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Avios も支払金額制に

 

イベリア航空 IB については新制度の説明があります。

Comment obtenir des Avios - Iberia

ブリティッシュエアウエイズ BA については、2023年中に制度移行することがアナウンスされています。

 

Iberia Plus の改革

IB と BA は IAG という会社の傘下で経営統合されており、顧客プログラムで特典を量るスケールに Avios という共通「通貨」を利用しています。これは他の航空会社のマイルに相当し、10月までは搭乗距離と予約クラスから計算されていました。

 

IB のプログラム Iberia Plus では、11月中に Avios が航空券購入の支払金額から算出されるように変わります。支払金額には燃料サーチャージは含まれ、税金などの諸費用は含まれません。

 

支払金額に比例した Avios が得られるようになりますが、会員レベルによって比例係数が異なります。

Iberia Plus に入会すると Clásica 会員ですが、この場合は 1€ あたり 5 Avios。会員レベルでこの係数は Plata 会員 6 Avios、Oro 会員 7 Avios、Platino 会員 8 Avios、Infinita 会員 8 Avios、Infinita Prime 会員 8 Avios となります。

 

会員レベルは 1年間の搭乗実績で決まりますが、これは搭乗クラス(予約クラス)とゾーン制の区間の違いによって決まる Elite Point や搭乗区間数で計られます。そして今回の Avios 計算法の変更は、この制度には影響しません。

 

提携航空会社に搭乗する場合の Avios の計算方法については何も述べられていませんが、支払金額制をすでに導入した各社の状況を見ると距離制を保つしかないようです。したがってすぐには加算方法が変わることはないでしょう。

 

Iberia Plus の会員レベル

ちなみに Iberia Plus の各会員レベルに必要な年間 Elite Point や搭乗区間数は以下の通り。

Plata     1,100 pts または 25 区間

Oro       2,250 pts または 50 区間

Platino  6,250 pts (または 連続する 2年間で12,500 pts)

です。以下は生涯会員で、入会から現在までに獲得した Elite Point の総和が基準です。

Infinita  125,000 pts        Infinita Prime 200,000 pts

 

JAL 国内線を利用すると、(路線によっても異なりますが HND-ITMでは、)割引の普通席が A、割引のクラス J が I 、割引のファーストクラスが E。それぞれのクラスはエコノミー、ビジネス、ファーストで加算されます。

 

 

IB と BA との会員資格基準の比較は、興味があるところです。しかしこれは圧倒的にBA が楽です。例えば主に JAL 国内線の利用で会員資格を保つなら、生涯 GGL 会員を除いて、IB は BA の 2倍~2.5倍ほど搭乗しなければなりません。

 

今後は?

BA も2023年中に支払金額制を導入する方針です。

How is British Airways’ Avios frequent flyer scheme changing? | The Independent

Avios 制度変更にあたって、問題になりそうなのは現在の会員特典。会員ティア毎の Avios ボーナスです。現在 Bronze 会員は BA、JALアメリカン航空 AA の搭乗で Avios を得る場合、区間マイルの+25%の Avios が無条件に加わります。これは Silver 会員で +50%、Gold 会員だと +100 %になります。

 最格安のエコノミークラスに搭乗すると、ティアボーナスは大きな存在感があります。Gold 会員が25%加算運賃で東京-ロンドンを往復すると、合計 15,555 Avios を獲得できますが、これは Blue 会員が Club World で搭乗した時と同じ Avios なのです。この事情が支払金額制にどう反映されるかは一つのポイントになります。

 

ここから先はすべて推測です。

 

制度変革では、できる限り連続性を持たるのが普通です。そしてこれには理屈が必要です。「支払金額制の導入により、より公正になる」というような、事実に即しているようでそうでもない理屈です。「Gold 会員は+100%ボーナス」という形を保つなら、

 

Blue 会員   5 Avios/£

Bronze 会員 7 Avios/£

Silver 会員    8 Avios/£

Gold 会員   10 Avios/£

 

とすれば説明しやすい気がします。

 ベースの係数は過去の為替レートと他社とのバランスから、5 ~ 6 Avios/£になることでしょう。上記の通り Iberia Plus は 5 Avios/€ですが、Flying Blue と Miles & More は 4 miles/€です。

 Bronze 会員は +20%の 6 Avios/£か、+40%の 7 Avios/£か微妙ですが、おそらく搭乗へのインセンティブを持たせるため、大きい方に振れます。すると Silver 会員は+75%ボーナスになり、制度が変わって得する気分すら持てます。

 各会員レベルに必要なティアポイントも、300、600、1,500 と、Silver と Gold の間が広く、Avios-£係数もこの間が広がるのは納得しやすいはずです。

 

BAの気前次第で、6, 8, 10, 12 Avios/£となるかもしれません。AA をはじめとする米系のプログラムはベースが 5 miles/$なので、これを意識すれば Blue 会員は 6 Avios/£になると思います。

 

予想が当たるかどうか、数か月以内に判明するでしょう。

 

 

なお JAL と AA の搭乗時のティアボーナスは、廃止される可能性があります。ここ数年、提携会社よりも自社を利用する会員を優遇する傾向が強まっているためです。

 

ティアポイント制については、連動して変更する必要はないはずです。しかしスイートスポットは、利用者が増えれば簡単に潰されます。常に要警戒です。