PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

コロナ禍一過で散発する大幅値上げ(その2)

 

世界中で顕在化している広範な値上げは、変な形で現れます。

 

スターアライアンスのクレジットカードの発行

すでに複数の著名ブログで記事になっていますが、航空連合のクレジットカードが小規模ながら実現したようです。シンガポール航空のサイトに紹介されています。オーストラリア在住者が対象です。

https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/ppsclub-krisflyer/earn-miles/earn-on-the-ground/co-brand-cards/

この URL は日本のサイトですが、面白いことにオーストラリアのサイトには紹介されていません。

 

詳しくはサイトの記述に譲りますが、クリスフライヤ―への紐づけを軸に紹介しており、航空会社をまたぐ共通性は詳らかではありません。つまり航空連合のカードとしての特長が宣伝されていません。これは今後明らかになることでしょう。

 

基本性能としては、1 AUD 利用で 1 Star Alliance Point が獲得でき、これは 0.8 KrisFlyer miles に変換できます。年会費は初年度無料、以後 450 AUD です。ここに値上げの波を感じました。特に何て事のないクレジットカードの年会費が 450 AUD。今後は普通に見えるようになると思います。

 

注目すべき要素がないわけではありません。カードの利用状況によってスターアライアンスゴールド資格が得られる点は画期的です。入会後 90日間に 4,000 AUD 利用すれば、年間の資格が得られ、その後は 60,000 AUD/年 の利用で更新できます。

 

AUDは今 95円になっていますが、仮に 1 AUD = 80円に下がっても、年会費 36,000 円、スターアライアンスゴールド資格の基準は 480万円/年です。アメリカン航空のゴールド会員資格=ワンワールドサファイア会員資格は、提携クレジットカード利用 75,000 USD/年=1,100 万円/年でも得られます。スターアライアンスゴールドはこの 44%ですから、安いのです。

 皆さんお馴染みの SFCスターアライアンスゴールド資格が付帯していますね。しかも年会費は極端に安い 1万円強。「ニッポン人に生まれて良かった」です。

 

 

心配なこと

ユナイテッドの航空券購入で150万円/年、オーストラリアのクレカ利用で480万円/年がスターアライアンスゴールドの相場。SFC と桁違いの差があることは、どうしたって気になります。

 日本でも物価が乱れると、SFC の制度は大きく変わり、実質値上げがあってもおかしくありません。単純値上げでは会員離れを招くので、特典の追加、利用基準による会員資格の細分化、周辺事業の利用実績の算入などの手法と組み合わされることでしょう。ただ利用基準は数百万円が想定されます。デルタ航空のゴールド資格が 150万円のクレカ利用で、これは一つの目安になります(が、これも値上げの波にさらわれそうです)。

 スターアライアンスゴールド資格の付帯を実現する SFC が値上げになるなら、ワンワールドサファイア付帯の JGC の便乗値上げも避けられません。

 

上級キャビン向けサービスはバラ売りが普通になっている今日、上級会員資格の価値は下がっています。フライトの都度必要なサービスを買えばよいのです。排他性の高かった空港ラウンジの利用も SFCJGC のクラスなら、国際線でも 50 USD が相場。

 

SFCJGC の経費が膨張したら、上級会員資格とは決別して、利用の度にサービスをバラ買いする方針に変更。こうした柔軟な発想ができる旅行者が賢いのだろうと思います。

 

 

具体的には考えておりませんが、Pechedenfer も上級会員資格のためのゲームは卒業するかもしれません。