空会社として初めて羽田と成田のラウンジにプライオリティパス(PP)を迎えました。

1,400記事:スターアライアンスゴールド継続 - バス代わりの飛行機

アメリカでも DTW、JFK、EWR、IAD の各 Lufthansa ラウンジが、利用時間帯を限って PP に開放されています。

Lufthansa Lounges In USA Join Priority Pass | One Mile at a Time

 

LH のラウンジに関しては、別の変化もあります。これまでも LH、OS、LX の利用時に限り、米国アメックスのプラチナ会員、センチュリオン会員は利用できたのですが、これは年度更新の契約。これが無期限になりました。

Amex Platinum makes Lufthansa lounge access benefit permanent

アメックスの会員にも、その他のラウンジ利用者にも実質的な変化はありません。しかし LH グループがラウンジを直接売るサービスに転換しつつあることが分かります。

 

航空会社がラウンジの利用度を上げ、そのことにより収益を得る試みは、世界的な流れなのでしょう。JALでも、国際線エコノミークラス利用者がサクララウンジを有料で利用できるようになりました。

有料ラウンジサービス(機内・ラウンジ) - JAL国際線

今のところ2か所だけで、HNL が 3月11日から、BKK が 5月11日からです。前者が4,000円、後者が3,500円と妥当な料金。 国内ラウンジはいつも混雑しているので、除外されたのでしょうか。FRA、LAX、MNL にあるサクララウンジも対象外です。

 FRA のラウンジは(JL408便ではなく、BA便の搭乗時に)利用したことがありますが、貸し切り状態でした。FRA に限らず、海外のサクララウンジJAL 便出発前以外の時間帯は空いているようです。

 ANA が国内ラウンジを PP に開放したこととの大きな違いは、JAL便の出発に合わせて混みあうラウンジにさらなる混雑がもたらされることです。JGC 会員には明らかなサービス低下。JAL が対象ラウンジを拡大するか否かは、JGC への気配りが影響します。

 

利用廃止になったケースもあります。アジアを中心に1,300 箇所のラウンジを擁する Plaza Premium Lounge は、7月以降、PP では入室できなくなります。

Priority Pass members will no longer have access to select Plaza Premium lounges as of July

PP がケチり過ぎたのか、Plaza Premium Lounge が吹っ掛け過ぎたのかわかりませんが、両者の契約は終わるようです。それにもかかわらず、PP は2021年に利用可能施設を拡大する予定です。

Priority Pass Expanding Network By 20% In 2021 | One Mile at a Time

 

航空会社の会員資格でエコノミークラス利用時にラウンジ利用を享受してきた客には、面白くない変化でしょう。JGCSFC は「ラウンジ=タダ飯・タダ酒」とは異なる魅力を提供しないといけませんね。

 

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