PECHEDENFERのブログ

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JALの新ステイタスプログラムを予想する(その1)

 

JALJGC 生涯マイレージを発展解消し、新ステイタスプログラムを開始します。プログラムを充実させ、JALの周辺サービスの利用を促すことが目的なのは明らかです。

 詳細は秋に発表されるそうですが、相当部分が決定していることを臭わせます。JAL ウォッチャーには予想する楽しみが出来ました。専門家を自認する人は外れた時がマズいので定量的な予想を述べたりしないものですが、JGC ですらない利用者なら予想を述べても誰も相手にしません。当たっても外れても、得る物も失う物もないゲームです。

 考えるにあたって、大きなポイントは2つあります。各種サービスの利用実績の算出方法(ステイタスポイントの算出方法)、生涯利用実績と特典との関係です。

 

フライト利用実績の数値化

現行のJGC 生涯マイレージでは、国内線搭乗回数と国際線搭乗マイルを個別に積算、高い方で評価します。新プログラムでも国内線を回数、国際線を距離で評価すると思います。その先、それらを合算するか、(JGC 生涯マイレージがそうであるように) 上位の評価を採用するのかの選択肢がありますが、これは合算でしょう。はるかに異質なサービスの利用実績も合わせて一つのスケールで測ろうというわけですから。

 搭乗実績をステイタスポイントに変換する時は、換算係数をかけることぐらいしかできません。国内線回数と国際線搭乗マイルの換算係数の比は、現在の生涯マイレージの各段階の基準(300回~2,250回と150K~2,000K)の対応が参考になります。

JGC Life Mileage (JALグローバルクラブ) - JALマイレージバンク

すると国内線搭乗1回は、国際線搭乗826マイルに匹敵することになります。換算係数にはこのぐらいの重みの違いがあると予想します。

 

 

ANA のやり方からの類推

次は周辺事業の利用をどう数値化するかという問題です。

(クレジットカードの利用実績):(搭乗マイル)

のレートがプログラムの基本となりそうです。商いでの金の移動と人の移動の間の関係を確立すれば、他の事業の利用も妥当に計算できることでしょう。

 

そこでは ANA が最近マイレージクラブで行っている会員資格に必要なプレミアムポイント (PP) の割引が参考になります。

 ANA の場合、周辺事業を利用すると、利用の程度によって上級会員資格に必要な PP を減じるという処置をとります。ANA の基準では、以下の点が要になっているように思えました。

(1) クレジットカード200万円の利用あたり、10,000 PP 割引くことが多い

(2) クレジットカード利用による割引には上限がある

(3) 展開する事業を分類し、利用した分類項目の数に下限を設けている

実数としては ANA の会員もサラリーマンが多く、年間500万円のクレカ利用は、相当な金遣いに見えることでしょう。ANA のメッセージや広告を見ていると、サラリーマン的に狭窄した視野を持つ会員が多いのは納得できます。しかし自営業者の場合、経費の決済ができるので年間2000万円の利用でも驚くほどではありません。(1) のレートで青天井にするとクレカだけでダイヤモンドサービスに到達する会員が山ほど出る可能性があります。これでは混乱します。

 

ただフライト実績とクレジットカード決済のレートは、日本の場合このぐらいにするのが適当なのでしょう。JAL も恐らく200万円決済= 10,000 マイル分で換算されると思います。(ショッピングマイル・プレミアムに加入している場合)

 周辺事業の利用を促すためには、ANAと同様に種別を分類して、それぞれの利用実績に上限を設けるはずです。JALの新プログラムは生涯プログラムなので上限は ANA より高くなるとしても、2億円クレカの利用がミリオンマイラーと同等というのは、どう見てもアンバランスです。一方で「異なるサービスを○○以上利用しないと、××の利用実績は反映されない」という形の制限は複雑になり過ぎるので、やらないと思います。

 

環境関係事業への貢献

例えば SAF を購入させるなどということも考えられます。環境への取り組みは会社の存続に関わることですので、ショッピング利用の2倍~4倍のポイントが得られてもおかしくありません。

 

JAL が扱う商品

海外のプログラムの生涯搭乗実績の評価法から一般的に言うと、キャンペーンは特典マイルには表れるけれど、生涯実績には無関係ということが多いのです。生涯実績は単純、愚直に利用そのものが積算されます。したがってJAL が運営するショッピングモールや JAL が輸出入で取扱う商品の購入などを優遇するとしても、優遇度は大きくはないと思います。通常のクレカ決済のせいぜい1.5倍ではないでしょうか。

 

金融事業の利用

JAL は NEO BANK で金融サービスを展開しています。住宅を担保にした貸付は安全に収益を上げることができるので、住宅ローンがあるとステイタスポイントがかなり貯まるのではないかと思いますが、定量的には見当もつきません。また金融商品の販売も充実させることでしょう。それらの利用はサラリーマンでも比較的高ポイントが取りやすい領域になるかと予想しています。

 

各種サービス利用実績算出方法についての予想のまとめ

・国内線を回数、国際線を距離で評価する

・回数評価によるポイントと距離評価によるポイントは合算する

・1回の国内線搭乗は、800~850マイルの国際線搭乗に対応する

・クレカ200万円単純決済= 国際線10,000 マイル分(ショッピング・プレミアム加入の場合)

・クレカ利用によるポイントには上限

・環境事業への貢献は金額当たりのポイントはクレカ利用の場合の2~4倍

JALに近いショッピングでのクレカ決済でも<1.5倍

・住宅ローンがステイタスポイントを多く溜めるには有効