PECHEDENFERのブログ

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BA エグゼクティブクラブ遠隔利用 tips (5)

 

エグゼクティブクラブでは会員年度中に、適格フライト (Eligible flights) 2搭乗または 4搭乗が必要とされます。これが成されない場合は、次年度の会員資格が下がります。シルバー会員、ゴールド会員は 4搭乗必要です。

 

適格フライト Eligible flight とは

さてこの適格フライト。しばしば定義がグローバルレベルで問題になるようで、その説明だけのために設けられたページが存在します。

Executive Club - Eligible flights

それによると、

・BA が運航するか BA が売る便(BA のフライト番号がある便)

・IB が運航し、IB が売る便(IB のフライト番号があり、IBが運航する便)

が適格です。

 

遠隔地の会員が考えること

BA の本拠地は UK、IB の本拠地はスペインです。原則として彼らの発着地は UK かスペインなのです。これは日本のような遠隔地に居住する会員の場合、大問題になります。適格フライトに長距離便が 2便、必須になるからです。

 回避する例外的な方法が以遠権フライトの利用で、すでに記事にしました。

BA エグゼクティブクラブ遠隔利用 tips (2) - PECHEDENFERのブログ

もし実際にこれを利用するなら、以遠権フライトに接続する共同運航便(Codeshare flights)もカウントできます。BA が売る共同運航フライトは適格ですから。

 さて上記記事で説明した通り、日本在住会員で以遠権フライトの利用が効果的になる(=欧州ほど遠距離に行かなくて済む)のは、BA15、BA16 便の SIN-SYD 部分に限られます。

 幸い BA15、BA16 便が SYD で接続する QF 便は、その多くが BA との共同運航です。

 

以下の QF SYD 便就航地は、BA の予約サイトで SIN 発を設定した場合にも出現します。

ADL, ASP, AKL, BNE, CNS, CHC, OOL, HBA, MEL, PER, ZQN, WLG, CBR

半分ぐらいの共同運航は季節便です。大きな空港には通年で「BA 便」が発着しているようです。

 

SIN 発で BA15, BA16 便を含む SYD 乗継往復航空券の 3月の料金を調べたら ADL 行がもっとも廉価なようでした。一切を含めて 1505.6 SDG (=165,500 円) という料金。

 

欧州に行く場合との比較検討

現在、欧州行は非常に高くなっています。もっとも簡単にBA 4搭乗をするため、羽田から LHR 経由でパリ往復を行うなら 3月最安値で 227,240 円と出ました。

 

安売りが特徴の航空会社で欧州に行き、そこから BA の短距離便を 4搭乗行うという戦略ももちろん考えられます。例えばカタール航空は安売りを良く行います。現在も日本発欧州往復の新春セールを行っており、一番安いフライトは NRT-DOH-IST の 132,070円でした。BA の IST-LHR-CDG 往復なら 328.5 € (52,800円) と出ます。これは底値ではないかもしれませんが、とにかく合計すると 185,000 円ほどになります。カタール航空の行先と BA 往復の組合せでは多少節約も可能でしょうが、数万円も下がることは期待できません。また大幅遅延・運休をヘッジするために IST での接続は24時間以上の余裕を持たせるのが基本でしょう。すると往路復路合わせて最低 2泊加えなければなりません。この宿泊は羽田から単純に BA で移動する料金との差を縮めます。

 

個人の条件

実際に行動する場合、一般には旅行日が大きな問題です。上記価格は最低料金かそれに近い数字なので、修行コンサルタント年金生活者でもない限り、上記数字は総額近くならないと思います。例えば HND-LHR-CDG の BA 往復だと上記価格はむしろ稀と言ってよく、大抵の日で 30 万円を超えます。

 

BA のゴールド会員になるような方だと、状況はさらに複雑になります。様々な移動手段を持つからです。例えば (他社 FFP で) 有効期限が近いマイルを持つ場合、東京ーシンガポール往復を特典航空券にして BA15, BA16 便を利用する手は、カタール航空新春セール+ BA 欧州便より安上がりになることでしょう。同じようなマイルで欧州往復できるなら、さらに下がります。特典航空券を利用する場合、サーチャージが含まれるかどうかも大きな問題です。

 

結局のところ、こういう価格調査は旅行計画の立案時に基礎資料となるだけです。個人の置かれた条件とこうした情報を組合せて、個人で立案するしかありません。そしてその段階ではどのラウンジを使うとか、どのホテルに宿まるとか、どの観光地に寄るとか、旅の嗜好も重要な要素になります。

 

これぞエグゼクティブクラブらしい現象。会員の独自の視点が鍵を握ります。皆が飛びつく「お得情報」から距離を保ち、それ以外で広範な情報収集が重要。ゲーム感覚で楽しめて良いと思います。