PECHEDENFERのブログ

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新ステイタスプログラム:移行期のあれこれ

 

JAL カードのプログラムJAL ライフステイタスプログラムがいよいよ始まりました。JAL グローバルクラブ JGC 獲得はハードルが高くなったとか、旧来の JGC 会員へのLife Status ポイント LSP 補填が不公平だとか騒がれますが、視点を変えると不思議な事実が浮かび上がります。

 

無関係な人に無意味な情報追加

JAL マイレージバンク JMB 会員を対象に、1995年以降の搭乗実績を新プログラムの基準(国際線 1,000 mile 毎に 5 pt、国内線 1搭乗毎に 5 pt)で LSP に変換、それは各会員のアカウントに提供されました。国内線、国際線がそれぞれ計算され、個別事由で履歴に残されます。1月10日頃、新しい表が出現しました。

今後は国際線搭乗 1,000 mile 毎、国内線搭乗毎にこのリストに一行加わります。この表を見て、多くの会員は「遂に始まった」という感慨が湧いたことでしょう。

 

新プログラムは JAL 自身が強調するように JMB ステイタスから独立したプログラムです。そしてそれは JAL カードへの入会が必須でありカード利用がカウントされるため、クレジットカードのステイタスプログラムということになります。JAL 国際線ファーストクラスをいかに頻繁に利用しようが、JAL カードを持たないなら蚊帳の外。私の場合も JAL カードを昨年末に解約したため、このプログラムへの参加資格がありません。JMB 会員には、会員、非会員に関わらず新プログラム向けの個人情報を提供していることになります。訳がわかりません。

 

私が JAL カードを解約したきっかけは、ショッピングマイルプレミアム年会費を 50%値上げするという通知であり、新ステイタスプログラムへの意識は全く働いていません。しかし図らずしも、

 

Club A 以上の JAL カード会員にのみ表示が新設されるのではなく、カードすらない JMB 会員にもライフステイタス情報を提供した

 

ことが分かりました。この事実を知ったことは収穫だと感じました。新事業の進め方がいろいろ見えてくるからです。

 

新事業を推進する気はいかほど?

無関係な JMB 会員アカウントに新ステイタスプログラムでの状況が現れることは無理筋ですが、クレジットカード入会へ誘導する意図があるなら理解できます。しかし同じページに宣伝は全くありません。常識レベルの商魂の持ち主なら、JAL カード申込のリンクを貼ったはずです

 

ポイントを増やす方法も示されますが、JAL カード利用のルーチンもあります。これも私のような単なる JMB 会員には無縁です。

そもそもこのポイントが意味を持つための条件(クレカ会員になること)すら、アカウントのページでは分かりません。クレジットカードに誘導するのは露骨すぎると、慎み深い判断をするのは結構ですが、数字の意味 (Club A 以上のJALカードに入会し、年会費を納めればステイタスとそれに付随する特典が得られる) がすぐ理解できる仕組みは必要です。皮肉なことに JAL カード宣伝の特設リンクがあったら、これらの情報が何であるかすぐ理解できたのです。こういう推察は行わない JAL。あるいは個人情報保護で壁にぶつかり、当然なことが出来ないのでしょうか?

 

JMB 会員ならすでにどこかの情報源に触れており、新ライフステイタスプログラムについて既知であることが前提になっています。それは大いに問題があります。

 

JAL カード Club-A の解約件数が増える?

JGC JAL を利用するけれど、頻度は低い顧客向けのサブスクリプションサービス (定期一括前払サービス) でした。Club A 以上のクレジットカード会員であることが必須で、その年会費 (¥ 11,000〜) はベースの JAL カードの 5倍以上。費用便益を考えると結局 JAL にそこそこ搭乗しないと元が取れません。それだからこそ事業が成立したのです。

 一時の情熱から SFCJGC を 2年で獲得したけれど、その後 ANA しか搭乗しない JGC 幽霊会員も多いのです。こんな場合、クレジットカード年会費は無駄。積極的に評価してもせいぜい無用な保険。しかしこんな状態も昨年までは会員の意志で放置されるのが普通でした。一度 JGC クレジットカードを解約すると、再び JMB でサファイア以上の会員ランクにならないと再入会できなかったからです。これでは踏ん切りがつきません。

 

ところが今後は JGC 会員を中断しても、いつでも(クレジットカードの入会審査だけで)再開できるようです。

 

新プログラムでは LSP 1,500 点以上が JGC 入会の必要条件。多くの JGC 会員は今年 1月の時点でこの基準を満たさなかったようです。それは JGC の仕組みを考えれば当然のことで驚きはありません。驚きは LSP が 1,500 pt に満たない JGC 会員に JAL がポイント不足分を補填したことです。私にはこの補填の意図が理解できません。経過措置として旧 JGC 会員にサービスを継続、LSP は実績通りでカード会員資格を失ったら新制度適用と信じ込んでいたのですが、予想が外れました。

 

JAL が行った LSP 補填の最大の問題は、JGC 会員にメンバーシップを中断して冷静に費用を考える機会を与えることです。無反省に年会費を納め、対価を放棄していた巨大な幽霊会員の集団が収縮します。「使っていない JGC の会費はもったいないし、一度中止してみるか。それで不便だったらすぐ再入会できるし。」と退会する JGCSFC 会員は、多くの場合二度と戻ってきません。

 

JAL はそう考えなかったのでしょうか。それとも新プログラムが魅力的で解約は起きないのでしょうか。金を納めて対価を受け取らない会員は、実はありがたくないのでしょうか。

 

この点については、全く見当がつきません。