PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

BA エグゼクティブクラブでの会員資格獲得と維持

 

COVID 明けで移動が盛んになってきましたが、国際線航空券価格は以前の水準まで戻りません。燃料費と物価高を疑う人が多いのですが、以前には普通に販売されていた格安の料金区分が現れないのが現実です。

 日本発ではエコノミークラスで少しずつ出てくるようになりました。ビジネスクラスはまだまだです。

 

ブリティッシュエアウェイズ BA のエグゼクティブクラブ会員でシルバー会員(ワンワールドサファイア会員)、ゴールド会員(ワンワールドエメラルド会員)だった方々は、今年1月から通常の運用規則が適用されます。会員資格の維持は、世界中で頭の痛い問題になっているはずです。。

 日本在住だと、JAL 国内線のクラス J がビジネスクラス/クラブ扱いで 1 便搭乗毎に 40 TP、国内線ファーストクラスがファーストクラス扱いで、 1 便搭乗毎に 60 TP になります。そのためエグゼクティブクラブの会員資格獲得、維持が非常に容易でした。一方、COVID が収束に向かう段階で JAL 国内線は値上がりました。普通席とクラス J、ファーストクラスとの差額は顕著で、クラス J は(特便料金の)一律 1,000 円増しだったのが、最大3,000 円増し、ファーストクラスは一律 8,000 円増しだったのが、最大12,000 円増しとなりました。いずれも距離によって異なります。

 シルバー会員、ゴールド会員は、COVID 前と比較して出費がほぼ確実に増えます。

 

本記事では、シルバー会員やゴールド会員の獲得・維持にかかる費用を試算してみました。基準はシルバー会員が年間 600 TPと BA の 4 搭乗、ゴールド会員が年間 1,500 TPと BA の 4 搭乗です。ほとんどのケースでクラス J の利用が価格面からかなり有利になります。

 狙い目になりそうな路線は11月に、

 

クラス J

羽田―伊丹 13,910円

羽田―小松 13,020円

羽田―中部 11,920円

羽田―山形 10,270円

伊丹―長崎 13,760円

沖縄―宮古 11,680円

沖縄―石垣 11,790円

 

という料金が提示されています。ご存じの通り、今予約すると10月以前はこれより高くなります。季節的にはこれらがもっとも低価格で、TP単価は 257 ~ 348円。

 

「純然たる修行」の費用を計算してみましょう。

 

宿泊費は馬鹿にならないので、全て日帰りにします。自宅と空港間の交通費もなるべく節約したいところ。しかし同じ路線で一日に一往復を超えるとシステム上エラーが起きます。JAL の会員がやるような HND-ITM 一日 4往復は止めた方が無難です。ただし一日二路線ならいろいろな可能性があります。例えば

HND-KMQ + HND-ITM

HND-GAJ + HND-ITM

OKA-MMY + OKA-ISG

HND-ITM + ITM-NGS

等が挙げられます。いつも最安値で航空券が取れる可能性は低いので、一フライト当たり12,000円だとしましょう。TP 単価は300円です。これでもハードルは高めでしょう。

 

東京圏にお住まいの方が羽田発の JAL 便を利用して TP を稼ぐとしましょう。羽田と自宅間の費用は居住地によって異なりますが、往復 2,000 円だとします。幕張、浦和、八王子、茅ヶ崎あたりにお住いの人たちが該当します。

 さて 560 TP、1,440 TP を JAL のクラス J で獲得すると、それぞれ 3日半14便、9日36便の搭乗になり、

12,000 x 14 + 2,000 x 4 = 176,000 円 (1S)

12,000 x 36 + 2,000 x 9 = 450,000 円 (1G)

この辺が国内線で TP を稼ぐ最低ラインです。

 

これに加えて、BA 4搭乗を行わなければなりません。ヨーロッパに行く料金と宿泊料がどうしてもかかります。別の航空会社でヨーロッパ一都市に滞在(行き帰り1泊ずつ=フライトキャンセルへの保険)、そこからガドウィックを経由、イギリスの都市に向かうことも可能です。しかし BA を利用して、HND-LHR-MAN あたりを往復する方が安いのではないかと思います。 この路線なら 11月うまく行って 243,210円でした。預入荷物なしのエコノミークラスという最低区分となります。1泊1万円で2泊、空港からのアクセス列車が 2.80 GBP だとすると2万1千円です。合計すると BA 4 搭乗に関わる遠征費用は、

243,210 + 21,000 + 2,000 = 266,000 円 (2)

 

シルバー会員資格、ゴールド会員資格を獲得、維持するためにかかる費用はそれぞれ(1S)+(2)、(1G)+(2) で計算され、

シルバー会員 442,000円

ゴールド会員 716,000円

となります。

上記のシミュレーションは TP を稼ぐことを目的として出費する場合の最低ラインであり、

・これほど安く全ての予約を取るのは難しく、金額はこれ以上になる

・旅が趣味なら、別件で搭乗するのでこの費用が年間総出費に加わるわけではない

点に注意が必要です。

 

今やシルバー会員が44万円、ゴールド会員が72万円の時代となりました。もはや JALサファイア会員(セール・キャンペーンなしで50万円ぐらい)、JGP会員(同80万円ぐらい)と変わりません。しかし毎年FOPキャンペーンもセールも行う JAL。実際にはサファイアJGP はそれぞれ40万円、65万円ぐらいに抑えられそうです。日本におけるエグゼクティブクラブの特異性には翳りが見えます。

 

JAL会員と比べた時、有利な点は GGL 会員と生涯エメラルド会員へのアクセスぐらいしか残っていないかも知れません。